石川県は実は、歴史的に見てもコンピュータ産業の発展した県で、1960年代から数多くIT産業(とは当時は言わなかったが)を営む企業が存在する。ちなみに、IT・情報サービス産業の事業所数において、現在でも石川県は6位に位置する県なのだ。
石川県にはPFU以外にもIT系の企業が数多くあるのだが、コンピュータ周辺機器メーカーであるアイ・オー・データ機器(以下、アイ・オー・データ)もそのひとつ。アイ・オー・データでは多くのエンジニアが自分の好みのキーボードを使っていらっしゃるのだが、中でもHHKBを使う方がとても多いとのことなので、話を聞いてみた。
若手が使う『墨』モデル
大釜リアムさんは入社5年目。イギリスとアイルランドと日本の血を引く大釜さんは、企画開発部に所属。HHKBを使い始めて約2年。最新の、Professional HYBRID Type-SのUS配列、色は墨を使用。純正のカスタムキートップで、ESCキーグリーン、Controlキーをブルーグレーに変更している。
「購入時は、まだ新人だったので、あまり高価なキーボードは気恥ずかしかったのですが、会社では多くの人がHHKBを使っていたので、試してみたら良かったので購入しました」と大釜さん。
「もともと、キーストロークのある打鍵感のあるキーボードが好きで。中でもHHKBは武骨な雰囲気がいいなと思っていたのですが、試してみたらとても快適に使えました。仕事では、業務用PC、開発用PC、MacやLinuxなどを使うのですが、複数環境でペアリングして、自由に切り替えられるというのも選んだ理由のひとつです」
プライベートではゲーミングPCを使い、そこでカスタムキーボードを作ることもあるため、HHKBも「別に高価だと思わなかった」とのこと。
購入時は「US配列か、日本語配列か?」でとても悩んだが、 USを選んだとのこと。音フェチで、HHKBの打鍵音は素晴らしいという。
パームレストはFILCO社製。マウスもLogicoolのトラックボールMX ERGOとマニアックなものを使われてる。
14年使い続けても問題ない耐久性
対して、筋金入りのHHKBファンなのが開発部の武石尊之さん。大ベテランで社歴は25年に及ぶ。そして、HHKBはLiteも合わせれば1999年10月からとのことなので、24年もHHKBを使い続けている。
「HHKBが発売になったときのことも覚えています。大学の研究室で話題になりました。UNIXマガジンに記事が出ていて、それを読んで以来憧れていました。アイ・オー・データになって、キーボードを本格的に使うようになって、HHKBを買いました」とのこと。
もはや古過ぎて正確な年号などは定かではないが、Liteを買ったのが1999年、そして本格的な静電容量無接点方式のHHKB Professionalを2004年に購入。以来、14年にわたって本機を使ったという。
本体はイエローに見えるが、経年変化で本体が変色しただけ。それほど長い間本機を使っていたということだ。そして、それだけの年月、本機は壊れずに使用に耐えたということだ。
以降、HHKB Professional 2や、現行のProfessional HYBRID Type-Sまで、数台のHHKBを購入して使い続けている。キーボードルーフや、パームレスト、ケース、スタンド……など様々な周辺機器も購入した。
武石さんも大釜さんと同じくUS配列のユーザーだ。
変わらぬスタンスと、実証される耐久性の高さ
長年かたくなに配列を変えずに、作り続けるHHKBだからこそ、エンジニアにとっては変わらず使い続けられる道具となる。アイ・オー・データには他にもたくさんのHHKBユーザーがいらっしゃるという。そんな環境下で、武石さんのような先輩たちの使うHHKBに触れてみて、その良さを体感してHHKBユーザーになる人も多いという。
また、14年間使っても壊れずに使い続けられたという耐久性にも驚かされる。
ちなみに、両社は今週末、5月26日(金)~27日(土)に開催される『第38回石川情報システムフェア e-messe kanazawa 2023』へ出展されるという。お近くの方はぜひお立ち寄りを。
PFUブース:https://www.pfu.ricoh.com/event/e-messe2023.html
アイ・オー・データ機器ブース:https://www.iodata.jp/news/2023/information/e-messe-kanazawa-2023.htm
(村上タクタ)
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