メガネについて語らせて! 「ラングリッツ・ジャパン」オーナー・岡本隆則さんが愛用する自分の琴線に触れた一本。

メガネへのこだわりは、十人十色だ。ファッションの前に道具であるメガネは、人それぞれで求める要素がまったく異なるからだ。今回ご登場いただいたのは、ファッションを軸に、クルマやバイク、アートなど、国籍を問わず幅広いジャンルのヴィンテージに精通する岡本さん。氏のメガネ選びの肝とは?

日常的に使うものだからこそこだわりたい。

ラングリッツ・ジャパンの代表であり、自らが企画するブラックサインのディレクターでもある岡本さん。多趣味でファッションをはじめ、あらゆるヴィンテージへの造詣が深いことでも知られる彼のメガネ選びについて訊いた。

「最初に伊達メガネを掛けたのは、ファッションに目覚めた中学の時です。当時、憧れだった萩原健一さんが掛けていたブロータイプのメガネや、いしだあゆみさんが掛けていたツーポイントのメガネにハマったのが、メガネ収集の始まりです。スタイル問わず、その時々で気になったメガネを大量に収集してきましたが、現在は、素材、機能、細かなディティール、造形美など、自身の琴線に触れた物のみを手元に残しています。

リアルに使っているものも多く、その日のコーディネイトやTPOに合わせて着用するメガネを選んでいます。コレクションするメガネの中でも、本鼈甲以外のヴィンテージやアンティークフレームは、全てアメリカを旅してきた中で手に入れたもの。とくに戦前に作られたメガネは、フレーム、テンプル、ブリッジ、ノーズパッドの素材や形、グレービングなど、日常品でありながらも職人の技術力をアートの領域まで引き上げた物が多く、メガネケースに至るまで贅を凝らしている点が、僕の収集癖に火を付けたんです」

1980年代に作られた独特のフレームデザインが魅力の上トロ甲と白甲の本鼈甲ツートン特注フレーム。使用されるパーツの7枚丁番も特注で18金を使用
左上:1930年代のツーポイント眼鏡。右上:ビクトリア時代の老眼鏡。左下:同じくビクトリア時代の老眼鏡。いずれもケースに施された装飾が豪華絢爛だ
エフェクターとのジョイントワークで作った1本。テンプルのエッジには、シルバー925で作ったブラックアイの装飾が付けられる

素材、機能、ディテール、造形美など自分の琴線に触れた物。|1960s 本鼈甲

白バラ斑甲の本鼈甲眼鏡。1960年代の物で所有する鼈甲眼鏡の中で最も使用頻度が高くお気に入り。本鼈甲は宝石と同じで他の素材にはない透き通る透明感が最大の魅力なのだとか。

美しい透明感と天然素材ならではの温かみのある白バラ斑甲を使用した逸品で、両サイドのテンプルには細かな彫りが施された超希少な一本。丁番などのメタルパーツは全て18金が採用された豪華な作りだ。

(出典/「Lightning 2025年9月号 Vol.377」)

この記事を書いた人
Lightning 編集部
この記事を書いた人

Lightning 編集部

アメリカンカルチャーマガジン

ファッション、クルマ、遊びなど、こだわる大人たちに向けたアメリカンカルチャーマガジン。縦横無尽なアンテナでピックアップしたスタイルを、遊び心あるページでお届けする。
SHARE:

Pick Up おすすめ記事

革ジャンの新機軸がここに。アメリカンでありながら細身でスタイリッシュな「FountainHead Leather」

  • 2025.10.31

群雄割拠の革ジャン業界において、カルト的な人気を誇り、独自のスタイルを貫くファウンテンヘッドレザー。アメリカンヘリテージをベースとしながらも、細身でスタイリッシュ、現代的な佇まいを見せる彼らのレザージャケットは、どこのカテゴリーにも属さない、まさに“唯我独尊”の存在感を放っている。 XI|シンプルな...

【土井縫工所×2nd別注】日本屈指のシャツファクトリーが作る、アメトラ王道のボタンダウンシャツ発売!

