時代を超える秀逸なデザインはかけ合わせることで、モダンに変わる。
ヴァン ヂャケットの石津謙介氏との協業により、1972年に誕生したアイウエアブランド「アイヴァン」。“着るメガネ” をコンセプトに、視力矯正器具でしかなかったメガネにファッション性を持たせた初のブランドとしても名高い。その長い歴史のなかでは、アメリカの某有名ブランドの全盛期をモノづくりで支えた実績もあるなど、その技術力は随一を誇る。
そんなアイヴァンの最新作。原点であるアメリカントラッドをベースにしながら、今季はとりわけフレンチヴィンテージのテイストをふんだんに盛り込んだプロダクトが揃えられた。蝶番やブリッジ、テンプルなど、細部には先人たちが遺した意匠が受け継がれ、それが最新の素材によって一本のメガネに融合される。アイヴァンが考える温故知新とは常にモダンであることと表裏一体なのだ。
2023年の、最新“着るメガネ”5選。
1.E-0511
定番コンビネーションフレームの新作。フロント上部が冠のような型で、通称クラウンパントとして知られるフレンチヴィンテージの代表的デザインを踏襲している。クリングスと一体型となるブリッジやヨロイからテンプルにかけての彫金も美しい。4万4000円
2.Aztec
1940年代のアメリカンヴィンテージに存在した最初期のサーモントタイプから着想を得た、曲智仕様のヨロイ部分が目を引く。力強いデザインに反するような繊細なブリッジや丸みを帯びた玉形の組み合わせで、アイヴァンらしいモダンな趣きも。5万600円
3.Helga
あらゆる鼻型に合うよう設計された可動式サドルブリッジ。1970 年代のアイウエアカタログに掲載されていた老眼鏡にインスパイアされたテンプルには、初期アイヴァンのデザインアイコンである合口飾りのパーツを合わせた細かな意匠にも注目。4万6200円
4.Safari
1923年に世界で初めて登場したクリングス一体の鼻当てや湾曲したブリッジなど、旧きよき意匠を盛り込んだデザインを軽くて丈夫なチタン素材でアップデート。手掘りの金型を使った彫金は蝶番の内側にまで施されるなど、とことん抜かりない。4万4000円
5.Cadet
アメリカ的ともフランス的ともとれる他にはない絶妙なバランスのウェリントンタイプは1960年代にジャズミュージシャンが着用していたメガネからインスピレーションを受けている。ヴィンテージの意匠である置き蝶番が武骨なアクセントを加える。3万8500円
【問い合わせ】
アイヴァン 東京ギャラリー
TEL03-3409-1972
https://eyevaneyewear.com/
(出典/「2nd 2023年4月号 Vol.193」)
Photo/Ryota Yukitake Styling/Nobuyuki Ida Text/Kazuki Ueda Hair&Make/Kentaro Katsu
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