ドクターマーチンを代表する「1460」8ホールブーツ誕生60周年! その歴史を振り返ろう。

90年代日本のストリートシーンでも爆発的な人気を博し、現在でもブーツブランドとして確固たる地位を確立している「ドクターマーチン」。英国生まれと思われがちだが、有名なこのブランドのソールを発明したのは、ドイツ人の医師、クラウス・マルチン博士だ。スキー事故で足を痛めた彼が、自身のリハビリのために足にやさしいソールを開発したのが始まり。その履き心地は“弾むよう”と称され、評価されてきた。

1960年4月1日に記念すべきファーストモデルが完成。

今から60年前、1960年にドクターマーチンのアイコン「1460」8 ホールブーツは誕生した。スキーの怪我のほかにも、オートバイの事故、工場の床の巨大な穴……ブーツの誕生までには数々の秘話があり、そのいずれもがこのアイコンが生まれるための必要不可欠な出来事だった。

1930年代のイギリスのコブスレーン工場の様子

当初はドイツで製靴していたが、やがて英国の老舗シューズメーカー、R・グリッグ社と技術提携を結び、ソールにも改良が加えられ、耐摩耗性、耐寒性、耐熱性を持ち、独自の薬品配合でラバーのような透明なソール「ドクターマーチンソール」がついに完成する。

工場で作られるソールドクターマーチンソール」

そして英国のノーザンプトンで、1960年4月1日に記念すべきファーストモデルが完成する。誕生の日に由来するコードネーム「1460Z8eye」と呼ばれる「1460」8ホールブーツは、同ブランドの象徴としていまでも人気が高い。

ヴィンテージの「1460」8ホールブーツ

実用性を徹底的に追求したこの靴は、労働者だけでなく、警察官やポストマンからミュージシャンまで広く愛用される。モッズやパンクファッションのアイコンとして認知され、ファッションアイテムとしてのポジションを確固たるものにしていく。

▼ドクターマーチンの主要モデルについてはこちらをチェック!

Dr.Martens(ドクターマーチン)の定番からレアものまで人気革靴7選。|名靴カタログ

Dr.Martens(ドクターマーチン)の定番からレアものまで人気革靴7選。|名靴カタログ

2021年10月26日

ドクターマーチンの60年。1960年から続く反体制の歴史。

パンクスにも愛されるドクターマーチン

60年代後半に英国の若いギャング達は頭を剃り、労働者階級の象徴であったブーツをユニフォームのように着用した。The Who のピート・タウンゼントがギグでドクターマーチンを着用し始めたのも時を同じくして1967年。この頃からドクターマーチンは単なるワークシューズからサブカルチャーや音楽の場へもステージを広げていった。

イエローステッチ、グルービングソール(ソールの周りに入った独特のエッジ)、ブーツの特徴を謳ったヒールタブ、一目でそれとわかるように施されたこれらのディティールはやがて労働者階級のプライドと自己表現の象徴へと変貌を遂げる。

現在のノーサンプトンの工場の様子

ドクターマーチンの「1460」8 ホールブーツは快適な履き心地、耐久性、履き込むほどに増す味わいは60年の時
を経ても変わることなく同じプロセスをもって同様の素材を使い、一部のコレクションはブランド創業から残るノーサンプトンの工場で今もなお作られ続けている。

これからも変わらない「ドクターマーチン」という存在。

「1460」8ホールブーツ

2020年現在、ドクターマーチンは国籍や年齢問わず、無限に広がるサブカルチャーと密接に関わる人々に愛されている。また、シンプルなワークブーツとして歴史を刻んだこのブーツは、反体制者の姿勢と同じく反逆精神の象徴として認識されている。体制に従うことなく、変化のために戦う人々の足元を飾ってきた歴史とともに、これからも彼らの足元にはドクターマーチンがあることは間違いないだろう。

 

反骨精神の象徴とも言える「ドクターマーチン」。履くだけで大きな壁に向かう勇気をもらえるような「1460」8ホールブーツ。その誕生からこれまでの歴史を感じながら、ここから始まる新たな60年をあなたも一緒に刻んでみてはいかがでしょうか?

購入はこちらから

【問い合わせ】
ドクターマーチン・エアウエア ジャパン
TEL03-6746-4860
https://jp.drmartens.com/category/SIX_DECADES_OF_DM

この記事を書いた人
2nd 編集部
この記事を書いた人

2nd 編集部

休日服を楽しむためのマガジン

もっと休日服を楽しみたい! そんなコンセプトをもとに身近でリアルなオトナのファッションを提案しています。トラッド、アイビー、アメカジ、ミリタリー、古着にアウトドア、カジュアルスタイルの楽しみ方をウンチクたっぷりにお届けします。
SHARE:

Pick Up おすすめ記事

グラブレザーと、街を歩く。グラブメーカーが作るバッグブランドに注目だ

  • 2025.11.14

野球グローブのOEMメーカーでもあるバッグブランドTRION(トライオン)。グローブづくりで培った革の知見と技術を核に、バッグ業界の常識にとらわれないものづくりを貫く。定番の「PANEL」シリーズは、プロ用グラブの製造過程で生じる、耐久性と柔軟性を兼ね備えたグラブレザーの余り革をアップサイクルし、パ...

