ミリタリー生まれの定番アイウエアスタイル。ツーブリッジとサーモント。

  • 2022.05.10  2022.03.06

いまではすっかりファッションアイテムになっているツーブリッジとサーモントは実はミリタリーの出自を持つ。旬のミリタリーコーデとももちろん相性バツグン! それぞれの歴史とおすすめモデルを紹介。

1.【TWO BRIDGE】パイロットのための実用的なアイウエア。

Bausch&Lomb|1930年、ボシュロム社の[アビエイター]は合衆国陸軍航空隊に正式採用された。その後、1937年に「レイバン」へと社名を変更。『トップガン』でトム・クルーズが着用していることでも有名だ。写真は’58年製。15万9500円(デコラ 03-3211-3201)
別名[パイロットグラス] とも呼ばれるティアドロップ型のツーブリッジは、 930年にボシュロム社製が軍採用。かのマッカーサーも着用していた。さらに、1986年公開の『トップガン』でトム・クルーズが着用した[アビエイター]によって、一躍ファッションアイテムとしての知名度を獲得。もともとは空軍が戦闘機内で着用するうえで、十分な堅牢性を確保するためにブリッジを一本足したのが起源とされている。操縦において、視野を広くとるため大きくなったレンズに合わせてブリッジの補強が必要だったという説や、ヘルメットの着脱時にフレームが捻じれてしまう危険を避けるため、などの説がある。ちなみに、テンプルがストレートなのもヘルメットの着脱を容易にするため、なんて話も。

ややナードな雰囲気漂う個 性を演出するツーブリッジ。 クラシック回帰が気分のいまだからこそ、ファッション的 にも気になるアイテムだ。

2.【Sirmont】威厳を保つために米軍将校がオーダー。

Shuron|サーモント型のアイコンとして有名なマルコムXが着用していたことでも知られる[ロンサー]。1947年に発売されて以来、大定番として君臨し続けている。なお、ブリッジがセルの場合は、ブロー型と呼ばれる。10万4500円(デコラ 03-3211-3201)

ツーブリッジに比べ、より一般的なアイウエアデザインとして浸透しているサーモント。フロント上部のみプラスチック、ブリッジと下リムはメタルになっており、シュロンやアメリカンオプティカルなどの米国メーカーがその原型を作ったとされている。確かな文献は残っていないが、その起源には実におもしろい ストーリーがある。かつてアメリカ軍にモント氏という人 物がいた。彼は将校という立場にいながら、眉毛が薄く威 厳がないことを悩んでいた。 そこで、アイウエアメーカーに頼んで眉毛を厚く見せるこ とのできる眼鏡を作らせたのが始まり。彼の名前からとってサー( sir、将校の意)、 モントと呼ばれるようになったのだとか。

その後も、人権活動家であ るマルコムXをはじめ、政界や金融業で活躍するエリートたちに好まれ、その出自どおり知性や威厳を象徴する型として人気のモデルとなった。

※情報は取材当時のものです。現在取り扱っていない場合があります。

(出典/「2nd 2022年3月号 Vol.180」)

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