  • 2025.10.07

これまでに、有名ブランドから新進気鋭ブランドまで幅広いコラボレーションアイテムを完全受注生産で世に送り出してきた「2nd別注」。今回もまた、渾身の別注が完成! >>購入はこちらから! トラッド派には欠かせない6つボタンのBDシャツ「6ボタン アイビーズB.D.シャツ」 アメリカントラッドを象徴するア...

革ジャン職人が手掛ける、経年変化するレザーハット気にならない?

  • 2025.10.31

気鋭のレザーブランド「KLOOTCH」のレザーハットラインとしてスタートした「Brunel & Co.」独学のレザージャケット作りで磨いた革の感覚を、“帽子”という舞台で表現する──。自らの手仕事で理想の革を探求する職人が辿り着いた、新たなレザークラフトの到達点。 革ジャン職人の手が導く、生...

「BILTBUCK」の2025年は新素材によって既存モデルを再解釈した革ジャンに注目だ!

  • 2025.11.03

伝統と革新を往来しながら、レザーの魅力を追求するビルトバック。2025年のコレクションは、オリジナルレシピで仕立てた渾身の新素材によって既存モデルを再解釈。質感と経年変化、レザーの本質的な美学を磨き上げ、洒脱な大人たち〈Hep Cats & High Rollers〉へ贈る、進化であり深化の...

宮城県大崎市の名セレクトショップ「ウルフパック」が選ぶ「FINE CREEK」の銘品革ジャン4選。

  • 2025.10.31

宮城県大崎市に、ファインクリークを愛してやまない男がいる。男の名は齊藤勝良。東北にその名を轟かす名セレクトショップ、ウルフパックのオーナーだ。ファインクリーク愛が高じて、ショップの2階をレザー専用フロアにしてしまったほど。齊藤さんが愛する、ファインクリークの銘品を見ていくことにしよう。 FINE C...

Pick Up おすすめ記事

【土井縫工所×2nd別注】日本屈指のシャツファクトリーが作る、アメトラ王道のボタンダウンシャツ発売!

  • 2025.10.07

これまでに、有名ブランドから新進気鋭ブランドまで幅広いコラボレーションアイテムを完全受注生産で世に送り出してきた「2nd別注」。今回もまた、渾身の別注が完成! >>購入はこちらから! トラッド派には欠かせない6つボタンのBDシャツ「6ボタン アイビーズB.D.シャツ」 アメリカントラッドを象徴するア...

生きたレザーの表情を活かす。これまでになかった唯一無二の革ジャン、「ストラム」の流儀。

  • 2025.10.30

生きたレザーの質感にフォーカスし、“バーニングダイ”をはじめとする唯一無二のレザースタイルを提案するストラム。我流を貫き、その意思を思うがままにかき鳴らすことで、オリジナリティを磨き上げる孤高のレザーブランドだ。デザイナー桑原和生がレザーで表現するストラムのモノ作りの哲学、彼が革ジャンを通して描き出...

渋谷、銀座に続き、ブーツの聖地「スタンプタウン」が東北初の仙台にオープン!

  • 2025.10.30

時代を超えて銘品として愛されてきた堅牢なアメリカンワークブーツが一堂に会するブーツ専門店、スタンプタウンが宮城県仙台市に2025年9月20日オープン! 東北初となる仙台店は北のワークブーツ好きたちにとって待望の出店となった。 珠玉の銘品たちがココに揃う。 ブーツファンが待ち焦がれた東北エリア初となる...

「BILTBUCK」の2025年は新素材によって既存モデルを再解釈した革ジャンに注目だ!

  • 2025.11.03

伝統と革新を往来しながら、レザーの魅力を追求するビルトバック。2025年のコレクションは、オリジナルレシピで仕立てた渾身の新素材によって既存モデルを再解釈。質感と経年変化、レザーの本質的な美学を磨き上げ、洒脱な大人たち〈Hep Cats & High Rollers〉へ贈る、進化であり深化の...

進化したSchottの定番、冬のレザースタイルはこれで決まり!

  • 2025.10.30

アメリカンライダースの象徴であるSchottが、原点回帰とも言える姿勢で“本気”を見せた。伝統のディテールに、現代的な技術と素材を融合。武骨でありながらも軽快、クラシカルでありながらも新しい。進化したSchottの定番が、冬のレザースタイルを再定義する。 668US SPECIAL HORSEHID...