1940~1960年代にデザインされた、愛され続けるミッドセンチュリーの名作家具とは?

’90年代に大ブームとなり、今や日本でも定番として根付いているミッドセンチュリーファニチャー。ただ一言にミッドセンチュリーファニチャーと言っても千差万別で、様々なデザインやスタイルが存在。そこで日本におけるミッドセンチュリーのスペシャリストであるギャラリー1950の北修三さんに解説してもらった。

デザインディレクター、ジョージ・ネルソンにより続々と名作が誕生。

「Gallery1950」キュレーター・北 修三さん|1964年生まれ。岡山県出身。有名ヴィンテージファニチャーショップを経て、1995年に恵比寿でギャラリー1950をオープン。今もアメリカへ買付を行うスペシャリストである

日本におけるミッドセンチュリーファニチャーの先駆者であり、今も第一線で活躍するギャラリー1950の北さん。30年以上、ミッドセンチュリーセンチュリーファニチャーを追い続ける北さんにとって、その魅力とは?

「この時代には、世界中の優れたデザイナーや建築家によって、様々な名作が生まれましたが、自分がもっとも惹かれるのは、その中心になったアメリカの前衛的なデザイン。その源流となるのが、ハーマンミラー社が、’45年にジョージ・ネルソンをデザインディレクターに起用したことです。

彼自身が優れたデザイナー兼建築家であり、ハーマンミラー社以外でも様々な名作を残しています。その大きな功績のひとつが、当時は無名だったレイ&チャールズ・イームズ夫妻を筆頭に、イサム・ノグチやアレキサンダー・ジラードなどをハーマンミラー社で仕事をするように働きかけた点です。その結果、今も人気を集め続けている名作が生まれたのです。

また独自の素材使いにも特徴があって、例えばイームズの象徴であるエッフェルベースは、細いワイヤーだけで構成されていて、当時の家具=ウッドという常識があった中で、本当に画期的だったと聞きます。

さらにプライウッドやFRPの登場によって、それまでは難しかった曲線を多用したデザインやポップなカラーリングが実現し、家具の世界でも大量生産が可能となったのが、大きな流れだと思いますね」

カラフルで美しい曲線美がミッドセンチュリーの魅力!

1954年にジョージ・ネルソンがデザインしたネルソンペデスタルテーブル。脚のグライズが初期型のデザインとなったヴィンテージ。テーブルに置かれた1988年発行のミッドセンチュリーモダンは、この時代の家具が再評価されるきっかけになった。

イームズ夫妻を代表する名作のひとつであるシェルチェアは1950年にリリース。脚にはもっとも人気の高いロッカーベースが取り付けられた仕様。ロッカーのコンディションも抜群なスペシャル。28万6000円

細いロッドとプライウッドの天板を組み合わせたミニマルなデザインのLTRは、イームズ夫妻の自宅で使うために開発された名作。こちらはヴィンテージだが、現在もハーマンミラー社で販売されている定番だ。

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