「ATSU LEATHER WORKS」のエイジングを操る“匠の技”が光るライダース。

  • 2025.03.28

レザークラフトマンがアトリエで革と対峙し、1着1着手作業による丁寧な味付けを加えてアツレザーワークスのライダースジャケットは完成を迎える。レザーエイジングに必要な個々の歴史を早送りするかのような、時間を超越する匠の技に注目したい。

長年着込んだかのようなエイジング加工。

代官山に構えるアトリエから独自のレザープロダクツを発信するアツレザーワークス。代表作のひとつであるライダースは、ジャケット自体のデザインは奇を衒うことのないオーセンティックなスタイルだが、そこに手作業で加える味付けによって他に類を見ないアイデンティティを演出する。昨年の革ジャン特集号では、代表外山篤さんが編み出したカービングに鉱物を密着させ着色する“The Ore”という技法を中心に紹介したが、アツレザーワークスのライダースのオリジナリティは、もうひとつの重要な秘密がある。それが独自のエイジング加工だ。

着用によるエイジングはレザーの醍醐味だが、例えば週末しか革ジャンを着ることができない人にとっては、革ジャンのエイジングは途方もなく時間がかかるもの。特に新品時の板のような状態は何よりも早く脱したいと願うレザーラバーは少なくないだろう。そんな思いを実現するのがエイジング加工である。丘染めのライダースの顔料の剥がれや皺のあたりをイメージして、外山さん自身の手でエイジングを急加速させ、新品の状態で長年着込んだかのような風合いに仕上げられているのだ。
オリジナリティを追求するアツレザーワークスの匠の技はエイジングにおける時間を超越し、レザーに積年の重みを植え付ける。

アツレザーワークスのエイジング加工はアトリエで1着1着手作業によって行われる。外山さんが革ジャンを着用し続ける経験がリアルなエイジングの質感の礎になっている

エイジング加工の工程を見せていただきました!

こちらがエイジング加工前のダブルライダースジャケット。渋なめしのステアハイドを丘染めで仕上げたレザーは、当然この時点では茶芯が見えることも皺もないピンピンな状態。

まずは薬品をウエスにつけて、ジッパー周りや縫製箇所など、あたりが出やすい部分をひたすら磨く。経年変化によって表面の顔料が自然に剥がれ落ちた表情を演出する。

深い皺が刻まれる肘部分は実際に袖を通して肘を曲げ、リアルな皺を作った状態で磨いて褪色させる。肘の皺は顔付きに大きく影響する部分なので自然な皺を作り出すことが重要。

磨きの作業がフィニッシュ。レザーが重なる部分や擦れやすい部分など、長年着用して生まれるアタリをイメージして顔料を違和感なく落とす職人技。ただ、現時点ではレザーの質感は新品そのもの。

桶に溜めた水にレザーを漬けて揉みながら染み込ませ、 全体的に癖づけをしていく。襟やフラップは特に入念に。

磨きの作業で顔料を落とした肘は、袖を通してつけた皺をさらに強調するように、しっかりと癖づけする。

水を通した癖づけの工程が終わったら風通しがいい場所にタオルを敷いて長時間かけてじっくりと乾燥させる。この時点では過剰なほどに皺くちゃに見えるが、乾いていく過程で皺が伸びるので心配無用。この塩梅は熟練の経験値が成せる技だ。

【new】 DOUBLE BLACK RIDERS“Sun Burst & Peanut Flower”
【3years aged】

上はエイジング加工をフィニッシュした製品の姿。ATSU LEATHER WORKSのライダースは、エポレットやポケットフラップ、ベルトに施されたカービング&鉱物による着色技法“The Ore”に加え、積年の重みをエイジング加工で表現して完成する。シンプルなスタイルゆえに匠の技が最大のアイデンティティとなるのだ。そして、下のジャケットは外山さんが実際に3年間着用を重ねたサンプルだが、加工で表現したアタリに違和感なくリアルエイジングが重なり、丘染めならではの地色が強調されたダイナミックなエイジングへと進化を遂げている。32万1200円

アナタも自分の手でエイジング体験してみない?

アツレザーワークスでは、今回紹介したエイジング加工のワークショップを開催する予定。自分の手でエイジング加工の体験ができる絶好の機会だ。参加希望者は、まずアツレザーワークスで加工前のモデルを購入することが必須(他社の革ジャンはNG)。ワークショップの詳しい内容や開催日時などは、ホームページを随時チェックしてほしい。

【問い合わせ】
アツレザーワークス
TEL03-6455-1351
https://atsuleatherworks.com/

(出典/「Lightning 2025年5月号 Vol.373」)

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