DIYでレザークラフトに挑戦! いよいよ制作編。

個人的にも裁縫が趣味なことから、以前体験入学したスターディ・レザーアカデミー。その次のステップとしてレザークラフトに挑戦することに。作るのは取材用に使っているカメラのレザー製ストラップ。レザー小物としては単純なアイテムなのでイージーにできると思いきや、これが素人には当たり前だけどなかなかハードル高し。思いつきで始めたDIYで果たして想像通りのアイテムはできるのか? その模様をレポート。いよいよレザーの裁断に入る。

ローマは1日して成らず。簡単なようで素人にはハードル高し。

普段撮影で使っているカメラのストラップをDIYで作ってみようと、以前お世話になったスターディ・レザーアカデミーに再入学してみた筆者。まずは作ってみたい完成形を想像してイラストに起こし、それをイメージして実寸を加えた企画書から、現実的に作成可能な型紙(パターン)まで制作した前回。

今回はいよいよ素材を裁断して実際の制作に入ることに。といってもそこは素人。順調に行くはずもなく、各工程で様々な問題や不具合に直面。やはり先生がいないと完成まではほど遠いということを実感するのであった。

今回の制作を指導してくれるスターディの水野さん。クラフトマンであり、レザーアカデミーの塾長でもある。クルマの内装からバッグ、レザージャケットまで、多彩な技術を持っている

まずは制作に必要な素材、パーツ、設計図などを用意する。

制作物のパターンまで仕上がった前回。いよいよ実際の制作に入るためにまずは素材となるレザーやパーツなどを用意する。

今回素材に選んだのはスターディの製品にも使われている栃木レザー(ベジタブルタンニングのカウハイド)のブラウンに決定。ベジタブルタンニングのレザーは使い込むことで風合いが出てくる性質なので、使い込んで味わいを増すことを期待してチョイスした。

本来は素材となるレザーを1枚購入して制作するカリキュラムだが、今回はレザーを大量に使わないということで、特別に栃木レザーの端切れを提供してもらって製作することに。

レザーの裁断する時点でパターンの不正確さを指摘され凹む(笑)。

まずは裁断。前回制作した紙製のパターンを素材となるレザーの上に置いて線を引き、レザーを裁断するという作業なのだが、パターンを見た先生から不正確なパターンについてダメ出しが。本人は左右対称にパターンを引いたつもりが、よくみると剣先などのカーブのラインが不正確。「これじゃキレイに仕上がらないよ」と先生に指摘され、パターンを修正することに。

パターンの修正作業。紙製なのでハサミを使って左右対称になるように近づける。パターンが正確でないと仕上がりに影響するのである

いよいよレザーを裁断するぞ。

パターンを左右対称に修正できたら、素材となるレザーにパターンを当て、銀ペンで周囲をなぞって裁断する線を引く。

といってもただ闇雲に線を引くのではなく、このときにレザーの表面にあるキズなど見分け、大きなキズは避けるようにするだけでなく、レザーに無駄が出ないようにパーツとして裁断する場所を決めることが大事。

なるべく1枚のレザーから多くのパーツが取れるように考えるというのも重要な作業。なるほどなと勉強になる。貴重な天然素材を無駄にしないという教えであった。

レザーパッドの制作その1。裁断

まずは首への負担を減らすためにデザインしたパッドの下ごしらえ。パターンでカタチをレザーに写したら、線に沿ってレザー包丁でカットしていく。直線をキレイに切るだけでも不慣れなのに両端のカーブを裁断するのは素人には難所。

大量生産品の場合はパターンを金型に起こしてくり抜いて裁断することが多いそうだが、スターディでは基本的に手裁断を採用している。ハンドカットならではの味わいがクラフトマンシップを感じる商品作りにも役立っているのだ。

レザーパッドの制作その2。ディテール制作

パッドには本体のストラップを通すようにするので、ストラップが通る穴を空ける作業が必要。ちょうどいい工具がなかったために両端をポンチで空け、その間を革包丁でくり抜いて穴を制作することに。もちろん素人なのでその仕上がりははっきりいってキレイでは無い(笑)。といっても完成すればストラップを通すことで隠れてしまう部分が多いので「まあ、いいでしょ」と先生にもOKをもらう。もちろん、売り物の制作であったら落第である。

