映画『ナンバーワン戦隊ゴジュウジャー 復活のテガソード』 主演・冬野心央インタビュー

2025年2月よりテレビ放送中の『ナンバーワン戦隊ゴジュウジャー』は、『秘密戦隊ゴレンジャー』(1975年)から始まった「スーパー戦隊」の歴史上、50年目、49作品目にあたる。7月25日(金)からは映画『仮面ライダーガヴ お菓子の家の侵略者』と映画『ナンバーワン戦隊ゴジュウジャー 復活のテガソード』が2本立てで全国の劇場で公開される。同作でゴジュウウルフ・遠野吠(とおのほえる)を演じる冬野心央に、映画に向けた意気込みを聞いた。

吠の真似をしてくれる子供がたくさんいてうれしい!

映画「ガヴ・ゴジュウジャー」製作委員会  ⓒテレビ朝日・東映AG・東映

映画『ナンバーワン戦隊ゴジュウジャー 復活のテガソード』
【映画ストーリー】
かつてのユニバース大戦が勃発するきっかけとなった厄災。
その残党”ペスティス”の猛攻によってテガソードが倒されてしまった!
復活に必要なのは、奪われたテガソードの核となる指輪。
ゴジュウジャーは指輪を奪い返すべく、ペスティスが潜むテガソードの体内へと飛び込み、幾多の試練に挑むのだった!
“はぐれ者”の5人は団結し試練を乗り越えることが出来るのか?
そして初めて語られる、テガソード誕生に隠された衝撃の真実とは!?
戦え、ゴジュウジャー!よみがえれ、巨神テガソード!
人々の夢と願いを守れ!!

映画「ガヴ・ゴジュウジャー」製作委員会 ⓒテレビ朝日・東映AG・東映  遠野吠/ゴジュウウルフ(冬野心央/ふゆのみお) 家族も友達もいない「はぐれ者」。愛想がなく、口も悪いが腕っぷしは強い。周りから近寄りがたいと思われがちだが、根はとても素直で子供にはやさしい。過去の経験から現在は「叶えたい願い」を持っていないが、自分の真の願いを見つけるためにゴジュウジャーとなった。 遠野を演じる冬野は、2003年12月3日生まれ、山口県出身。本作が映画初主演となる。

──『ナンバーワン戦隊ゴジュウジャー』(以下、ゴジュウジャー)の製作開始の記者会見で、「スーパー戦隊シリーズの50周年記念作品にあたるのでプレッシャーと不安がある」と気持ちを打ち明けました。あれから時間が経ちましたが、不安とプレッシャーをどのように消化されましたか。

冬野 今はいい意味でプレッシャーを感じていません。歴代の先輩の方々をしっかりリスペクトしていて、自分もヒーローの一人として、遠野吠という役をしっかり演じたいと思っています。

他の4人のメンバーも最初は不安な部分があったと思いますけれど、撮影を重ねていくうちに徐々に自信が芽生えてすごく充実した表情になっていて。物語がおもしろいので、「次はどんな脚本が来るんだろう!?」って楽しんでいますね。

──特撮作品は普通のドラマ作品と違いアクションが割合を高く占めます。撮影で驚いたこととや苦労したことはありますか。

冬野 小学生から高校生までずっとサッカーをやっていて運動神経はいい方だと思っていたのですが、アクションは全然違うのですごく苦戦しました。アクションスタッフの方々が何回も指導してくれたのでなんとかやりきれているっていう感じです。なかでもアフレコは本当にびっくりしましたね。最初は「アクションの動きがこんなに速いんだ!」ってすごく驚きましたし、そこにどうやって息遣いを当てたらいいのだろうかと苦戦しました。

スーツアクターの浅井(宏輔)さんのアクションは本当に吠らしさ満載で、すごくカッコいいと思いながらアフレコを当てています。現場で僕から浅井さんに何か言うことは特にありませんが、お互いを信頼しあっています。

──『ゴジュウジャー』には過去の戦隊ヒーローが次々と登場します。冬野さんが思い入れのあったヒーローはどなたでしょうか。

冬野 『侍戦隊シンケンジャー』(2009年)はよく観ていて特に思い入れがあるので、いつか自分が指輪をゲットしたいですね。あと、放送当時には観ていなかったのですが、第一話で登場した『王様戦隊キングオージャ―』(2023年)のクワガタオージャ―のビジュアルがめちゃくちゃカッコよくて、視聴し始めました。

