アメリカだけでなく日本でも人気を誇るフォード・エクスプローラーってどんなクルマ? 教えます。

アメリカのクルマというと日本ではまだまだメジャーな存在ではない(ずっとかも)けれど、そのなかでも市民権を得たモデルのひとつといえばフォード・エクスプローラーの存在。これはミッドサイズSUVカテゴリーにフォードが1991年に投じた車種で、アメリカで大ヒットしたモデル。その人気そのままに日本にも正規輸入されたことで、ライバル車であったジープ・チェロキーとともに国内でも人気を誇ったアメリカ車だ。そんなエクスプローラーを深掘りしてみよう。

ミッドサイズの車格に6気筒エンジン、4WDを組み合わせたアメリカンSUVのスタンダード。

フォード・エクスプローラーの登場は1991年。それまでミッドサイズのSUVとして存在していたブロンコ2の生産が終了(ブロンコはフルサイズモデルのみに整理された)し、そこを埋めるモデルとして新たに生まれた。

発売当時からミッドサイズSUVはあらゆる世代に受け入れられたという時代も手伝って、ライバルだったジープ・チェロキー(XJ)やグランドチェロキー、シボレーS10ブレイザーを押しのけてトップセールスを記録する車種となったことで、アメリカンSUVの代表格としてすぐにその存在感をアメリカで確固たるものとした。

現在日本では正規輸入はされていないが、現地アメリカではフォードを代表するモデルとして進化をしながら生産され続けている。

そんなエクスプローラーの歴史を見ながら、さらに深掘りしていこう。

第1世代。1991~1994年。ブロンコ2の後継モデルとして生まれた。

それまでフォードを代表するSUVだったブロンコおよびブロンコ2が、フルサイズボディのブロンコのみに整理されることで投入されたのがエクスプローラー。ボディはスポーティな2ドアと4ドアモデルが用意され、悪路走破性の高いファミリーカーとして生まれた。

ちょうどこのころはいわゆるセダンやワゴンよりもSUV人気が高まっていたこともあり、多くの人に受け入れられるモデルになった。

スクエアなボディとフロントマスクはまだピックアップトラックの面影もある。搭載されるエンジンは4L V6エンジンのみだった。

初代エクスプローラーはスクエアな「懐かしい」フォルム。ピックアップトラックをベースにしたSUV黎明期のスタイルだったが、アメリカで爆発的に売れた。これはアメリカのアウトドアブランドの雄、エディ・バウワーの名を冠したエディ・バウワー・エディション。2トーンのペイントが特徴だった。Photo by Ford Motor Company

第2世代。1995~2003年。V8エンジンも搭載された第2世代。

1995年モデルでフルモデルチェンジした第2世代は当時、フォードが推し進めていたオーバルデザインの影響でラウンドシェイプが強調された顔つきに。先代同様FRベースの4WDは継承され、このモデルも2ドアと4ドアの2タイプのボディが存在した。

エンジンはスタンダードでは4L V6だったが、当時のライバル車でもあったジープ・グランドチェロキーのV8モデルに対抗するために、オプションで5L V8エンジンもチョイスが可能になった。

4ドアモデルは2002年式までだったが、3ドアモデルは2003年式まで存在した。

当時のフォードが各モデルに採用していたオーバルデザインで生まれ変わった2代目エクスプローラー。先代よりもマイルドな顔つきに。同サイズのライバル車だったジープ・グランドチェロキーに対抗してV8エンジンもこの世代からラインナップされた。Photo by Ford Motor Company

第3世代。2002~2005年。独立式サスペンションを採用し、乗り心地が向上した。

初めてすべてが新設計になった第3世代。ボディオンフレームという構造は変わらなかったが、エクスプローラーのために設計されたものとなり、サスペンションも4輪独立懸架となることで、アメリカンSUVで初めて4輪独立サスペンションを持ったモデルとなった。

ボディも2ドアモデルが廃止されて4ドアモデルのみとなり、よりファミリーカーとしての性格を強く押し出していった。

搭載されるエンジンは4L V6と4.6L V8がラインナップされた。

初代のスクエアなデザインと2代目のラウンドシェイプしたデザインの中間的なスタイルに生まれ変わった第3世代。アメリカンSUVがブームとなったころで、日本でも多く輸入されたがその多くは4L V6モデルだった。この世代から一般的な乗用車やスポーツカーに採用されていた四輪独立懸架式のサスペンションをアメリカンSUVで初めて採用している。Photo by Ford Motor Company

第4世代。2006~2010年。最後のボディ・オン・フレームモデル。

先代よりも強化されたフレームになった第4世代。デザインは先代のブラッシュアップを図った程度で大幅な変更はなかったが、折しも時代はラグジュアリーSUV全盛期。エクスプローラーも高級感のある内装へと生まれ変わっただけでなく、3列目のシートが電動で格納できるパワーサードシートをオプション設定するなど、利便性が向上している。

