2025年式フォードPIUが登場。ん? PIUって何だ? 説明します。

一般的な自動車のニュースにはなかなか出てこないネタ、しかも日本ではコア層しかいないアメリカ車のなかでもさらにコアなネタをしっかりと掘り下げてみようと、フォードのPIUの新型が発表されたぞという話題をお届け。そもそもPIUって何? という人がほとんどだと思うので、ちょっとネタにしてみようかと。じつはこれは警察車両のことである。アメリカン・ポリスカーって、幼少期からアメリカのカーチェイス映画で手に汗握っていた人には刺さるよね。というわけで現行モデルのポリスカーをちょっとだけ掘り下げてみるという話題をお届け。

屈強な男たちをさらに屈強にしてくれるフォード製ポリスカー。

小さなころから働くクルマが好きだったという人は少なくない。ピックアップトラックやクレーンなどの工事用車両を初め、パトカーなんかも憧れのクルマで、ミニカーを集めていたなんていう人も珍しくない。

大人になって映画なんかを観てアメリカンカルチャーの洗礼を受けると、今度はアメリカのパトカーがカッコよく見えたりなんかして。カーチェイス映画でいっつもクラッシュしていたけれど、アメリカのフルサイズのなんてことないセダンがパトカー仕様になると実にカッコよかったりするわけ。

ただ、アメリカで警察に供給されているクルマは実は警察車両用のスペックを持っていて、市販車とは中も外もずいぶんと違ったりするのである。

歴史的に多くの警察車両を供給しているフォードの場合、警察車両は商用の特殊車両などを主に扱うフォード・プロというセクションが生産を担当しているのだ。

そんなフォード・プロから2025年式のPIUが登場した。前置きが長くなったけど、PIUって何? というのは、これはPolice Interceptor Utility(ポリス・インターセプター・ユーティリティ)の略。要するにSUV型の警察車両(パトカー)ってことである。

ベースになっているのはフォードのベストセラーSUVであるエクスプローラー。これに特殊車両ならではの装備をインストールして警察用に仕上げている。

モデルは4WDのみというだけでなく、パワートレインも豊富で、3.3リッターV6ハイブリッド(318馬力)、3.3リッターV6ガソリンエンジン(285馬力)、3リッターV6エコブースト(400馬力)チョイスできる。

ノーマルのエクスプローラーには直列4気筒エンジンも存在するけど、パワーのあるV6エンジンのみというのが、いかにも警察車両らしい。

カーチェイスも想定してパワーのあるエンジンしか選べないのである。

おもしろいのはポリス仕様といってもボディカラーは17色からチョイスでき、内装もさすがにレザーシートは無いけれど、ファブリックとビニールレザーがチョイスできる。これも州や地域によって様々なスタイルや用途があるため。

もちろん、このクルマにご厄介になりたくはないけれど、今やSUVは警察でも当たり前の車種になっているだけでなく、ポリス仕様は市販車よりもハイパフォーマンスだということ憶えておいていただきたい。

ルーフトップ、リアウイング、リアゲートに赤と青のパトランプを装備。LEDになっているのが現代的。ホイールがブラックアウトされたスチール製なのもカッコ良く見える。

インパネの中央には縦型の12.1インチの巨大ディスプレイを標準装備(ノーマルのエクスプローラーは横型ディスプレイ)。その横にはキーボードもセットされて、まさに映画で観たパトカーの内装。無線機も標準装備だ。センターコーンソールにカップホルダーがあるのがいい。なんせアメリカの警察官にはコーヒーとドーナツがセットだろうからね。

フォード・エクスプローラーをベースにするのがインターセプター・ユーティリティ、写真左のF150ピックアップトラックをベースにするのがレスポンダーと呼ばれている。ピックアップトラックのポリスカーが存在するのがいかにもアメリカ的。

よくアメリカ映画に登場するのがフォードのフルサイズ4ドアセダンであるクラウンビクトリアをベースにしたインターセプター。これは2003年式。ポリスカーというカテゴリーでもフォードはアメリカでベストセラーを記録している。

この記事を書いた人
ラーメン小池
この記事を書いた人

ラーメン小池

アメリカンカルチャー仕事人

Lightning編集部、CLUTCH magazine編集部などを渡り歩いて雑誌編集者歴も30年近く。アメリカンカルチャーに精通し、渡米歴は100回以上。とくに旧きよきアメリカ文化が大好物。愛車はアメリカ旧車をこよなく愛し、洋服から雑貨にも食らいつくオールドアメリカンカルチャー評論家。
SHARE:

Pick Up おすすめ記事

日本人に最適化された新作の“JAPAN LIMITED”に注目!「MOSCOT」現代に引き継がれるアメリカンクラシックのDNA

  • 2026.05.20

1915年にNYで創業し、アイウエアデザインの王道を形づくった「モスコット」。多様なデザインで溢れるいまこそ、伝統に裏打ちされたクラシックな佇まいに惹かれる。 新作の“JAPAN LIMITED”のラインナップを紹介! 2016年よりスタートした“JAPAN LIMITED”は、インラインにはないノ...