雑誌2ndがプロデュース! エディー・バウアー日本旗艦店1周年を祝うアニバーサリーイベント開催決定!

  • 2025.11.21

エディー・バウアー日本旗艦店の1周年を祝うアニバーサリーイベントを本誌がプロデュース。新作「ラブラドールコレクション」や本誌とのコラボなど、ブランドの情熱が詰まった特別な9日間を見逃すな! 来場者には限定のブランドブックを配布! 今回のイベントに合わせ、「エディー・バウアー」をもっと知ってもらうため...

【ORIENTAL×2nd別注】アウトドアの風味漂う万能ローファー登場!

  • 2025.11.14

これまでに、有名ブランドから新進気鋭ブランドまで幅広いコラボレーションアイテムを完全受注生産で世に送り出してきた「2nd別注」。今回もまた、渾身の別注が完成! >>購入はこちらから! 【ORIENTAL×2nd】ラフアウト アルバース 高品質な素材と日本人に合った木型を使用した高品質な革靴を提案する...

時計とベルト、組み合わせの美学。どんなコンビネーションがカッコいいか紹介します!

  • 2025.11.21

服を着る=装うことにおいて、“何を着るか”も大切だが、それ以上に重要なのが、“どのように着るか”だ。最高級のプロダクトを身につけてもほかとのバランスが悪ければ、それは実に滑稽に映ってしまう。逆に言えば、うまく組み合わせることができれば、単なる足し算ではなく、掛け算となって魅力は倍増する。それは腕時計...

着用者にさりげなく“スタイル”をもたらす、“機能美”が凝縮された「アイヴァン 7285」のメガネ

  • 2025.11.21

技巧的かつ理にかなった意匠には、自然とデザインとしての美しさが宿る。「アイヴァン 7285」のアイウエアは、そんな“機能美”が小さな1本に凝縮されており着用者にさりげなくも揺るぎのないスタイルをもたらす。 “着るメガネ”の真骨頂はアイヴァン 7285の機能に宿る シンプリシティのなかに宿るディテール...

Pick Up おすすめ記事

着用者にさりげなく“スタイル”をもたらす、“機能美”が凝縮された「アイヴァン 7285」のメガネ

  • 2025.11.21

技巧的かつ理にかなった意匠には、自然とデザインとしての美しさが宿る。「アイヴァン 7285」のアイウエアは、そんな“機能美”が小さな1本に凝縮されており着用者にさりげなくも揺るぎのないスタイルをもたらす。 “着るメガネ”の真骨頂はアイヴァン 7285の機能に宿る シンプリシティのなかに宿るディテール...

この冬買うべきは、主役になるピーコートとアウターの影の立役者インナースウェット、この2つ。

  • 2025.11.15

冬の主役と言えばヘビーアウター。クラシックなピーコートがあればそれだけで様になる。そしてどんなアウターをも引き立ててくれるインナースウェット、これは必需品。この2つさえあれば今年の冬は着回しがずっと楽しく、幅広くなるはずだ。この冬をともに過ごす相棒選びの参考になれば、これ幸い。 「Golden Be...

【UNIVERSAL OVERALL × 2nd別注】ワークとトラッドが融合した唯一無二のカバーオール登場

  • 2025.11.25

これまでに、有名ブランドから新進気鋭ブランドまで幅広いコラボレーションアイテムを完全受注生産で世に送り出してきた「2nd別注」。今回もまた、渾身の別注が完成! >>購入はこちらから! 【UNIVERSAL OVERALL × 2nd】パッチワークマドラスカバーオール アメリカ・シカゴ発のリアルワーク...

決して真似できない新境地。18金とプラチナが交わる「合わせ金」のリング

  • 2025.11.17

本年で創業から28年を数える「市松」。創業から現在にいたるまでスタイルは変えず、一方で常に新たな手法を用いて進化を続けてきた。そしてたどり着いた新境地、「合わせ金」とは。 硬さの異なる素材を結合させるという、決して真似できない新境地 1997年の創業以来、軸となるスタイルは変えずに、様々な技術を探求...

雑誌2ndがプロデュース! エディー・バウアー日本旗艦店1周年を祝うアニバーサリーイベント開催決定!

  • 2025.11.21

エディー・バウアー日本旗艦店の1周年を祝うアニバーサリーイベントを本誌がプロデュース。新作「ラブラドールコレクション」や本誌とのコラボなど、ブランドの情熱が詰まった特別な9日間を見逃すな! 来場者には限定のブランドブックを配布! 今回のイベントに合わせ、「エディー・バウアー」をもっと知ってもらうため...