──『ゴジュウジャー』が放送されて、周りの人からはどんな感想や反応がありましたか。

冬野 親戚からお子さんがオープニングのダンスを真似して踊る動画を送っていただいたり、たくさんの人からお子さんが吠の「お前は俺の獲物だ」という決めセリフや遠吠えを真似していることを聞いたりしていて、とてもうれしいですね。友達からは毎回放送後に「おもしろかったよ」と感想が届いています。第8話で吠がゴジュウジャーを辞めるというシーンには、「お前、もういなくなるの?」って言われました(笑)。

映画「ガヴ・ゴジュウジャー」製作委員会  ⓒテレビ朝日・東映AG・東映  冬野が演じる吠はゴジュウウルフに変身する。決めセリフは「お前は俺の獲物だ」

吠の「一人でいたい」という気持ちには共感できる

──遠野吠は、愛想がなく、他人と距離をとる一匹狼のイメージです。冬野さんは吠のキャラクターをどのようにとらえていますか。

冬野 吠が一人でいるのは、過去に家族や友達を失ったことから、人と関わることに恐怖心があるからなんですね。僕自身も、高校までは特に勉強とサッカーに打ち込んでいて「誰も邪魔しないでくれ」と思っている時期がありました。サッカーは試合で結果を残せたらいいし、勉強も誰かに頼らなくても自分でできると感じていたので、吠の一人でいたいという気持ちに共感しながら演じています。

──サッカーではどこのポジションでプレイしていたのですか。

冬野 フォワードです。点を取ってなんぼというポジションだから、高校時代はわがままな部分がありました。でも、点を取るためにチームメイトとは「ここにパスを出してほしい」とかしっかり話し合いをしていました。「サッカーの試合や練習以外のところでは変につるまない」みたいな、今思うと幼稚な考え方がありましたね。

──好きなサッカー選手はどなたでしょうか。

冬野 クリスティアーノ・ロナウドです。子供の頃にスーパーゴール集を何度も観て、すごく憧れていました。その頃からめちゃくちゃストイックで、今年のUEFAネイションズリーグでは優勝して涙を流すほどに今でもサッカーに本気で向き合ってるという継続力はすごい! ロナウドは華やかに見えて身体のトレーニングを続け、試合ではゴールのために泥臭い動きをしているんです。僕はゴジュウジャーのメンバーの中で「根性ナンバーワンになりたい」と思っているんですけれど、ロナウドの「うまくいかなくても諦めずに粘り強く繰り返す」という精神やプレースタイルからモロに影響を受けていますね。『ゴジュウジャー』はそれぞれが個性を活かしながらも、目標のためにみんなで協力するというところがサッカーと似ているかもしれません。

映画「ガヴ・ゴジュウジャー」製作委員会  ⓒテレビ朝日・東映AG・東映   遠野吠(中央)とともに戦うゴジュウジャー。左から暴神竜儀/ゴジュウティラノ(神田聖司)、猛原禽次郎/ ゴジュウイーグル(松本仁)、一河角乃/ ゴジュウユニコーン(今森茉耶)、百夜陸王/ゴジュウレオン(鈴木秀脩)

監督に「役者の顔になってきた」と言われた半年間の成長

──本作が冬野さんにとっての映画初主演作品です。映画化されることに率直なお気持ちをお聞かせください。

冬野 映画はめちゃくちゃ好きで、時間があれば月に10本ぐらい観ています。高校1年の時に母親と映画館で観た『虎狼の血LEVEL2』(2018年)に衝撃を受けたんです。ヤクザ映画ならではの臨場感やアクションの迫力に、映画が終わるまで心臓がずっとバクバクしていて…。「映画ってこんなにおもしろいんだ!!」と感じてここから映画を観るきっかけになり、映画に憧れて俳優を始めました。だから、本当にうれしいですし、感慨深いです。

──映画の撮影にはテレビとは違う心構えで臨んだのでしょうか。

冬野 自分の映像がスクリーンに出ることを想像して気合は入りましたが、やることは変わらないのでそんなに気負いせずにやれました。映画ではテレビの本編より協力し合う面が強いですね。いろいろな試練を乗り越えるために「みんなで楽しんで勝つぞ」という気持ちでやっていたら自然に協力ができていました。

