PFU ScanSnap iX110
https://www.pfudirect.jp/view/item/000000001591
iX100のバッテリーは劣化しているはず。
実は、iX100/iX110はPFUのコンシュマー向け製品で唯一の『バッテリーが劣化する製品』である。
ご存じのように、他のScanSnapはACアダプターで動作する。そしてHHKBはバッテリーの劣化を嫌って、リチウム系バッテリーを搭載せず乾電池で動作するのだ。
リチウム系バッテリーは使用しなくても経年で劣化する。筆者の(そしてみなさんの)iX100のバッテリーも劣化しているはずだ。
ちなみに、部品としてはiX100もiX110も720mAhのバッテリーを搭載しており容量に変化はない。バッテリーの性能は向上しているのか? という質問に対するPFUの回答は「No」。つまり、まったく仕様に変更はないということだ。
しかし、11年に渡って同じ部品が供給され続けるとは限らない。特にモバイルバッテリーはここ15年で安全性も含めて非常に大きく性能が向上した部品である(スマホが登場して以来のモバイルバッテリーの進化の大きさを考えて欲しい!)。同じ720mAhのバッテリーとはいえ、安定性、出力(C)、安全性などが向上していることは十分に考えられる。
そして、それ以上に、iX100のバッテリーは劣化しているはずだ。PFUのことだから上質なバッテリーを選択しているとは思うが、それでもバッテリーの本質が「化学反応」である限り、劣化は避けられない。
では、実際にはどのぐらい劣化しているのか?
リチウム系バッテリーは充電して保管が正
というわけで、筆者が発売当初から使っているiX100と、今回新たに試用機として貸与いただいているiX110で、それぞれバッテリーが尽きるまでにA4の紙を何枚スキャンできるかを比較してみた。
バッテリーは保管コンディションによって、劣化度合いが違うし、同じ状況下でも温度によってライフが違う(冷えると、スマホの電池が持たないのはみなさんご存じのはず)。
筆者はデスクトップモデルをメインに使っているので、iX100の稼働率はそれほど高くない。たまに、オフィスや出張に持っていって、出先で多くの資料をもらった時にスキャンするのに使う程度。あとは自宅内で、書斎以外でちょっとスキャンする必要がある時に持ち出して使うぐらいだ。
ちなみに、バッテリーを内蔵するデバイスを保管するときは、ほぼ満充電で保管することを意識している。使い切ったまま空で置いておくと、バッテリーはすぐに傷んでしまうのだ。
iX100が87枚! iX110が311枚と大差!
さて、実際にスキャンして、スキャンするごとにiPhoneのカウンターアプリをタップして数を数えてみた。
iX100は、87枚で力尽きた。ちなみに、バッテリーが0に近づくと本体バッテリーランプがオレンジで点滅し、最後は力尽きたように突然電源が落ちる。思えば、そこまで使ったことはなかった。


ほぼ新品のiX110は、驚くほど多くの枚数をスキャンすることができた。なんと311枚。公称スペックが260枚なので、それより大幅に多くの枚数をスキャンすることができた。スキャナーから出てきた紙を、再びスキャナーに挿入するという作業を延々と続けていて、途中でイヤになるほどのバッテリーライフだ。時間は見ていなかったけれど、1時間ぐらいかかったと思う。

もちろん、筆者の条件では……ということなので、スキャン解像度や、気温などの状況によって、1回の充電でのスキャン出来る枚数は異なるかもしれない。
USB-Cで便利、バッテリーも新しくて安心なiX110
87枚で十分という人も多いと思うが、旧モデルであるiX100のバッテリーは今後も次第に劣化していくはずだ。たとえば、展示会イベントの取材に行く時に使うとして、8ページのカタログを10冊スキャンしたら終了と思うと少し心もとない。

その点、311枚(8ページのカタログなら40冊弱)をスキャンできる新品のiX110は心強い。
出先で、大量にスキャンする機会があるなら、新しいiX110に買い替えるのもいいかもしれない(モバイルバッテリーを繋げばいい……とは言わないで!(笑))。
(村上タクタ)
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