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生成AI『Firefly』が、さまざまな作業をより容易に、可能性を大きく
生成AIを利用した実験的なアプリが次々と登場するFireflyに、ついに動画に作用するAdobe Firefly Video Modelが登場。これにより、Adobe Firefly web アプリケーションに新しい生成動画(ベータ版)モジュールが導入された。この機能では、テキストプロンプトを使用して、関係者にクリエイティブな意図を共有するために新規のビデオクリップをプロンプトから作成したり、 タイムライン上のギャップを埋めるために動画を少し延長したりすることができる。
Photoshopには『削除ツールで不要な箇所を削除 』が追加される。 旅行写真の背景に写り込んだ観光客や、 美しい風景写真の邪魔になる電線など、 写真から不要な要素を自動的に選択して削除することができる。『生成塗りつぶし』と『生成拡張』もより自然で強力になっている。
Premiere Proで、動画を編集している時、音楽のテンポに合わせて、あと数秒動画が長ければ……と思うシーンがあるだろう。Fireflyを使った『生成拡張』を使えば、動画を2秒、音声を10秒の範囲で、自然に引き伸ばすことができる。もちろん、利用シーンは限られるだろうが(当然、会話を伸ばせるわけではないので、伸ばせるのは伸ばしても不自然ではない状況だけだ)、編集上の苦労は大きく減ることだろう。
Adobe InDesignでも、生成AIが統合され、デザインの可能性がさらに広がった。「生成拡張」や「テキストから画像生成」といった新しいAI機能が搭載されており、これによりレイアウトデザイン内でAIを活用した高度な編集が可能になった。また、技術書や学術書を制作する際に役立つMathMLの導入により、より正確で高品質な数式のデザインが可能になった点も大きなポイントである。
Adobe Illustratorにも革新的な機能が追加された。中でも『パス上オブジェクト』機能が強化され、デザイン作業がさらにスムーズになった。そのため、オブジェクトをデザイン上のパスに沿って簡単に配置したり、移動させたりすることができるようになった。また、『画像トレース』機能も大幅に改善され、手書きのイラストやピクセル画像をより少ないアンカーポイントで正確にベクター化することができる。これにより、編集の精度が向上し、デザイナーはさらに自由にデザインを構築できるようになった。
『非プロデザイナー』にも、生成AIのパワーを!
今回、大きくアドビが力を入れてきたのはAdobe Expressだ。このツールは、『非プロフェッショナルデザイナー』が、簡単にコンテンツを作成できる点が最大の特徴である。つまり、クリエイターでないのに、社内でポスターや、バナーなどの制作を頼まれている人や、PTAや個人の課外活動などで、そのような制作をしないといけない人を、生成AIが大きくエンパワーするようになった。なおAdobe Expressは、PhotoshopやIllustratorに加えて、InDesignのファイルも読み込めるようになった。こちらについては、のちほど別記事で詳しく解説しよう。
詳しくは今後の記事で!
これらのアップデートにより、Adobeはクリエイターにさらなるパワーと自由を提供し続けている。生成AIの技術を活用することで、これまで以上に効率的かつ創造的な作業が可能になった。
現在、現地マイアミで取材中なので、それぞれの機能について、今後、より詳しくお伝えしたいと思う。
(村上タクタ)
※渡航費、取材中の滞在費はアドビに負担いただいていますが、発信については報酬はありません。発信内容はThunderVoltと筆者の見解です。
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