ストラップを通すための穴をくり抜くことはできたけれども、その切り口が雑そのもの。やはり素人ではこういう細かい部分に「粗(あら)」が出るのねと実感。でも使用には問題が無いので「まあ、いいでしょ」ということに(笑)。よく見るとパッドの両端のカーブもちぐはぐ(涙)

レザーパッドの制作その2。接着

パッドになる2枚のレザーパーツを裁断。ひとつにストラップを通すために穴を空けたら両パーツを接着する。ここにはレザー用の接着剤を使用する。

接着剤にヘラを使って薄く塗り、5分ほど乾燥させてから両パーツを貼り合わせる。中にストラップを通すため、ストラップが通る部分には接着剤を塗らないように注意して作業する。貼り合わせたパッドは樹脂製のハンマーで叩いてさらに圧着させる。

レザーパッドの総仕上げ。

接着剤が乾いてパーツが接着されたらパッドの総仕上げ。ここで先生のチェックを受けると、上下のパーツの大きさがにズレているとの指摘が。素人だからこれくらいの誤差が出るのは想定内だったらしく、先生が左右の微調整を革包丁でキレイに仕上げてくれた。

お次はコバの仕上げ、両端のカーブしているラインがかなり凸凹しているのでここを豆カンナで削ってカーブのラインをキレイにする作業が必要だと。こうすることで何となくキレイに仕上がった。本来はこういう微調整が必要ないくらいに技術の精度が上がるとプロになれますよと。確かにこういう細かい部分をキッチリと仕上げることで全体が良く見えるんだなと実感。

人生で初めて見た小型カンナ。そもそもカンナを使うのは学校の技術家庭科の授業以来(笑)。削りすぎないように慎重に作業してパッドの両端にある曲線をなだらかに仕上げていく

レザーパッドの制作その3。縫製

2つのレザーパーツが接着され、フォルムを整えたら仕上げに周囲を縫製する。ここで分厚いレザーもガンガン縫製してくれる工業用ミシンの出番である。といってもミシンにはガイドが付いているので、ガイドで縫製したい位置を出せば大きな失敗をすることはないので、いざ縫製!

といっても失敗することが許されない作業なのでゆっくりとペダルを踏みながら進める。それでも最後の縫い終わり部分は縫い始めの穴に針を通さなければキレイに見えないというのにこれを失敗。最後は先生が微調整をしてくれたおかげで何とか成功。プロならあっという間に仕上げるところをヨチヨチ歩きでなんとかやりきった。

縫製糸は先をライターで潰して縫い目の中に埋没させて糸留めする。その後、樹脂製のハンマーで縫製部分を叩いて縫い糸をレザーに沈ませればパッドが完成

いよいよ次回はストラップ本体の制作と仕上げに!

【DATA】
Sturdy Luggage Academy

<初回体験コース>
受講料:4000円(2時間)
材料費:1500円
製作物:レザーペンケース

<通常コース>
入会金:4000円
受講料:1レッスン4500円(2時間)+材料費(制作物で変動)
制作物:バッグ、ウォレット、デニムエプロンなど任意で選択可

場所:横浜市港北区新羽町1218-1スターディ工房内
TEL045-900-2211 sturdy@lucent-jp.com

https://www.instagram.com/sturdyluggagesupply/?hl=ja

この記事を書いた人
ラーメン小池
この記事を書いた人

ラーメン小池

アメリカンカルチャー仕事人

Lightning編集部、CLUTCH magazine編集部などを渡り歩いて雑誌編集者歴も30年近く。アメリカンカルチャーに精通し、渡米歴は100回以上。とくに旧きよきアメリカ文化が大好物。愛車はアメリカ旧車をこよなく愛し、洋服から雑貨にも食らいつくオールドアメリカンカルチャー評論家。
SHARE:

Pick Up おすすめ記事

トラッドの相棒にドゥニームのジーンズを! ウエアハウスが1988年のクラボウデニムを再現

  • 2026.09.17

1980〜90年代に日本のセルビッジジーンズの先駆けとして一世を風靡したデニムブランド「ドゥニーム」。同ブランドの創業当時のレシピをもとに、再始動を手掛けたのが「ウエアハウス」だ。彼らの徹底的な研究・解析によって生み出された至極の1本は、まさにオーセンティックそのもの。そして、本当の意味での“良い色...

