『PERFECT DAYS』役所広司演じる主人公は観る者の心に棲みつく
米・アカデミー賞国際長編映画部門日本代表に選出され、カンヌ国際映画祭で役所広司さんが最優秀男優賞を受賞したことでも話題。役所さんが演じた“平山“がずっとわたしのなかに棲み着いてます。離れないんです。わたしは平山が大好き。ずっと見ていたい。そして、アメリカの名曲がこんなにも東京の風景に合うとは想像もできなかった。
彼は東京都の公衆トイレの清掃員。ひとりで毎日ルーティン通り生活しています。起きて、布団を畳んで、お花に水をやって、ひげを整えて、出かけるときに空を見上げて…。
なんにもない日々に見えるけど、そうではないです。ひとつひとつすべてに意味があって、喜びに繋がります。世の中はマイナスなことにフォーカスし過ぎです。見ていて嫌になります。
自分に関係ないから面白いものを見過ごすのではなく、ひとつずつを気にする、感じて生きることは大切です。持っていないものをうらましく思ったり、手に入らないものを夢見たりするのはもうやめましょう。持ってるものに感謝をする心を手に入れるため、平山を静かに見守って、あなたの中に入れてあげてください。
平山の気持ちを少しでも心に入れれば、今年はとってもステキな1年になるに違いない。そんな、1年の始まりにぴったりの作品です。
『PERFECT DAYS』TOHO シネマズ シャンテほか全国公開中
監督/ヴィム・ヴェンダース 脚本/ヴィム・ヴェンダース、高崎卓馬 製作:柳井康治 出演:役所広司、柄本時生、中野有紗、アオイヤマダ、麻生祐未、石川さゆり、田中泯、三浦友和 製作:MASTER MIND 配給:ビターズ・エンド
ⓒ 2023 MASTER MIND Ltd.
STORY/東京・渋谷の公衆トイレ清掃員として働く平山(役所広司)。押上の古いアパートで一人暮らししている彼の日常は極めて規則正しく、同じことの繰り返しに身を置いているように見えた。そんな彼の日々に思いがけない出来事が起こり……。彼の“今”を小さく揺らした。
役所広司を主演に、フィクションの存在をドキュメントのように追った作風は、ドイツの名匠、ヴィム・ヴェンダースにしか到達できない領域。ヴェンダースの最高傑作との呼び声も高く、世界80ヶ国以上で配給。
『サンクスギビング』新たなる“フェスティバルホラー”に戦慄!
穏やかで優しい作品のあとは……。サンクスギビング──感謝祭のことですが、この映画は華やかなパーティーではなく、痛い、痛いシーンもたくさんあります。そして、アメリカンホラーにありがちな、「で? 結局何だったの?」という要素はなく、ストーリーがしっかりしてます。だからこそ面白くて、ホラー好きの関係者もみんな納得で満足。
アメリカンホラーは、日本では名前があまり知られていない俳優が出演していることが多いけれど、アメリカのテレビドラマ『グレイズ・アナトミー 恋の解剖学』(2005年~)や映画『魔法にかけられて』(2007年)のパトリック・デンプシー、『ショーガール』(1995年)や『P.S. I Love You』(2007年)のジーナ・ガーションも出てます。
アメリカが大盛り上がりする感謝祭に次々と殺人事件が起こります。そして、遺体は感謝祭の豪華なディナーテーブルに座らされます。ちょっぴり笑ってしまうシーンもありながらR18+指定。さて、犯人は…⁉︎ あなたは分かりますか?
『サンクスギビング』全国公開中
監督/イーライ・ロス 脚本/ジェフ・レンデル 出演/パトリック・デンプシー、アディソン・レイ、マイロ・マンハイム、ジェイレン・トーマス・ブルックス、リック・ホフマン、ジーナ・ガーション 配給/ビターズ・エンド R18+指定
STORY/ホラー界の奇才、イーライ・ロスが、世界を恐怖のどん底へ──。
舞台は、感謝祭(サンクスギビング)発祥の地=マサチューセッツ州プリマス。1年に1度の祝祭に人々が沸き立つ中、ダイナーで働く女性が何者かに惨殺される。その後も犠牲者が増え彼らは皆、調理器具を凶器に、祝祭の食卓に並ぶご馳走に模した残忍な手口で殺害されていた。地元の高校生・ジェシカら友人グループの面々は、謎のインスタグラムに、豪華な食卓に自分たちの名札が意味深に配信された写真がタグ付けで投稿されていることに気付く。
https://www.thanksgiving-movie.jp/
『マイ・ハート・パピー』チャ・テヒョン&ユ・ヨンソクとかわいいワンコ達の友情物語
ホラーに震えた後は、キュートなワンちゃんに癒されたい♡ 韓国からとびっきり可愛い1本が届きました。
皆さん、『猟奇的な彼女』は覚えてますか? わたしが映画コメンテーターになったばかりのときに大ヒット。2001年の公開、時間の流れが早いことにビックリしましたが、この映画に主演したチャ・テヒョンが本作にも出演していますが、まるで時間が経ってないほど何も変わってない。
そして、韓国ドラマ『応答せよ1994』(2013年) や『バニシング:未解決事件』(2021年)で人気のユ・ヨンソクも加わって、ワンちゃんを巡る珍道中が繰り広げられます。
癒されムービーでありながらロードムービーでもある。ハートウォーミングな1本でありながら、ペットと暮ら上です根本的に必要なことや気持ちにも気づかせてくれる。そんな大切なメッセージも詰まっています。
『マイ・ハート・パピー』2024年1月2日(火)より全国順次公開
監督・脚本/キム・ジュファン 出演:ユ・ヨンソク、チャ・テヒョン、チョン・インソン、パク・ジンジュ、キム・ヨジュン、イ・ホジョン、ウ・ドファン 配給/AMGエンタテインメント
ⓒ 2023. Yworks Entertainment Co.,Ltd. All rights reserved.