アイヴァン史上初の完全復刻。“ヒストリック コレクション”誕生の裏側に迫る!

  • 2026.05.22

「アイヴァン」2026年春夏の新コレクションとして突如発表された“ヒストリック コレクション”。これまでにもアーカイブを現代に甦らせる試みは幾度か行われてきたものの、どれも細やかなアップデートが施されていた。文字通りの“完全復刻”は今回が初となる。 アイヴァンには立ち返るべき原点がある どこぞのヴィ...

ロンドン生まれのアイウエアブランド「CUBITTS」が日本に本格上陸! 人気の秘密に迫る。

  • 2026.05.19

英国・ロンドン生まれのアイウエアブランド「キュービッツ」。日本へ本格上陸したばかりでまだ多くを知られていない、その全容を紐解く。 ロンドン生まれ質実剛健な実力派 2013年にロンドンで創業、2025年に日本へ本格上陸を果たした「キュービッツ」。本国では、新鋭ながら圧倒的な知名度を誇り、ビスポークも手...

磨き続けた伝統が、新たな定番を生み出していく。「アリゾナフリーダム」の新作に注目

  • 2026.06.03

長く愛される定番には理由がある。そして、その定番を更新し続ける覚悟があるからこそ、プロダクツは生き続ける。今回、紹介する新作は、奇をてらった変化ではなく、受け継がれてきた意匠や職人技を礎にしながら、細部にわたり静かな進化を重ねた美しい作品たち。変わらないために進化し続ける。そこには揺るぎないクラフト...

働くヒトとヴァーグウォッチ。【vol.01靴磨き職人/「Chett」店主・大平雄太さん】

  • 2026.05.21

「Time is Money」=「時は金なり」。自身の仕事に誇りを持ち、日々働く人々は有限な“時間”というものを重んじ、身につけるプロダクトにも徹底的にこだわる。アンティークウォッチの旧きよきディテールを備えながら、手軽かつデイリーに使うことのできるヴァーグウォッチはそんな彼らの心強い相棒となる。 ...

Pick Up おすすめ記事

落語家たちが洋装に身を包む会、第4弾! 落語会「師匠お似合いですよ」の舞台裏で注目の落語家たちをSNAP!

  • 2026.05.18

アメカジを提案するファッションブランド「ゴールデンベア」が主催する落語会、その名も「師匠お似合いですよ」。弊誌も師匠方のスタイリングを担当。第4回目となる今回も大盛況でした。楽屋裏で撮影したみなさまの素敵な着こなしをお届けします! 落語家たちが洋装に身を包む会「師匠お似合いですよ」の舞台裏に潜入! ...

アイヴァン史上初の完全復刻。“ヒストリック コレクション”誕生の裏側に迫る!

  • 2026.05.22

「アイヴァン」2026年春夏の新コレクションとして突如発表された“ヒストリック コレクション”。これまでにもアーカイブを現代に甦らせる試みは幾度か行われてきたものの、どれも細やかなアップデートが施されていた。文字通りの“完全復刻”は今回が初となる。 アイヴァンには立ち返るべき原点がある どこぞのヴィ...

革ジャン好きなら一度は通るべき! 「No,No,Yes!」の最上級オーダー“アルチザン”とは?

  • 2026.06.01

「世界にひとつだけの革ジャンを作る」。それは、レザーラバーの憧れだ。革好き注目のブランド「No,No,Yes!」が誇るオーダーメニューの中でも最上級に位置する「アルチザン」とはいったいなんなのか? その正体に迫る。 革ジャンの伝道師・モヒカン小川が実際に“アルチザン”を体験 これは単なる革ジャンの話...

【連載】ビートルズのことを考えない日は一日もなかった

  • 2024.02.05

80年代、私的ビートルズ物語。 ビートルズ研究と収集に勤しむビートルデイズを始めて早44年(Since1980)。 なにをするにもビートルズが基準だった『昭和40年男』編集長のビートルズ史を、 当時の出来事とともに振り返ります。

ロンドン生まれのアイウエアブランド「CUBITTS」が日本に本格上陸! 人気の秘密に迫る。

  • 2026.05.19

英国・ロンドン生まれのアイウエアブランド「キュービッツ」。日本へ本格上陸したばかりでまだ多くを知られていない、その全容を紐解く。 ロンドン生まれ質実剛健な実力派 2013年にロンドンで創業、2025年に日本へ本格上陸を果たした「キュービッツ」。本国では、新鋭ながら圧倒的な知名度を誇り、ビスポークも手...