──映画『ナンバーワン戦隊ゴジュウジャー 復活のテガソード』の注目のポイントを教えてください。

冬野 脚本を読んだ時、テガソードが死ぬということにまず驚きました。そのテガソードを吠が鼓舞するシーンはしっかりご覧になってほしいですね。「どうすれば吠の思いをテガソードに届けられるだろうか」を考えながら、何回もセリフを読み込んで撮影に臨みました。いろんなレッドが登場して本当に盛りだくさんな内容です。“願い”という言葉が映画のキーワードになりますので、どんな“願い”なのかに注視していただきたいです。

あと、映画は臨場感のある映画館で観るのがいちばんおもしろいと思いますので、ぜひ劇場で楽しんでほしい。僕ももちろん何回も観に行くつもりです。

──映画が上映される夏はテレビシリーズの折り返しぐらいに当たります。冬野さんにとってどんな半年でしたか。

冬野 この半年間を早いと言う方もたくさんいるんですけど、僕はすごく濃密で長い期間だったと感じています。アフレコやアクションの撮影は目新しい体験ばかりで、本当に充実した毎日のなかで遠野吠という役もどんどん成長していったんじゃないでしょうか。毎回「前話の自分を超えていきたい」と思いながら撮影に臨んでいて、田﨑監督からは「役者の顔になってきた」とすごくうれしい言葉をいただきました。

──残り半分をどんな気持ちで演じ切りたいと思っていらっしゃいますか。

冬野 変わらずに、ですね。いろんなことを吸収して成長して、遠野吠という役を通して人の想像を超えていきたい。「もっと殻を破ってやるぞ!」と撮影が終わるまで、向上心をしっかり持ってやりたいです。

映画「ガヴ・ゴジュウジャー」製作委員会  ⓒテレビ朝日・東映AG・東映  映画はテガソードの死という衝撃的なシーンから始まる

『ナンバーワン戦隊ゴジュウジャー』
【テレビストーリー】
かつて、すべてのスーパー戦隊のロボが、世界を滅ぼす厄災に立ち向かった、伝説の戦いがあった。
それが「ユニバース大戦」である。ロボたちは、巨神テガソードの指輪に最後の力を与えて闇を払うと、眠りについた。
生き残ったテガソードもまた、救世主の到来を願いつつ、自らの力を無数の指輪=センタイリングに分けると、長い眠りについたのだった。
時が流れ、5人のはぐれ者が、指輪を手にした。遠野吠、百夜陸王、暴神竜儀、猛原禽次郎、一河角乃。彼らはお互いに、指輪をめぐるライバルでありながらも、人々を守るために力を使うべき瞬間が訪れると、ナンバーワン戦隊ゴジュウジャーとして結束する。
次々と現れる、歴代のスーパー戦隊のセンタイリングを持ったユニバース戦士たち。そして悪の組織・ブライダンも、女王・テガジューンの命のもと、センタイリングを回収すべく、ノーワンたちを差し向け人間界への攻撃を仕掛ける。前回の指輪争奪戦におけるチャンピオン・熊手真白も参戦。
はぐれ者たちの激しい戦いは、これからも続いていくのである。

映画「ガヴ・ゴジュウジャー」製作委員会  ⓒテレビ朝日・東映AG・東映

映画『ナンバーワン戦隊ゴジュウジャー 復活のテガソード』

●出演
冬野心央 鈴木秀脩 神田聖司 松本 仁 今森茉耶 木村魁希 三本木大輔 まるぴ カルマ
(声)梶 裕貴 KENN 速水 奨
中川翔子/サンシャイン池崎/ゴー☆ジャス/てつや(東海オンエア)/中越典子

●原作
八手三郎

●脚本
井上亜樹子

●音楽
沢田 完

●アクション監督
福沢博文

●特撮監督
佛田洋

●監督
田﨑竜太

●公開日:2025年7月25日(金)
「豪華2本立て」全国公開!!
映画『仮面ライダーガヴ お菓子の家の侵略者』
映画『ナンバーワン戦隊ゴジュウジャー 復活のテガソード』

●映画公式サイト
https://gavv-gozyuger-25movie.com/

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昭和50年男 編集部
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昭和50年生まれの男性向け年齢限定マガジン

昭和50(1975)年生まれの男性に向けて、「ただ懐かしむだけでなく、ノスタルジックな共感や情熱を、明日を生きる活力に変える」をテーマに、同世代ならではのアレコレを振り返ります。多彩なインタビューも掲載。
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