STORY/2023年3月に韓国で公開され、大ヒットしたハートフルムービーが日本上陸!
ミンス(ユ・ヨンソク)は、弟のように可愛がっている愛犬・ルーニーのために定時退勤する真面目な会社員。しかし、ある日突然、ルーニーと暮らせなくなってしまう。従兄弟のジングク(チャ・テヒョン)に助けを求めるも、ジングクは経営するカフェがつぶれて金欠状態。悩んだ末にジングクが提案したのは、ルーニーの里親探しのための面接だった。そんな2人は、ルーニーの里親探しの旅で行き先のない子犬たちと運命的な出会いをする。
『エクスペンタブルズ』ステイサム、スタローンを筆頭にした筋肉ムキムキスペクタクル!
ワンちゃんに癒された後は、ムキムキの筋肉で2024年最初のパワーチャージをしましょう! 大人気シリーズ『エクスペンダブルズ』の第4弾が1月5日(金)に公開されます。
映像が相変わらずすごい! 爆発の規模も、なんだか以前よりも迫力が増してる気がします。冒頭のバイクからのシルベスター・スタローンは興奮します! ロッキーシリーズが好きだった人は、スタローンとドルフ・ラングランとの共演もうれしいでしょう。今回も年齢に絡んだ小ボケをかましてくれます。
そして、メインキャストは、元水泳飛び込み選手らしく芯が強くてブレないアクションを見せるジェイスン・ステイサム。彼のことは、『トランスポーター』シリーズで一気にファンになった方も多いのでは? 私が興奮したのはミーガン・フォックスの登場。『トランスフォーマー』シリーズから好きなんです。
物語はエクスペンダブルズのみなさんの年齢とともに少しおとなしくなってはいますが、レジェンドたちがスクリーンに登場していただけるだけでありがたい。ムキムキ同窓会だ! お正月からハードボイルドな男たちが見たい方にはオススメです。
『エクスペンタブルズ ニューブラッド』2024年1月5日(金)より全国ロードショー
監督/スコット・ ウォー 出演/ジェイソン・ステイサム、シルベスター・スタローン、50セント、ミーガン・フォックス、ドルフ・ラングレン、トニー・ジャー、イコ・ウワイス、ランディ・クートゥア、アンディ・ガルシア 配給/松竹/ポニーキャニオン 提供/ポニーキャニオン/松竹
ⓒ 2022 Ex4 Productions, Inc.
STORY/合言葉は「タギれ!!」。シルベスター・スタローンの監督・脚本・主演でスタートした超人気シリーズの新章が幕を開ける。
最強無敵の傭兵集団「エクスペンダブルズ」を率い、自らを“消耗品”と名乗るバーニー・ロス(シルベスター・スタローン)。CAIから下された新たなミッションに挑むため、かつての相棒、リー・クリスマス(ジェイソン・ステイサム)の元を訪ねる。バーニーと再び組むことを決意したリーがアジトで出会ったのは、かつての仲間に加え、新たなメンバーを加えて生まれ変わった「ニューブラッド」だった。そんな彼らはテロリストが所有する核兵器を奪還するミッションに挑むが、敵の卑劣な策にはまり、大きな代償を払うことに……。
バラエティに富んだ……いや、かなり富んだ4本を紹介しました。皆さん、好きな映画のジャンルがあるとは思いますが、たまには別の扉を開けるのもいいですよ。そこには知らなかった世界が広がります。今後も大型連休や夏休みに上映される大作を紹介したい。
今年も、皆さんの“HAPPY”のお手伝いができたらと思っているので、キャストや監督との対談もがんばって企画しますね。DVD紹介なんかもおもしろいかも!
では、2024年は、穏やかな心でいられるように激しく頑張りましょう! そして映画で癒されましょ!
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