【東京横丁酒場ガイド】まるよし(赤羽)|一人客にとことん優しいメニューの構成が光る。

  • 2023.09.12  2023.09.01

”せんべろ”や”ハシゴ酒””ネオ大衆酒場”などが昭和時代を知らない若者の間で流行っている今、「安くて旨い」横丁酒場が人気を集めている。横丁酒場に限らないかもしれないが、歴史が長くなればなるほど「物語」が生まれる。それを肴に飲む一杯は格別だ。赤羽の老舗店であり、まさに”せんべろ”を体現した「まるよし」にはどんな物語があるのだろうか。

千円あれば美味しい酒と肴が楽しめる店。

1952年創業の老舗だが、2017年7月末にリニューアルオープン。黄色い看板が目印である

赤羽駅の目の前にあって、昼から営業しているので、まずは寄ってしまう店。せんべろの殿堂赤羽であちこち飲み歩こうと意気込んでも、今宵はここだけでOK牧場――と沈没すること度々だ。

自慢のもつ焼きは大体90円、ウインナーに至っては60円、単品も最安の味噌きゅうりは150円と、懐にこんなに優しい店もない。むろんメニューには煮込みや串揚げもある。ここで絶対に注文すべきなのは、小皿で220円のキャベ玉。文字通り、キャベツと卵を塩味で炒めただけの朝飯ライクな品だが、モツや揚げ物の格好の口直しとなる。だから、常連はひとりでも360円で大皿を頼むのだ。

下町固有の色つき焼酎ハイボールと区別するため、一般的な酎ハイを「チュータン」と呼ぶのもこちらならでは。強炭酸の爽快な飲み心地に、つい昼下がりからでき上がってしまった……

リニューアルしたのちは、店内も俄然明るい雰囲気となった。改装後は酒類も増え、竹鶴やバカルディのモヒートも置く

「まるよし」の常連メニュー。

朝食でトーストとともに食べても合いそうな、キャベツを炒めて玉子で綴じ、塩胡椒したもの。お酒がどんどんすすむ。

DATA
まるよし
東京都北区赤羽1-2-4
TEL03-3901-8859
営業/14時~22
休み/日曜

※値段など情報は取材当時のものです。現在取り扱っていない場合があります。

(出典/別冊Lightning Vol.209TOKYOノスタルジック横丁」)

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