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広大なディスプレイを持ち軽量な15インチM2 MacBook Air【先行レビュー】

  • 2023.06.12

WWDC 23で発表されたM2搭載MacBook Airの15インチ版をひと足先にお借りできたので、実物を触っての先行レビューをお届けしよう。

大きいことはいいことだ!(重くないし)

一昨年のWWDCで発表されたM2チップ搭載MacBook Airの15インチ版。デザイン、基本的な性能などは、すべて13インチ版に倣うので、1年遅れという感は否めないが、軽量モデルであるMacBook Airの15インチ版というのはいかにも新鮮。

なんといっても最大の注目ポイントは、MacBook Airの13.6インチ(2,560 x 1,664ピクセル)に対して、15.3インチ(2,880 x 1,864ピクセル)という広大なディスプレイだろう。実際に横に並べて較べてみると、写真で見る以上に大きさを感じる。これは嬉しい。

意外なことに、アーキテクチャからして1年前に登場したもの……ということからも分かるように、『この製品は最新鋭モデルを使いたい』という尖ったイメージは感じない。むしろ、十分にハイパフォーマンスなM2チップに、大きなディスプレイを搭載、軽く、リーズナブルに多くの人に使って欲しい……という印象を感じる。アップルのサイトの展開も、そういうイメージだ。

デュアル35Wか、70Wか?

なんといっても、これだけの大画面を持った製品が、19万8800円からというのが嬉しい。現在、16インチのMacBook Proが性能は段違いに高いとはいえ34万8800円からと、かなり手が届きにくい製品であることを考えると、この価格は、『性能はほどほどでもいいけど、大画面が欲しい』という人にとって嬉しいものであるに違いない。筆者も、ご多分に漏れず老眼になりつつあるので、MacBook Air 15インチの大画面に、強い魅力を感じた。

パッケージはもちろん新世代の環境に配慮した、紙を中心としたもの。筆者のお預かりした機材はスターライトだったのだが、ステッカーも同色のものだった。全製品ボディ同色なのだろうか?

ちなみに、同梱されていたのはデュアルUSB-Cポート搭載35Wコンパクト電源アダプタ。もうひとつのポートで、iPadやiPhoneを充電できるというのが気が利いている。また、同価格で70W USB-C電源アダプタも選ぶことができる。

iPhoneなども同時に充電するか、70Wで高速充電するか? 選択の余地がある設定なのがいい。

思いのほか軽く感じる。16インチMacBook Proに較べると、特に!

MacBook Air 15インチの上に、13インチを乗せるとこんな感じ。

実物を見ると、数字で感じるより15インチの大きさを感じる。

また、重さは、13インチが1.24kgなのに対して、15インチは1.51kgと、270g重いのだが、見た目が大きくなっているので、持ってみると『サイズの割に軽い!』という印象になる。

先に発売されている、MacBook Pro 16インチの、2.15〜2.16kgという重さに較べれば、640〜650g軽いというのも、軽さを感じる理由かもしれない。MacBook Pro 16インチの重さがあるから『軽い大画面が欲しい!』というニーズが生まれたのだろう。

大画面と迫力のサウンドは、映像視聴にも!

広がる大画面は快適。

モバイルとなると、34.04×23.76 cmというサイズは入れるバッグを選ぶ側面はあるが、宅内モバイルが中心で、外付けディスプレイは使わない……という人なら、この広いディスプレイは魅力的だといえるだろう。

下面の構造は、最新の他のモデルと同様。ボディが少し出っ張ってゴム足が付く。MacBook Proのような刻印は入らない(筆者はあれは余計なディテールだと感じているので、刻印がないのは歓迎)。

キーボードサイズは他のモデルと共通だから、周りが少々間延びしたような印象を受ける。MacBook Proのようなスピーカー穴もないので、とてもシンプル。

ただし、フォースキャンセリングウーファーを備えた6スピーカーサウンドシステムは魅力的。これは13インチから15インチに拡大したスペースを活用したボーナスだともいえるし、大画面を使って映画を見たりするのにもメリットが大きい。たとえは、一人暮らしで、このMacBook Airですべてをまかなう……というような用途にもフィットするだろう。

ポート類も、MacBook Air 13インチと同じくMagSafe 3と、Thunderbolt 4ポートを2つ。わずかな差だが、M1 MacBook Airと較べると、MagSafe 3で電源が確保できる分、残りの2ポートで相互のコピーなどが行えるため、使い勝手はグッと向上する。

処理能力は、MacBook Air 13インチとほぼ同等

Geekbench 6にかけてテストしてみたところ、予想通り、MacBook Airの13インチと、すべての面においてほぼ同じ性能だった。つまりは、動画編集などでも、高い性能を発揮するはず。

電源や、熱的には15インチの方が余裕があるだろうから、多少、15インチの方が性能に余裕がある可能性もあると思ったのだが、この数字は誤差範囲内というところだろう。

長時間高負荷で使ったりすれば違いは出るかもしれないが、Apple Siliconはそもそも発熱が少ないからあまり差も発生しないだろう。

大きさに対して、スペック上のバッテリーライフはほぼ同じ。ディスプレイサイズ拡大分の消費量増大は、バッテリーサイズを52.6Whから66.5Whに拡大したことでカバーした模様。

いずれにしても、ワイヤレスインターネット15時間、Apple TV視聴18時間というバッテリーライフは、使ってる人間の方が先に参ってしまうほど(筆者は同等以下のバッテリーライフのMacBook Pro 14インチを使っているが、バッテリーライフが足りなくて困ったことはない)

大きなディスプレイは、使い勝手を向上させる。

大画面で、軽く、大きなディスプレイを持つMacBook Air 15インチモデルは、多くの人、特に超ハイパフォーマンスモデルを必要としない一般の方、在宅勤務が増えて、宅内モバイルが増えた方にお勧めの製品だ。気になった方にはぜひお勧めしたい。後悔しない製品だと思う。

(村上タクタ)

 

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