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『脳で操作』——ブレインインターフェイス試してみた

我々は、キーボードやマウス、ボタンやスイッチで機械を操作する。しかし、理想は考えただけで操作できる状態ではないだろうか?

2月8日に開催されたベンチャーキャピタル『Scrum Ventures』主催のイベント『Scrum Connect 2023』に出展されていた、MindPortalのデモを体験できたので、そのインプレッションをお届けしよう。

Scrum Venturesが出資するブレインインターフェイス『MindPortal

「考えるな……感じるんだ」……スターウォーズのフォースもそうだし、ガンダムのサイコミュも、攻殻機動隊の電脳化もそう。SFの世界では、機械を「考えるだけで操縦する」という技術が夢見られていた。

複雑な動きをするロボットを手で操作するというのはどうみても無理があるし、反応速度的にも「考えたら動く」というのが一番速そうだ。

イーロン・マスクのNuralinkは先進的に見えるが、さすがに脳に端子を埋め込むのには抵抗がある人は多いだろう。『Scrum Connect 2023』に出展していたMindPortalは『非侵襲型(頭に穴を空けないタイプということ)』のブレインマシンインターフェイスだ。

イベントでプレゼンテーションを行ったのは、MindPortalの共同創業者兼CEOのEkram Alamさんと、同CTOのJack Baberさん。

頭部の外側から脳波の活動を取得して、デバイスを操作するのに利用しようという研究だ。

実際、デモを見ていてもVRのコントロールに非常に向いていそうだった。VRゴーグルをして、左右の手のコントローラーで操縦するというのはなかなかに無理がある。ユーザー自身がじっとしているということも含めて、VR空間内の操作はブレインインターフェイスに向いている。

視線入力と組み合わせて利用

今回のデモは、イベント会場の混雑したブース内で行われるということで、限定した機能のデモが行われた。

VRゴーグルのVIVE Pro Eyeを使って視線入力で基本の操作を行い、選択(通常でいうマウスクリック)をブレインインターフェイスで行う仕組みだ。

筆者取材時は、8つの端子のついた帽子をかぶり、耳の後ろ下の首元に左右ひとつずつの端子を貼り付けた。首元の端子はベースラインになるということだったので、アースのようなものらしい。粘着テープで、かなりしっかりと貼り付けられた。

これが、私の脳波らしい。シロウト目には何がなんだかわからないが、首部分の左右にアースがあり、後頭部に8つの端子があったので8カ所の電位差が取得されているのだろう。

同じことを考えても人によって、脳波の反応がある部位は違うそうだから、複雑な操作をしようとするなら、人それぞれに対してチューニングが必要になるのではないかと思う。

チュートリアルや、調整のようなセッションはなかったのに、単純とはいえ一応の操作ができるのは面白い。

こちらのパソコンに私の視界が写っている。

視線入力で、『Join』に視線を映し、『考える』と選択された。

位置決定をする際に脳が発する電気信号を読み取ってるのだそうだ。

見た目は派手だが、基本的にはアイトラッキングで選択しているので、脳波によって 取得するのは『決定』の意思だけ。選択すると緑色になる。

実際にいくつか試してみたが、自然と『これを選択』と思ったものが、ちゃんと緑色になるから面白い。

慣れてきて、強く『選択』と思うと上手く動かなくなってきた。「リラックスして、身構えずに選んでもらえば大丈夫です」とアドバイスをいただいて、そうすると上手く動作するようになった。まさに「考えるな、感じろ」の世界。

将来の発展が楽しみな技術

端子を貼り付けたり、VR空間内の操作を説明したり……に時間がかかるので、体験できた人数は限られていたと思うが(しかもVRなので共有しにくい)、これは非常に面白い体験だった。

たしかに、VR空間内での操作には適している気がする。

視線入力と、ブレインインターフェイスを組み合わせて操作し、文字入力は音声入力……というようにしていけば、ハンズフリーでVR空間内の操作を行えるようになるかもしれない。

まだ実用への課題はあるのかもしれないが、たとえば手術中の外科医の方など、手が塞がっている状態での機械操作の必要性がある人から利用が始まるのかも。思い通りに操作できるようになれば、VRゲームもかなり面白そう。将来の発展が楽しみな技術だ。

(村上タクタ)

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2026年08月28日

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村上タクタ

おせっかいデジタル案内人

「ThunderVolt」編集長。IT系メディア編集歴12年。USのiPhone発表会に呼ばれる数少ない日本人プレスのひとり。趣味の雑誌ひと筋で編集し続けて30年。バイク、ラジコン飛行機、海水魚とサンゴの飼育、園芸など、作った雑誌は600冊以上。
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