現地からの速報ということで、現地での感触、実際にiPhone、Apple Watchを触ってのインプレッションを中心にお届けします。
3nmのA17 Proと、5倍ズーム、チタンボディのiPhone 15 Pro登場!
まず、iPhone 15 Pro/ Pro Maxから。
世界にこの端末でしか使っていないTSMCの3nmプロセスで作られたA17 Proを搭載しているのが最大の特徴。といってもスペック的にはCPUで10%、GPUで20%の向上だが、基本的な仕組みが一段大きなステップを上がったので、ベンチマークの数値だけではない余裕があるのではないかと期待している。
さらに、ボディはGrade 5という宇宙産業で使われる品質のチタンを採用。5倍の120mmレンズ、アクションボタン、USB-Cポートの採用と、新機軸テンコ盛りの構成となっている。
まず、触った感じはコンパクトで軽いのに驚かされる。
チタンという素材の軽さと、角が丸くなっているということがあるのだろうが、手にスッポリ収まるコンパクトさが印象的だ。実は筆者はここ数年Proモデルを購入していたのだが、今回はカメラの120mm搭載を使ってみたいということを考え合わせて、Pro Maxモデルを買おうかと思っている。大きい方を持ってみたら、思いの他コンパクトに感じたのだ。
あと、アクションボタンも想像以上に便利。ボタン一発で、カメラや、ボイスメモ、集中モード、ショートカットを選択できるのは想像以上に便利。たぶん、私は一番頻繁に、かつ素早く使いたい機能であるカメラに割り当てると思う。設定画面が設定アプリ内なのに妙にグラフィカルなのはちょっと不思議。なぜここだけグラフィカル?
望遠レンズは120mmが必要かどうかというのはさておき、5回屈曲させるプリズムを使ってレンズの長さをボディ内に押し込もうという工夫に驚かされた。とはいえ、メカニカルなペリスコープ型光学系をズームさせるのではなく、焦点距離は固定。屈曲させることによる弊害などはないのか、気になるところだ。
15 Proが15万9800円〜。15 Pro Maxが18万9800円〜と、誰もに勧められる価格帯ではなくなってしまっているが、尖ったiPhoneが欲しい人には絶対にお勧めだ。
iPhone 15はとってもお買い得!
iPhone 15/15 Plusも14シリーズと較べて角が丸くなった分、持ちやすくなった印象。スペック上はほぼ変わらないのに。人の印象というのは、触感にも大きく左右されるものだと思う。
Dynamic Islandの採用と、エッジまで迫るディスプレイにより、画面はわずかに拡大されている。
前モデルから、チップセットは一世代前のProが採用していたものを採用する流れになっているので、搭載されるのはiPhone 14 Proが搭載していたA16 Bionicということになる。もちろん、充分に高性能なのだが。3nmプロセスで製造されるA17 Proの生産量が限られるという情報も、A17 Proを搭載できなかった理由のひとつかもしれない。
しかし、48MPのソニーが製造している超大型センサーが搭載されたのは素晴らしい。標準レンズの画質が向上しただけでなく、そのセンサーの一部を使うことで、2倍望遠レンズとしても使うことができる。これにより、iPhone 15は、デジタルズームを使うことなく、0.5倍、1倍、2倍相当の画角を得ることができるようになった。
A16 Bionic、48MPセンサーと、iPhone 14 Pro相当の内容で、iPhone 15が12万4800円〜、iPhone 15 Plusは13万9800円〜とリーズナブルに購入できるので、お買い得なモデルだといえる。
そして、こちらもコネクターはUSB-Cになったが、USB 2規格だという。アップルの言う、USB 3、USB 2という規格が何を指すのか、確認が必要だが、iPhone 15 Proは10Gbpsと言っているのでUSB 3.1 Gen 2(3.2 Gen 2)であるように思える。
USB 2が、USB 2.0を指すのなら、データ転送速度は480Mbpsということで、Lightningコネクター時代と変わっていないことになる。iCloud使ってる人だとあまり関係ないけど、USB-Cに画像転送を期待している人はこのあたり要チェックで。
充電速度はどうなのか? データ転送速度はどうなのか? あたりは今後の取材をお待ちいただきたい。
Apple Watch Serise 9は心臓部を久々に強化! ダブルタップはなかなか便利!
Apple WatchはSeries 9へと進化した。
最大の進化のポイントは、S9 SiPを搭載したこと。
実はS6〜S8までの3世代はプロセッサーの進化が少なかったから、久しぶりに心臓部が大きく進化したことになる。Neural Engineが搭載されたことがアピールされており、ダブルタップというジェスチャーの判断など、多くの部分で機械学習処理の力を借りることができるようになったようだ。
ダブルタップは体験することができたが、実際かなり便利そうだ。
Vision Proの操作と同じく、人さし指と親指でつまむような動作をすることで、マウスクリックというか、画面タップのような操作をすることができる。
たとえば、電話を受ける、切る、アラームを止める、写真を撮る、音楽の再生/停止、文字盤からスマートスタックを開く、ウィジェットをスクロールする……などの単純な操作をすることができる。
ともあれApple Watchはもともと単純な動作で使うようにできているので、このダブルタップはかなり便利に使える。反対側の手が塞がっている状態でも操作できるというのは便利なものだ。
ちなみに、この操作の検知は、速度センサー、ジャイロスコープ、光学式心拍センサーからのデータを機械学習アルゴリズムで解析することで行うとのこと。わずかな手首の動きと、血流の変化がキモなのだという。しかし、筆者が試した限りでは、かなり実用的な操作感だった。
あと、ディスプレイの最大輝度が従来のApple Watch Series 8の2倍の2000ニトとなった。これは晴天下など明るい場所でディスプレイを見るのに有効だ。
Apple Watch Ultraは順当に機能強化
Apple Watch Ultra 2も、基本はSeries 9と同様、S9チップの搭載と画面輝度の向上(こちらは従来モデルの2倍で3000ニト)が最大の変更点。12万8000円出して買った時計が1年で大きく旧型になるのはツライところだからか、こちらはそれ以外に大きな変化はなかった。
その他、アップルは再生可能エネルギーやリサイクル原料の利用について、大きな時間を割いてアピールしたが、これはまた別の記事で紹介したい。
iPhone 15 Proで空間ビデオ撮影が可能に
隠れた機能だが、筆者が気になったのは、iPhone 15 ProではVision Pro用の空間ビデオを撮影できること。2つのレンズを使って立体感を出すために、超広角レンズと標準レンズにを利用している。
空間ビデオは感動的だが、撮影するためにVision Proを持ち歩くのは手間。iPhone で撮影できるようなカメラが搭載されないかとは思っていたが、まさか既存のレンズを利用するとは思わなかった。Vision Proの撮影に備えて、空間ビデオをせっせと撮り貯めておきたい。
iCloud+増量が嬉しい!
あと、筆者が非常に驚いたのは、iCloud+の6TBと12TB契約の登場。
筆者は実はファミリープランで2TBを超えてしまっており、運用に苦労していたので、これはとても嬉しい。ヘビーユーザーで同様の人は多いのではないだろうか?
日本でもプランが提示されるといいのだが……。Keynote中で『Next week』と言っていたので、来週を楽しみに待ちたい。
帰国後にはなるが、近々実機iPhoneやApple Watchのレポートもお届けできると思うので、お楽しみに!
(村上タクタ)
(音声収録が下手で聞き取りにくいですが(特に冒頭)、動画でもレポートしています!)
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