世界中からバイヤーが買い付けにくる「インスピレーションLA」で見つけた、変わり種ミリタリーウエア

高品質のヴィンテージが集まるトレードショーとして有名で、世界中からヴィンテージ・バイヤーたちが買い付けに来るという南カリフォルニア・ロサンジェルスのイベント、「インスピレーションLA」を取材。会場内は見渡す限り、選りすぐりのヴィンテージ古着で、当然ミリタリーアイテムも豊富にそろう。そんなイベントで、ひとクセある個性的なアイテムに注目。ヴィンテージのミリタリーウエアには、元々着用していた所有者の個性が反映されているアイテムが存在する。いわゆる一点もので、落書きカスタムであったり刺繍であったり、何かしらの個性が落とし込まれる。また通常と仕様が異なった変わり種ミリタリーも探してみた。

軍装品の中でも個性を放つ、着用者の意図を感じるプロダクツ。

デッドストックに近い完璧なコンディションを誇るM-42ジャンプジャケット。背面の刺繍のオーラもヤバい! 着用者の写真やIDなどもセットで、価格は驚愕の1万1950ドル!

‘40年代製のUSNヘチマ襟デニムカバーオール。背面にはUSSシボニー(CVE112)護衛空母が描かれた。一点ものなので2000ドルは下らない

第二次世界大戦中、中国大陸に駐留していたアメリカ軍の兵士が、現地のテーラーショップにてオーダーメイドで作らせたスーベニアシャツ。オリエンタルな意匠のドラゴンや駐留地である青島の名称が刺繍される。425ドル

柔らかくコットン生地のベイカーパンツは、太過ぎず細過ぎずのストレートシルエット。イベント会場でも多数出品されており、この個体は膝のあたりに当時のカスタムがされている変わり種で140ドルで販売。

USMCのHBTアイテムだが詳細は不明。フロントはジッパー仕様で、胸にはマチ付きのスナップボタン付きのポケット、背面には無線機などを収納できる大型ポケットを装備している。ASK

会場で見つけた変わり種ミリタリーコーデをスナップ!

Federico Carlucciさん

着こなし全体からほのぼのとした空気が漂ってくるフェデリコさんがチョイスしたのが、スイス陸軍のアルペンカモライバーマイスターパターンのジャケット。全身トータルの色味がほんと素敵です♪

Jon Alanさん

第二次世界大戦中にUSMCが支給していたP-1941 HBTトラウザーズ。ジョンさんのワイルドな風貌と絶妙にマッチしているのが印象的。若干短い裾の丈感もLA風なユルさだ

Kitzfitzさん

サテンのスカジャンとP-1944 CAMOトラウザーズ、ダックハンター迷彩のハットと、全身のカラーバランスの取り方が秀逸で、会場内でも一際目立つ存在のキッツフィッツさん

Liam Plunierさん

アメリカ陸軍士官学校(USMA)のカデットジャケットを取り入れたリアムさん。MA-1のようなブルゾンタイプのデザインなので、彼のようにカジュアルに使いまわせるアイテムだ

※情報は取材当時のものです。

(出典/「Lightning 2024年6月号 Vol.362」)

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ADちゃん
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ADちゃん

ストリート&ミリタリー系編集者

Lightning本誌ではミリタリー担当として活動中。米空軍のフライトジャケットも大好きだけど、どちらかといえば土臭い米陸軍モノが大好物。そして得意とするミリタリージャンルは、第二次世界大戦から特殊部隊などの現代戦まで幅広く網羅。その流れからミリタリー系のバックパックも好き。まぁとにかく質実剛健なプロダクツが好きな男。【得意分野】ヴィンテージ古着、スケートボード、ミリタリーファッション、サバイバルゲーム
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