下町ロケットの舞台になった大田区の町工場の一角にある、小さなコーヒー店。

  • 2024.03.04  2024.02.25

下町ロケットの舞台にもまった大田区の町工場の一角。シャッターの施工会社である丸和工業の工場を改装してスタートした「バックルコーヒー」。職人気質の強いこのエリアで、あえて店舗らしい構えをしなかったコーヒースタンドと焙煎所が併設されており、スペシャルティにこだわった美味しいコーヒーが話題になっている。

スペシャルティコーヒーを身近なものにするために。

シャッター施工会社である丸和工業の工場内にバックルコーヒーがある。赤いノボリが目印

はじめてバックルコーヒーを訪れる人は、その場所を見逃してしまうかもしれない。コーヒー店らしい外観ではなく、あるのは工場のガレージと丸和工業という会社名。そこにコーヒースタンドと焙煎所が併設される。

シャッター工場内に併設された焙煎施設だが、今はむしろコーヒ事業がメインに。この天井の高さは焙煎機を置くのにうってつけだ

代表の石山さんの父が経営しているシャッター施工を請け負う丸和工業内のバックルコーヒー事業部という位置づけだ。あえて店舗らしい構えをしなかったのは代表・石山さんならではの戦略がある。

「資金も限られているので環境にリソースをかけるのではなく、美味しいコーヒーをつくることだけにフォーカスしたかったんです」

町工場のよいところは、焙煎の煙が気にならないこと。倉庫の天井は高く、匂いも上に逃げてくれる

石山さんのスペシャルティコーヒーに対する想いは深い。店をスタートするために東ティモールの農園に滞在したこともある。

「厳選して取り寄せた豆を幾度もテストします。商品化するまで短くても1カ月。毎日理科実験をしている感覚です」

テイクアウトは、焙煎士兼バリスタの佐藤さんが丁寧にドリップしてくれる。もちろん豆販売も展開。味の違いが顕著なシングルオリジン同士の飲み比べセットもおすすめ

美味しいコーヒーとは、ポジティブな驚きが与えられるもの。近隣にはそんなコーヒーに触れられる場所はまだ少ない。

「スペシャルティコーヒーを身近なものにする」ための妥協のない職人気質。それは町工場特有のものかもしれない。

不良な豆を取り除くハンドピックは美味しいコーヒーをつくるために欠かせない作業。焙煎の前後に幾度も繰り返す
焙煎機のメインはフジローヤルの1kg釜、テスト用焙煎にはフジローヤルのコーヒーディスカバリーを使用。今後もっと大きな焙煎機導入も視野に入れている

人気のコーヒー豆を紹介!

[豆の種類]
シングルオリジン 7種類
ブレンド 1種類
コーヒー豆の特徴を分類化し、幅広い層に届くラインナップに

[抽出方法]
ペーパー

[焙煎機]
フジローヤル/半熱風式/1kg
コーヒーディスカバリー/半熱風式/250g

【ブレンド】バックルブレンド

バックルコーヒーの定番。コーヒー3大大陸を代表する銘柄を贅沢にブレンド。重厚感のあるコクに加え、ホットコーヒーが冷めるに従い黒糖のような甘味が強くなっていく。

100g980円~
産地:ルワンダ、パプア、エルサルバトル、他
焙煎:ハイ
精製方法:ウォッシュト
香り:ナッツ風味
酸味:ほんのり
コク:強め
後味:長く続く

【シングルオリジン】レティホ

中深煎りにすることでダークチョコレートのようなほろ苦で上品なコクを楽しむことができる。乾燥工程を徹底コントロールさせたことで、品質が昨年よりアップした。

100g980円~
産地:東ティモール
焙煎:シティ
精製方法:ウォッシュト
香り:ナッツ風味
酸味:ほんのり
コク:強め
後味:ダークチョコ

DATA
BUCKLE COFFEE(バックルコーヒー)
住所:東京都大田区東六郷2-4-14
連絡先:TEL03-3731-1515
営業時間:8:0017:00
定休日:水・木曜
駐車場:なし
公式HPhttps://www.bucklecoffee.jp/
SNS
Instagram@bucklecoffee、Facebook@bucklecoffee
席数:なし
ホールセール:あり
豆販売:あり
豆通販:あり
テイクアウト:あり
デカフェ:なし
ドリップバッグ:あり
セミナー:あり(少人数制)
器具販売:あり

※情報は取材当時のものです。現在取り扱っていない場合があります。

(出典/別冊Lightning Vol.215「東京コーヒーロースターズ」

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