トラッドの定番「紺ブレ」の、“変化球”が業界人も気になっている!

  • 2022.12.04

1960年代半ば、VANが生んだ紺ブレブームはみゆき族とともに華開き、90年代の渋カジ期には街中が紺ブレで埋め尽くされた。スタンダードアイテムながら今また紺ブレが注目を集めている。そこで「定番」「新作」「変わり種」の3カテゴリーに分けて紺ブレを徹底レビュー。今回は異素材やデザインミックスなど、進化を遂げた「変わり種」をピックアップ。3名の洒落者をくすぐる紺ブレを見ていこう。

▼これまでに紹介した「定番紺ブレ」「新作紺ブレ」はこちらの記事でチェック!

トラッドに欠かせない紺ブレの定番モデルを業界人がレコメンド! 【おすすめ6選】

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紺ブレの新作モデルは、定番モデルを凌駕する? 洒落者たちが厳選6着をレコメンド!

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2022年11月27日

「ドゥエア・インク」手塚直樹さん(左)

ルイジ ボレッリやステファノ ビジなど、イタリアの名門ブランドのエージェント。コロナ以前はピッティにも毎回参加し、ドレスウエアの最前線を熟知。

「ボンビュー」オーナー・大島拓身さん(中央)

長らくドレスの世界に身を置きつつ、ヴィンテージ好きが高じて2019年に自らのショップ「ボンビュー」を始動。現在は高円寺屈指の人気店として話題を集める。

フリーPR 柳 雅幸さん(右)

メイデン・カンパニーでMD・営業・PR などを務めた後、2022年に独立。アメリカンウエアの造詣を活かし、フリーランスのPR&ブランドプランナーとして活躍。

1SHIPS STANDARD(シップス スタンダード)|一見ベーシックに見えて生地にヒネリが効いてます。(大島)

ポリエステルとウールをブレンドした生地に樹脂加工を施すことで、独特のドライタッチを表現。くっきりと綾目が立ったギャバジン組織も目を惹く。4万920円(シップス 銀座店TEL03-3564-5547)

大島 こちらは生地が変わり種ポイントですね。ポリエステルとウールをミックスしていて、サラッとドライな肌触り。そして非常に軽い。

 若干オーバーサイズぎみのシルエットですね。それと、ワークやミリタリーを思わせるナットボタンを使っているのもポイントです。

2ENGINEERED GARMENTS × HUMMINGBIRDS’ HILLエンジニアド ガーメンツ×ハミングバーズヒル)|紺ブレ風のワークジャケットですね。(手塚)

エンジニアド ガーメンツの定番「ベッドフォードジャケット」をベースに別注。各所に覗く黄色いスタンプはアメリカユニホーム協会のもの。6万1600円 (ハミングバーズヒルショップTEL03-6721-0189)

大島 本来はワークジャケットですが、紺のサージ生地とメタルボタンを採用しているので、紺ブレのエッセンスも入っている、ということですかね。

手塚 よく見るとパッチワークのように生地を接いでいますね。エンジニアド ガーメンツのテイストとはよくマッチしていると思います。

3nanamica(ナナミカ)|驚くほど軽くて着心地ノンストレス。(柳)

吸湿速乾性を備える「アルファドライ®」と、自身の体温に活かして適度な保温効果を叶える「光電子®」をミックスした素材を使用。高機能な一着だ。36300(ナナミカ 代官山TEL03-5728-6550)

大島 今回、唯一の機能素材ジャケット。極軽仕立てのうえ伸縮性があるので、窮屈感を感じさせないですね。

手塚 内ポケットはジップ式なんですね。こういうさりげない配慮も心憎いところです。

 飛行機や新幹線に乗るときにも便利。出張時にも活躍してくれそうです。

4OLD JOE(オールドジョー)|細部の仕立てが実に凝っています。(大島)

テーラードの伝統的製法であるフルキャンバス仕様を採用して立体感を描き出しつつ、 肩パッドを省いて柔らかさも表現した本格仕立て。8万8000円 (OLD JOE FLAG- SHIP STORE TEL03-5738-7292)

手塚 着ると綺麗なAラインを描き出す、どこかヘリテージテイストを感じさせるジャケットですね。

大島 アームホールの部分にアクションプリーツが取られていたり、ポケットにダーツを入れたりと作りも独特。

 アウター感覚でざっくりしたニットに合わせても素敵そうですね。

5SOUNDMAN × HUMMINGBIRDS’ HILL(サウンドマン × ハミングバーズヒル)|和洋折衷がユニークです。(柳)

英国軍のホスピタルジャケットをモチーフにしたジャケットに、インディゴ染めの刺し子生地を載せて別注。経年変化も楽しみな逸品だ。4万2900円(ハミングバーズヒルショップTEL03-6721-0189)

 これは珍しい。藍染めした刺し子素材のジャケットですね。独特のクラフト感が印象的です。

大島 脇の下には通気性を高めるためのベンチレーションがついていますね。ゴム引きコートと同じような設計です。

手塚 ブルゾンのような感覚で着るのが正解といえそうですね。

6GYPSY & SONS(ジプシー&サンズ)|このヘリテージ感が愛らしいですね。(大島)

ヘビーなメルトン生地で仕立てた一着はまるでヴィンテージのような顔つき。ラペルの裏側や内ポケットにジップポケットをあしらっているのも独特だ。5万9400円(アスディックTEL0586-45-0668)

大島 スポーツウエアだったころのブレザーを彷彿させるヘリテージ感ですね。かなりラウンドした裾に襟のトリミング、胸にはモールのワッペンまで。

 ちょっと可愛らしい顔つきがクセになりそうですよね。

手塚 クセはあるけれど、そのぶん着こなし甲斐がありますね。

※情報は取材当時のものです。現在取り扱っていない場合があります。

(出典/「2nd 202212月号 Vol.189」)

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