ニューヨーク・ブルックリン発! 作業服由来のデイリーウエアはこう着こなす。

  • 2026.09.16

創業1904年、高層ビルの建設が相次ぐ当時のニューヨークでリアルワーカーに向けて、作業服を提供していた「ブルックリンオーバーオール」。そんな確固たる出自に由来する男服は、カジュアルウエアとして現代にDNAを継ぐ。 旧きよきデザインと生地づくりで飽きのこない王道のワークスタイル 40年代の個体をベース...

2ndとEDWIN両チームの世代の異なる4人が集結! EDWINと考えるトラッド学

  • 2026.09.15

本誌でも何度も紹介してきたEDWINのコンセプトショップ限定アイテムは、普遍的なデザインとそのクオリティの高さから2ndが理想とするトラッドスタイルともばっちりハマる。今回は初の試みとして、2ndとEDWIN両チームの世代の異なる4名で“EDWINで作るトラッド”を考えてみた。 20代らしくアクティ...

上野の2つの「SUN HOUSE」で、秋支度。おすすめのアイテムを聞いてきました

  • 2026.09.18

歩いてわずか30秒ほどの距離にある、上野ふたつのサンハウス。今回はそれぞれの店舗で、この秋おすすめのアイテムを聞いてみた。2軒を行ったり来たりしながら、そろそろ秋支度を始めよう。 上野のサンハウスは行ったり来たりが正解です 昨年のリニューアルを経て、アメ横に2店舗を構えるようになった「サンハウス」。...

日本の技で蘇る、旧きよきアメリカンベーシック。100年前の起毛機を使った「DISCUS」のスウェット

  • 2026.09.18

「ディスカス アスレチック」の「MADE IN JAPAN」プロジェクト。和歌山で受け継がれる約100年前の起毛機とそれを支える職人の技。そのこだわりから生み出されるスウェットの魅力を追った。 スウェットの裏側に宿る百年起毛 1973年、アメリカで誕生した「ディスカスアスレチック」。その歴史を日本の...

Pick Up おすすめ記事

ニューヨーク・ブルックリン発! 作業服由来のデイリーウエアはこう着こなす。

  • 2026.09.16

創業1904年、高層ビルの建設が相次ぐ当時のニューヨークでリアルワーカーに向けて、作業服を提供していた「ブルックリンオーバーオール」。そんな確固たる出自に由来する男服は、カジュアルウエアとして現代にDNAを継ぐ。 旧きよきデザインと生地づくりで飽きのこない王道のワークスタイル 40年代の個体をベース...

名作[ハリケーントップ]誕生から40周年! 「CHUMS」の「ハローウェア」が再登場

  • 2026.09.23

「チャムス」の名作[ハリケーントップ]の誕生から40年を迎える今年、「ハローウェア」が再登場する。そのコレクションを紹介する前に、まずはブランドが歩んできた歴史を紐解いていこう。これまでの歩みを知れば、「ハローウェア」をもっと楽しめるはずだ。 ハロー、懐かしくて新しいチャムス サングラスを川に落とさ...

日本の技で蘇る、旧きよきアメリカンベーシック。100年前の起毛機を使った「DISCUS」のスウェット

  • 2026.09.18

「ディスカス アスレチック」の「MADE IN JAPAN」プロジェクト。和歌山で受け継がれる約100年前の起毛機とそれを支える職人の技。そのこだわりから生み出されるスウェットの魅力を追った。 スウェットの裏側に宿る百年起毛 1973年、アメリカで誕生した「ディスカスアスレチック」。その歴史を日本の...

イタリア・パルマで誕生。世界屈指のベルト「Anderson’s」、その生まれる場所へ

  • 2026.09.17

1966年、イタリア北部に位置する美食の街・パルマで創業したベルトメーカー「アンダーソンズ」。装いを完成させる“名脇役的存在”のベルトをメインとする稀有な存在にして、世界的な評価を獲得する某ブランドのプロダクトはどのように生まれるのか。その魂が宿る自社工場に足を運んだ。 イタリア・パルマの地に宿る6...

無垢の金属、輝く伝統。純金や純プラチナを使った「市松」の究極の逸品

  • 2026.09.25

純金や純プラチナなど、純度100%の軟らかい金属をアクセサリーにするためには非常に高い技術が必要だ。それを可能にするのが「市松」。約30年にわたって培った“叩く”技術が可能にする唯一無二のリングの輝きに迫る。 熟練の技なくしては完成しない究極の逸品 原材料高騰の影響もあって、希少性が高まっている純金...