上野・アメ横の老舗、中田商店のオリジナル革ジャン「モーガン・メンフィスベル」の凄み。

ミリタリーの老舗、中田商店が手掛けるオリジナルブランド、「MORGAN MEMPHIS BELLE(モーガン・メンフィスベル)」。その新作の情報が届いたぞ。定番のアメリカ軍のフライトジャケットから、ユーロミリタリーまで、レザーラバー垂涎のモデルをラインナップしているのだ。今回は、そんな新作を見ていこう。

あなたは「MORGAN MEMPHIS BELLE」を知っているか?

私事で恐縮だが、モヒカン小川と中田商店の付き合いは、かれこれ40年ほどになる。高校時代、ここで初めてMー65を買い、フライトジャケットを漁った。時は80年代。映画『トップガン』の影響もあり、ストリートは空前のフライトジャケットブーム。そのブームを牽引していたのが、中田商店なのだ。ただ、中田商店が革ジャンを扱い始めたのは、もっと昔の1960年代。A-2のレプリカを初めて扱ったのも、実は中田商店なのだ。

そんな彼らのオリジナルブランドが「モーガン・メンフィスベル」。ブランド名ともなっている「メンフィスベル」とは、第二次大戦中、ドイツに対する爆撃を任務としていた米陸軍航空隊第8空軍所属の爆撃機B-17Fの愛称。24回の白昼爆撃を遂行した、伝説の爆撃機だ。

で、モーガンとは、その機長だったロバートK・モーガン氏の名から取っている。戦後、中田商店とモーガン氏は交流を深め、彼が監修のオリジナルブランドを立ち上げたというわけ。オリジナルに忠実でありながら、比較的安価なプロダクツは、多くのフライトジャケットファン、レザーラバーの心を掴んではなさい。

この「モーガン・メンフィスベル」から、新作の情報が届いた。アメリカのみならず、欧州の名作フライトジャケットを精緻に今日に蘇らせている。モーガン・メンフィスベル。ぶっちゃけコイツはヤバイぜ。

TYPE A-2

RUSSET BROWN
SEAL BROWN

モーガン・メンフィスベルでは従来もA-2をリリースしていたが、こちらは新作。今回は、A-2ファンの中でも特に人気の高いラフウエア社のモデルをトレースしている。

台襟を装備し、細やかな箇所もオリジナルを忠実に再現、フライトジャケットファンも納得の仕上がりとなっている。素材にはベジタブルタンニン鞣しの馬革を採用。正直に書くと、袖や裾のニット部分は、オリジナルとは違いアクリル混紡のものを使うなどコストカットが図られているが、新作ではウールの混合率を上げて膨らみを整えている。

カラーはラセットブラウンとシールブラウンの2色を用意。特にラセットブラウンの色の再現性はすごい! ミリタリー好きなら、是非ともラセットブラウンに挑戦してもらいたい。68,000円

カラー展開はラセットブラウンとシールブラウンの2色。シールブラウンでは、袖のデカール付きと無しを選ぶことができる
俺が選ぶなら断然ラセットブラウンだな!

TYPE B-6

モヒカン小川のいちばんのおすすめが、こちらのB-6。一見するとB-3のようにも見えるが、シープシェアリングが短く刈り込まれてあり、すっきりした印象を受ける。

B-3はヘビーゾーン用のジャケットだが、実はB-6はインターミディエイトゾーン用のジャケット。MA-1などと同じカテゴリーなのだ。羽織ってみると、B-3のようなモコモコ感は一切なく、スタイリッシュに着こなすことができる。

身体に沿うようなフォルムで、街中でも活躍してくれること間違いなしだ。この冬のワードローブに、B-6はいかが? 128,000円

モコモコしてないのでスタイリッシュに着こなせます!

ヨーロッパのフライトジャケットも大充実!

モーガン・メンフィスベルは、なにも米軍フライトジャケットだけではない。ヨーロッパのフライトジャケットも多くラインナップしているのだ。米軍とは違う、ヒネリの効いたファッショナブルな欧州ミリタリーをご堪能あれ!

R.A.F. IRVIN

一見すると米陸軍航空隊の名作フライトジャケットB-3のようにも見えるが、こちらは1940年代に採用されていた英国王立空軍(R.A.F.=Royal Air Force)のボマージャケット。

内側は袖までムートンで覆われ、保温性も完璧。腰にはバックル付きのベルトが装備され、袖口の開閉はジッパー仕様となっており、ライダースのような佇まいを見せている。オリジナルでは両サイドのポケットは無いが、機能性を鑑みてポケットを装備している。汚れの目立たないブラウンのムートンを使用しており、冬のバイカーにぴったりだ。128,000円

ムートン付きのライダースみたいな雰囲気じゃね?

LUFTWAFFE PILOT JACKET

モーガン・メンフィスベルではドイツ空軍もラインナップ。このモデルは、独ソ戦において撃墜スコアを重ね、前人未到の300機撃墜を達成したドイツ空軍のエースパイロット「エーリヒ・アルフレート・ハルトマン」が愛用していたモデルがモチーフ。

素材にはゴートスキンを採用。ドイツらしく、直線を基調としたかっちりとした印象を受けるが、現代のファッションにも十分通用するスタイリッシュさを併せ持っている。55,000円

ライダースとしても着られるデザインが◎!

FRENCH BOMBER

NAVY
BLACK

同じヨーロッパのフライトジャケットながら、上のドイツ軍とは全く印象の異なるフレンチ・ボマー。

こちらは1970〜1980年代にフランス空軍で採用されていたモデルがモチーフ。柔らかなシープスキンを使用しており、着用ストレスも一切なし。左肩のラウンド型のユーティリティポケットなど、随所にフランスならではのデザイン性が感じられる。ちなみに内ポケットにはレスキュー用のオレンジベストが付属する。55,000円

この柔らかな着心地がクセになるぜ!

【問い合わせ】
中田商店
Tel.03-3832-8577
https://www.nakatashoten.com

この記事を書いた人
モヒカン小川
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モヒカン小川

革ジャンの伝道師

幼少期の革ジャンとの出会いをきっかけにアメカジファッションにハマる。特にレザー、ミリタリーの知識は編集部随一を誇り、革ジャンについては業界でも知られた存在である。トレードマークのモヒカンは、やめ時を見失っているらしい。
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