ファーストコレクション発表時より大々的に展開された、スタイリッシュで前衛的な広告戦略は瞬く間に若者たちの注目を集める。また当初より販売員への意識改革を図り、服飾業界の有識者を講師に招いたセミナーを開くなど、その大胆かつ地道な啓蒙活動は、今日の日本におけるファッションアイウエア文化の礎を築いた。以降も77年に始動した若者向けライン「アイビーリーガース」の爆発的なヒットや、80年代後半には世界のセレブが愛用するなど、その認知度は世界レベルへと広がった。
そんなアイヴァンは2003年に展開を一時休止するものの、2018年には復活。欧米のヴィンテージスタイルを軸に、独自のモダンなエッセンスを加えたフレームデザインは服好きにこそ人気を集める。〝着るメガネ〞の文化を生みだした先駆者が、今また業界のトップブランドとして返り咲いたのだ。
時代の先端を行く広告戦略でメガネのイメージを一新。
ブランド発足当時より、「メガネ=ファッション」として、世間に広く、かつスピーディに打ち出すため、積極的な広告戦略を仕掛けたアイヴァン。そのモダンで洗練されたビジュアルは、当時の若年層を中心にすぐさま受け入れられた。さらに、それを文化として根付かせるため、直にユーザーと接する販売員の意識改革を推進。ファッション業界の有識者を講師に招いたセミナーや新作発表展示会などを積極的に行った。その他にも、メガネを感覚的に選ぶことができるオープンディスプレイを業界で初めて採用するなど、今日におけるアイウエアの在り方に大きな影響を与えている。
アイヴァンのクラシックス
世界屈指と評されるメイド・イン・ジャパンの技術力や積極的に取り入れられるオリジナルパーツ。アイヴァンのフレームはヴィンテージデザインをベースとしながらも、モダンなエッセンスが加えられている。定番人気を獲得するボストンウェリントン型の[ウェブ]や、優雅なツーポイントの[オービット]など、往年のアメリカントラディショナルスタイルを体現するデザインに加えて、フレンチヴィンテージから着想を得た、[メイソン]や[サドラー]がひと際目を惹く。
(上から順番に)
OFF-17T
スパイク・リーも愛用した80年代の傑作アーカイブを復刻。オーバル型のチタンフレームに特徴的なプラスチックのノーズパットを融合させたデザインは無二。4万700 円
Mason
フレンチヴィンテージの人気デザインであるクラウンパントをエッヂの効いたフロントとワイドテンプルで現代的にアレンジ。丁番は60年代のデザインを再現。3万3000円
Webb
アメリカントラディショナルの基本である、ボストンウェリントン型の永久定番。オリジナルのカシメ丁番や柄を彫り込んだテンプル芯は横から見ても印象的。2万9700 円
Orbit
ヴィンテージに用いられたヨロイとレンズの間に板を挟むデザインのツーポイント。フィット感を高める純チタンフレームに職人技が光る彫金がエレガント。4万6200 円
Sadler
通称パリジャンと呼ばれるフレンチヴィンテージをアレンジ。リム上部がやや膨らみ、小ぶりながら肉厚で力強いデザインはアメリカデザインとは異なる魅力。3万800 円
“ 着るメガネ” 、3人の場合。
個性豊かなデザインコンセプトで、あらゆる趣向にフィットするアイヴァン。年齢、性別、国籍も異なる3人に相応しいメガネとコーディネイトを考えてみた。
Euro Vintage Style×[Mason]
NILS
Age_43
Country_Germany
Eyes_Blue
Hair_Dark Blonde
リム上部が王冠のような型をした通称クラウンパントはフレンチヴィンテージを代表するシェイプ。ノーカラージャケットにバンドカラーシャツ、首元にスカーフを巻いた、ヨーロッパスタイルに完璧なマッチングを魅せる。
American Casual Style×[Pond]
SHINSHIN
Age_31
Country_Japan
Eyes_Dark Brown
Hair_Black
アメリカンヴィンテージの原点である「フルヴュー」タイプから着想を得たフルメタルモデルには往年のアメカジスタイルが相応しい。一見シンプルながら職人技が光る美しい彫金やディテールに強いこだわりも感じさせる。
Mannish Traditional Style×[E-0505]
HINA
Age_21
Country_Japan
Eyes_Dark Brown
Hair_Dark Brown
ボールドストライプのジャケットが主役のマニッシュな装いには、アイヴァンのアイコンモデルをコーディネイト。完成されたデザインのボストン型コンビフレームはクセが少なく、年齢や性別を問わない普遍性を持つ。
【問い合わせ】
アイヴァン 東京ギャラリー
TEL03-3409-1972
https://eyevaneyewear.com/
(出典/「2nd 2022年8月号 Vol.185」)
Photo/Tetsuya M aehara Styling/Nobuyuki I da Text/Kazuki U eda Hair&Make/Miho E mori Model/Nils, S hin s hin, H ina M ishima
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