’80〜’90年代の軍モノも多くのレアピースが存在。
’90年代のヴィンテージブーム時は、第二次大戦から’50年代にかけてのミリタリーが人気の中心だった。その後、ベトナム戦争時のアイテムもジワジワと上がり、ここ数年で高騰。そしてECWCSが採用された’80年代後半のミリタリーもレギュラーから格上げ。そんな今の市場の動向をミスタークリーンの栗原さんに聞く。
「’80〜’90年代頃の古着は、レギュラーの印象が強いと思いますが、かれこれ30〜40年経っていて、もう立派なヴィンテージになった印象です。
近年は’60年代のベイカーパンツやジャングルファティーグなどが高騰し、それに伴って、より旧い’40〜’50年代のものの価値や人気が上がっています。特にヘリンボーンツイルは、この時代のアイコンになっていますね。
一方で狙い目は’80〜’90s。この時代でもテストサンプルが散見でき、おもしろいものが多いんです。ここらへんを探すのも一興ですよ」
今、旬なミリタリープロダクツ3選。
USMC P-47
’50年代まで使われていたHBTを用いたUSMCのジャケットP47。P41とデザインが酷似しているが、ポケットの形で判別することが可能。ジャケットだけでなく、パンツの人気も高い。5万5000円
U.S. ARMY M-1951
朝鮮戦争時に投入されたM-51シリーズのフィールドパンツも人気が上昇。いわゆるカーゴパンツの元祖的な存在であり、コットン100%の生地が人気。デッドストック。4万9500円
コットン100%のベイカーパンツ
近年もっとも人気が上がっていると言っても過言ではないベイカーパンツ。こちらは民生品のため、バックポケットに13スタートボタン。コットン100%の需要が高い。1万3200円
今後、値上がり必至!? の注目株4選。
ECWゴアテックスパーカ テストサンプル
’80年代にテストサンプルとして作られたゴアテックスパーカーは、ウッドランドカモながらもミルスペックとは色のトーンが異なるのがおもしろい。RAVEN社のタグが付く。参考商品
ECWのパイルライナー
このパイルライナーは、ゴアテックスパーカーのレイヤーとして支給されたもの。下は希少なテストサンプルであり、上のブラック×ブラウンのものが正式採用された。下は参考商品。8800円
ALPHA INDUSTRIESのMA-1
コントラクターとしても米軍に支給していたアルファのMA-1は、今後注目の存在。特にメイドインUSAで良いカラーでLサイズ以上のものは相場が上がる可能性も大いにある。1万1000円
U.S. AIR FORCE CWU-9/P ライナージャケット
CWU-7/Pジャケットのライナーとして60年代から支給されていた。ライナーながらも1枚で着ることができ、密かに人気を集めている注目作。胸ポケットのみのシンプルさ。1万1000円
【DATA】
ミスタークリーン
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TEL090-2206-1755
営業/12:00~19:00
休み/月曜
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※情報は取材当時のものです。
(出典/「Lightning 2024年1月号 Vol.357」)
Text/S.Sato 佐藤周平 Photo/N.Hidaka 日高奈々子