シルビアの車体にハコスカのボディを搭載。そんなことが可能なのか!?

  • 2024.02.20  2024.02.18

誰もが夢想することがある。旧車のデザインを現代のシャシーで、と。その答えのひとつがインジェクション化であり、RB1UZSRなどへのエンジンスワップであった。だが、Ksブラストはまったく違う方向を打ち出す。シルビアのシャシーの上に、ハコスカのボディを載せる……。果たしてそのようなことは現実で可能なのか? そして安全性は? まずはその車体から、じっくり検証していくことにしよう。

旧車に快適に乗るための新たなる選択肢。

これまで数多くの快適に乗れる旧車を紹介して来たが、ここ最近は、旧い車体に新しいエンジンやトランスミッション、さらにはパワステやエアコンといった快適装備を搭載する「アップデート系」と、比較的新しい車体に旧いボディをドッキングさせる「ハイブリッド系」と、大きくふたつの潮流に大別できるようになってきたと思う。

ここに紹介するのは、かつてLightning誌『Zスペシャル』で紹介したS2000の車体に被せたブルーのZをプロデュースした広島のK’sブラストの新作。今回はS15シルビアにハコスカ2ドアハードトップのボディをドッキングしたハイブリッドカスタムだ。

シルビアとハコスカではホイールベースが若干異なるそうだが、オーバーフェンダーの装着位置などで調整することで、違和感なくフィットしている

「これまでZでのハイブリッド製作は経験がありましたが、ハコスカをベースにするのは初めてなので、最初は大変でした。シルビアとハコスカはホイールベースがあまり変わらないので、オーバーフェンダーの装着位置で調整しています」とK’sブラスト代表の金尾さん。

詳細は企業秘密にもなるため割愛するが、基本となるシャシーはもちろん、ストラットアッパー周辺などのサスペンション周り、さらには操作系が集中するダッシュやコンソール周りはS15をそのまま使い、これに、ボディ外板やドアの内張りなどをハコスカからドッキングさせている。

このドッキングさせる箇所は、合わせる車両によって異なるため、車種ごとにノウハウが必要となるばかりではなく、最終的なボディの強度などにも関わってくる。そういった課題をすべてクリアして初めてハイブリッド車両は完成するのだ。もちろん、公認を取得し、なんら問題なく車検を受けることができるのはいうまでもないだろう。

ベースはNAATS15なので、駆動系はSR20エンジンに4ATとなる。当然だが、足回りはもちろん、パワステやエアコンなどの快適装備もすべて備わるため、誰にでも運転できるのが大きな魅力だ。そんなハイブリッドスカイライン に目を奪われてしまったのが、西岡綾香さんだ。

「ハコスカは憧れでしたが、さすがに旧いクルマは無理だと諦めていました。でもこれなら気兼ねなく快適に乗れるので休日のドライブもすごく楽しいです!」と綾香さん。

このクルマは誰にでも快適に旧車を楽しんでほしい、というK’sブラスト金尾さんが提唱する快適旧車の新しいカタチといっていいだろう。

ホワイトボディにブラックバンパーという独特のスタイルだが、これはあくまでベースとして仕上げたもので、初期コストを下げるための策。これからオーナーの元で自分好みにアレンジしてほしいと金尾さん
当然だが、サスペンションやブレーキもS15のままで、S15用のフルタップ車高調を装着。またS15ベース故に5穴となりホイール選択の幅は広がっているが、S14のパーツで4穴化も可能だ。現在はグラムライツ57マキシマムの17インチを履く
テールはクリアレンズを採用し、旧車らしからぬスタイルに。GT-R のエンブレムはあえて装着していない
バンパーはあえてブラックペイントとしている。マフラーはなんとS15の純正をそのまま使用。もちろんS15用の社外マフラーも装着可能だ

2020 KGC/S15 SILVIA|ハイブリットスカイラインの快適仕様。

エンジンはSR20DE160psを発生。4ATはもちろん排気系に至るまで、ほとんどの部分をノーマルのままとしているため、基本的にはシルビアのスペックそのままとなっている。バルクヘッドやストラットアッパー周辺もシルビアのままだ。

シルビアの足回りとなったことで、リアはなんとマルチリンクとなっているだけでなく、ディスクブレーキ化も果たしたこととなる。パワーだけでなく、動力性能は総合的にアップしている。

フロアを見ると、ほとんどストック状態のS15シルビアそのもので、ボディがハコスカであることは想像すらできない。あえて加工を最小限とすること で、S15シルビア用の社外パーツがほとんどそのまま使用できるのも大きなメリットだ。

ボディを分解した際にストラットアッパー周辺とバルクヘッドは補強済み。タワーバーなどの補強なしで高いボディ剛性が確保されている。

ダッシュは左右幅をハコスカのボディサイズに合わせてカットしているが、基本的にはS15シルビアのまま。ステアリングはナルディをチョイス。ベースがシルビアとなるため、各種操作系もすべて作動する。

トランスミッションは4ATで、オートエアコンやナビまで備わる。ドライバーを選ばず、誰にでも運転できるのが大きな魅力だ。

シートはS15シルビアの純正。もちろんS15用のシートレールを使用してレカロなどのバケットシートを装着可能。

いっぽうでドアパネルはハコスカの純正となる。快適装備が多く活かされているが、唯一窓だけはクランクハンドルを使った手動式。

リアシートもシルビア用をそのまま使用。幅も変わっておらず、乗車定員はS15シルビアの4人のまま。安全基準はシルビアに準じるため、リアにも3点式シートベルトが備わる。

SPEC
エンジン形式:SR20DE(直列4気筒 DOHC) 総排気量:2000cc トランスミッション:4AT サスペンション:S15用フルタップ車高調 ホイール:RAYS gramlights 57 Maximum タイヤ:FEDERAL TIRE(F)215/45-17(R)235/40-17

DATA
K’s BLAST
720-0073 広島県福山市北吉津町4丁目16-15
TEL084-923-1364
営業時間:8:3017:00

※情報は取材当時のものです。

(出典/別冊Lightning Vol.231VINTAGE AUTO 快適旧車のススメ。」

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