ついに、星川哲視さんが、トリニティを『卒業』
今年も例年通りAUGM東京が開催された。
基調講演はいつもアップル取材などでご一緒する本田雅一氏。日々の取材を通して、これからのアップル製品がどうなるのか? AIの導入という大きな時代の変化に対して、アップルがどう対応しようとしているのか? などの話をされた。

メーカーのプレゼンテーションは、フォーカルポイント、PFU、トリニティ、Linksys、松葉製作所、StarTech.com、アイディアリアル、Hossy.orgの8社。
フォーカルポイントは、現在扱っているShokz、UGREEN、Dreameについて解説。

PFUは、ScanSnapの新型であるiX2500と、HHKBのラインナップの変更(Type-SでないHYBRIDの廃止と、ClassicラインナップのType-S化と充実)と、ScanSnapで読み込んだデータのAIでの活用について説明された。

オンラインにあるデータのAIでの活用についてはものすごい勢いで進んでいるが、紙のデータをAIに取り込むにはスキャンするしかないわけで、これからもScanSnapの果たさなければならない役割は大きいということだ。

興味深かったのはトリニティとは別にHossy.orgの名義で行われた星川哲視さんのお話。約20年の歴史を持つトリテニィと、その代表だった星川さんは、ほぼずっとAUGMに参加してきた。しかし、今年、星川さんが50歳を目処にトリニティの代表を後進に譲り、会社の株式もすべて売却。今後自分がやりたいと思うこと、やるべきと思うことにフォーカスしていくとのこと。
AUGMに行くと必ずお会いできた『トリニティの星川さん』が、今後いらっしゃらないかと思うと、一抹の寂しさを感じるが、これもまた時代の変化なのだろう。
ベンダーブースでは、当日限りの特価で販売されているものもあり、おおいに賑わいを見せていた。

広島から参加の松葉製作所は、実はAUGM Tokyo初参加とのこと。
今回の注目は、予価30万円を超えるという新開発のテーブル。そのうち、ウェブサイトなどでも発表されると思うが、楽しみにしたい。天板だけを単品で販売して、昇降デスクとしても利用可能になるという。詳細仕様、値段などは同社サイトでの発表をお待ちいただきたい。

いつか、Macのプラットフォームが量子ビット化される?
最後の『ゲストトーク』として登壇されたのが、法政大学情報科学部/NEDOイノベーション戦略センターの川端史郎さん。なんとテーマは『Appleギークの量子コンピュータ超入門』。

量子力学の話なのだから、当然のことながらすごく難しいのだが、『自称アップルエバンジェリスト』を名乗る川端先生の話は分かりやすく、『量子力学面白い!』と思った人も多かったと思う。

Googleをはじめとした、現在研究している企業は、2030年ごろの実用化を目指しているのだが、川端先生によると、現在の技術力ではもう10年かかって2040年ごろの実用化が現実的とのこと。

スライドにある『iPod戦略』とは、日本はiPodを作ることはできなかったけれど、iPodに使われた1.8インチHDDなど部品技術は日本製。今回の量子コンピュータにも使われるケーブルが日本の社員数わずか17人の会社が世界シェア100%ということで、日本は部品技術をしっかりと押さえているというお話。
いつか、Macのプラットフォームが量子ビット化される日が来るのだろうか? 大変面白いお話だった。
(村上タクタ)
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