伝統技法が交差する唯一無二の手仕事。
代官山にあるアトリエを拠点に、クラフトマンの繊細な手仕事が光るレザープロダクツを発信するアツレザーワークス。革ジャンや帽子、財布など、アツレザーワークスのプロダクツのベースはスタンダードなスタイルだが、その上にクラフトマンの外山篤さんの匠の技が重なり、他に類を見ない圧倒的な存在感を放つプロダクツへと昇華される。これまでも本誌では外山さんのクラフトマンシップに注目してきたが、今回はアツレザーワークスの代名詞と言える“The Ore(ジ・オーア)”にフォーカスしてみたい。

ジ・オーアは、レザーの伝統的な装飾技法であるレザーカービングに、日本画の岩絵具から着想を得た天然の鉱石を密着させて着色する、アツレザーワークス独自の装飾技法だ。カービングの彫りに色がのり、コントラスが浮き上がるため、ベースとなるカービング技術の高さがあってこそ成立する技である。そして、純銀は外気に触れゆっくりと硫化するため、着込むほどにレザーと同時にそれぞれのエイジングが進み、着用者だけの表情に変化する。
ジ・オーアはシルバーやターコイズ、ラピス、ジャスパーなど、様々な素材の色を活かした着色が可能だが、今回フィーチャーするのはシルバーを使った装飾。着用者のライフスタイルの中で、レザーの顔料が剥がれ褪色するのと同時に、粉状の純銀がカービングの上で暗灰色に近づき燻銀の輝きを静かに放つ。それは、古びていく中に美しさを見出す日本古来の美学である“侘び寂び”を表現した技術と言えるだろう。
「アツレザーワークスを始める以前は、ひたすらカービングの技術を磨くことに意識を向けていた時期がありますが、いつからか伝統を追うだけでなく、自分だけのオリジナリティを求めて辿り着いたのがジ・オーアです。最初に完成したのが純銀を使ったジ・オーアでした。自分の地元が松本なんですが、黒と白で塗り分けられた外観から烏城と呼ばれた松本城のすぐそばで幼少期を過ごしていたので、そんな原風景が表れているのかもしれません」。
歴史上のレザープロダクツを解析して再現するのではなく、自身の原体験から生み出すクリエイティブなモノ作りがジ・オーアの根源となっているわけだ。レザーカービングと日本画からヒントを得た着色技法、それぞれジャンルの異なるオールドスクールが重なり合って、新たなオリジナリティを生み出す匠の技。そして、それはレザーや鉱石の天然素材特有の経年変化を見越したプロダクトである。着用者のライフスタイルと共にレザーと燻銀が織りなす色気を引き出す、侘び寂びの美学が宿る唯一無二のレザーなのだ。


純銀の粉と定着剤を混ぜて指の腹でカービングに丁寧に塗り込む手作業で“The Ore”は完成する。銀とレザーそれぞれが同時に経年変化する独自の加工技法。

The Oreの工程をフィニッシュしたキャスケットのツバがこちら。カービングの溝に銀粉が入ることで、ブラック&シルバーのコントラストが浮かび上がる。カービングの繊細な表情が強調されるため卓越した技術力があってこそ成立する技である。
DOUBLE BLACK RIDERS”Sun Burst & Peanut Flower”


オーセンティックなダブルライダースのデザインにエイジング加工とThe Oreを施したアツレザーワークスの代表作。伝統的なスタイルを崩すことなく、手作業による独自の加工技法でオリジナリティを演出する、クラフトマンシップが宿る1着。32万1200円




エポレットやベルトに配されるサンバーストやピーナッツのカービングがThe Oreによって浮かび上がる。着込む過程を経てレザーエイジングと同時にシルバーの色味が燻銀に変化し、渋みを増した新たな表情を見せてくれる。

純銀を用いたThe Ore Silverで装飾が施されたアクセサリー。新品時はレザープロダクツの序章、ここからカービング×The Oreの独自のエイジングストーリーが始まる。(上段)10ガロンハット”Crest”9万9000円/キャスケット”Peanut Flower”6万6000円、(中段)ラウンドロングウォレット“Crest“14万3000円/ショートウォレット“Crest“10万6700円、(下段)ミニウォレット”THUNDER BIRD”4万7300円/ミニウォレット“TONY”4万7300円


外山さんの愛車であるHDパンヘッドには、The Oreを用いたレザーアクセサリーが装備される。愛車に合わせたカスタムオーダーが可能。ストリートを走る経験値と共に育つ特別なドレスアップパーツだ。
ハットやベストをカスタムして自分だけのスタイルに挑戦してみない?
アツレザーワークスでは、2026年4月10日から5月10日の1カ月間、カスタマイズオーダーイベントを開催する予定。定番のハットとベストをベースにサイズ調整や牛革/馬革/クロコダイル/鹿革などのオプションレザーを使ったカスタムをオーダーできる。イベントの詳細はオフィシャルホームページを要チェック!
【問い合わせ】
アツレザーワークス
TEL03-6455-1351
https://atsuleatherworks.com/
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