エンジンは先代同様、4L V6と4.6L V8の2機種だった。

涙目デザインのヘッドライトが特徴的な第4世代。これがフレーム構造になるエクスプローラーの最終世代になった。Photo by Ford Motor Company

第5世代。2011~2019年。FFベースのモノコックボディになり、エコブーストエンジン搭載モデルも登場。

それまでずっとFR(フロントエンジン、後輪駆動)ベースの4WDで、ボディ・オン・フレームという構造を貫いてきたエクスプローラーだったが、第5世代ではFF(フロントエンジン、前輪駆動)ベースの4WD、モノコックボディに大幅にモデルチェンジし、それまでピックアップトラックの派生モデル的なイメージから脱却。より乗用車としての乗り味へと生まれ変わった。

2016年にフェイスリフトが行われたが、同年にフォードが日本市場から撤退することがアナウンスされ、日本における正規輸入車の存在はこのモデルのみとなっている。

また、この世代から小排気量+ターボというエコブーストエンジンが主力になり、V8エンジンの搭載はなくなった。

乗用車と同様のモノコックボディにフルモデルチェンジすることで、ラウンドシェイプが強調されたスタイルに生まれ変わった第5世代。このモデルから搭載エンジンがエコブースト(種排気量+ターボ)としたラインナップになった。Photo by Ford Motor Company
2016年式でフェイスリフトが行われ、フロントマスク、フード、テールランプが刷新されて、現行モデルに近いデザインになった第5世代後期モデル。エンジンフードに車名のエンブレムがアルファベットで大きく入るようになるのもこのモデルから。Photo by Ford Motor Company

第6世代。2020年~現行モデル。クロスオーバーSUVとして大幅に刷新された現行モデル。

もはや日本では正規輸入がされていない現行モデルが第6世代。再びFRベースの4WDへと変更された。エンジンは直4、V6のエコブーストエンジンに加え、ハイブリッドモデルも登場することで、燃費性能も高いSUVとして君臨している。

デザインはロー&ロングな伸びやかなボディデザインとなってシャープな都市型SUVのイメージが強調された。

先代からシャープなヘッドライトに変更され、すっきりとしたモダンな顔立ちになった現行モデル。このモデルから再びFRベースとなり、ミディアムサイズのクロスオーバーSUVとして生まれ変わった。Photo by Ford Motor Company

新車価格やサイズ感、燃費なども気になるところ。

エクスプローラーを探すとなると2016年モデルまでは正規輸入が存在しているが、それ以降は並行輸入に頼るしかない。ちなみにアメリカではすでに2024年モデルが登場していて、最新モデルの価格は3万6860ドルから、ベースグレードのサイズは全長5049mm、全幅2004mm(サイドミラー含まず)、1775mmと、トヨタの300系ランドクルーザーくらい。

燃費は非公式な発表で街乗りリッター約7.7km、高速走行でリッター約11kmという。

新車は並行輸入のみになり、ベースモデルで500万円近いので、日本に輸入することを考えると1000万近い予算が必要だと思われる。

現行モデルのエクスプローラーの内装には、いまやグレードやオプション設定で高級感のあるレザー内装もラインナップされ、大衆車向けのモデルながらラグジュアリーな雰囲気も楽しめる。Photo by Ford Motor Company

中古で探すという選択肢はあるのか。

かつては正規輸入されていたモデルなので、日本の中古市場でも多くの個体を見つけることができるのがエクスプローラーの強み。他の並行輸入が中心となるアメリカンSUVよりは選択肢は多い。

気になるメインテナンスも、現在ではかつて正規輸入されたモデルであれば、フォードジャパンから事業を引き継いだPCI株式会社が運営するフォード・サービス・ポイントで可能なのもうれしい。さらに並行輸入でもアメリカ車を専門に扱っているショップであればメンテは可能だ。

日本市場から撤退したニュースのおかげでエクスプローラーの中古モデルは走行距離が少なくても比較的安い価格なので、ある意味狙い目ともいえる。年式が旧いモデルはさらに価格はこなれているが、そこは輸入車。信頼のできる専門店に頼りたい。

街乗りをメインとしたスタイルだが、デビュー当時から悪路走破性の高さも大事にしてきたエクスプローラー。アウトドアヴィークルとしてのポテンシャルも高く、趣味人たちにも愛されている。Photo by Ford Motor Company
この記事を書いた人
ラーメン小池
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ラーメン小池

アメリカンカルチャー仕事人

Lightning編集部、CLUTCH magazine編集部などを渡り歩いて雑誌編集者歴も30年近く。アメリカンカルチャーに精通し、渡米歴は100回以上。とくに旧きよきアメリカ文化が大好物。愛車はアメリカ旧車をこよなく愛し、洋服から雑貨にも食らいつくオールドアメリカンカルチャー評論家。
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