今も昔も憧れのクルマ、ワーゲンバスに乗ってキャンプへ行きたい!

キャンプシーンで映えるクルマといえば、空冷フォルクスワーゲンのタイプ2をおいてほかにはないだろう。価格高騰が続いていたが、近頃は価格の上昇幅も落ち着いている状況だ。ここではアーリーとレイトの2台のワーゲンバスの魅力を紹介。乗るならどっちのバスにする?

フェイスの可愛いアーリーと、アウトドアでも安心の高性能レイト。

アウトドアに使うクルマなら、ひと昔前ならステーションワゴン、今ならSUVが定番だ。最近では四駆なんて呼ばれていた日産のテラノやサファリ、三菱のパジェロといった’80年代後半から’90年代のクルマも注目を集めている。

その中でも、キング・オブ・アウトドアビークルとでも呼びたくなるのがフォルクスワーゲン タイプ2だ。特にキャンプを楽しんでいる人は、一度は本気で購入を考えたことがあるんじゃないかな。

通称ワーゲンバスと呼ばれるタイプ2は、大きく分けて前期型のアーリーと後期型のレイトが存在する。それぞれアーリーバスやレイトバスなんて呼ばれたりもしている。

どちらもファンが存在しているけど、広く一般的に人気なのがアーリー。近頃のオラオラした新型車とは対極にある、癒し系フェイスの可愛いクルマなのだ。

ここ数年、高騰化が続いていたが、近頃価格も落ち着き気味。探せば300万円台で手に入れられる個体もある。だけど注意してほしいのは、アーリーとレイトでは明確に性能の差があるってこと。アウトドア用品を沢山積んで、海へ山へと遊びにいくようなスタイルならレイトの方が安心できる。

「じゃあアーリーはダメなのか」と諦めるのはちょっと待った! 空冷VWの場合、リプロを中心にパーツの入手も用意だし、日本には空冷VW専門店やパーツショップも多数存在している。そしてクーラーや燃焼式ヒーターなど、快適な装備も後付け可能。もちろんETCやカーオーディオだってオッケーだ。あと必要なのはクルマを愛する心だけ。イマドキの国産SUVのように乗りっぱなしではなく、タイプ2そのものが趣味といえるくらい愛情を注げば(人はそれを沼というが)きっと大丈夫! ……なハズ。

写真は埼玉県三郷市のカリフォルニアモーターズのアーリーバス。残念ながらソールドアウトだが随時タイプ2は入荷しているので、ぜひ一度生で見てほしい。その時、ピンとくるものがあれば、それは恋に落ちた瞬間。それなら肩までどっぷりと沼に浸かるのも悪くないはずだ。

アーリーとレイトどちらを選ぶ?

どちらも魅力のあるアーリーとレイトの2つのワーゲンバス。そこでこの2 台を見比べてみることにした。アーリーの方は人気のスタイルにカスタムされおり、それに対してレイトはノーマルに近い形で仕上げられている。外装や内装は正直好み! 気に入らないところは自分で仕上げるのが正解。それが旧車を趣味にするってことなのだ。

塗装やクリアの剥げなど、経年によりいい雰囲気にヤレたアーリーバス。こちらの個体はローダウンされているのが特徴。とはいえペッタリと地面に着地している状態ではないので、市街を走行していて苦労することはない。乗り味も突き上げなどなく違和感はない。

ヴィンテージ感溢れるスチール製のダッシュ周り。ドアパネルのウッドは前オーナーが仕上げた物。スピーカーも装着されている。

2列目のシートが取り外してあるため、このように自転車も積むことができる。観音開きのため積載物の積み下ろしも簡単に行える。

サファリウインドウにカスタムされており、写真のように跳ね上げて使用することができる。晴れた日はこれで走ると気持ちがいい。

タイプ2がサーファーに愛される理由のひとつが積載性の良さ。長いボードもリアゲートを跳ね上げるだけでスムーズに積むことができる。

両サイドはポップアウトウインドになっている。開けておくと走行時に外気が入ってくるので、初夏の気温程度なら快適にドライブできる。

シンプルで広々とした室内。リアの荷台の上にある小さな樽はスピーカー。自分好みに仕上げることができるのもタイプ2の魅力だ。

アーリーに負けず劣らずファニーフェイスな後期型。湾曲した一体成型のフロントウインドシールドや、サイドの窓もアーリーに比べて大型化しているのがわかるだろう。こちらはノーマルの車高となっている。378万円 問/カリフォルニアモーターズ TEL048-954-9495

シボ感のある黒い樹脂製のダッシュボード。3連メーターは左が燃料計と各種警告灯、中央がスピード、左がブランクでカバーがされる。

3列シートだが、2列目のシートを取り外してシートアレンジも可能。またこの個体にはウインド用のカーテンが取り付けられている。

当時のオプションであるクーラーがこの個体には装着されていた。パッセンジャーにとってありがたい装備のひとつ。快適な旅が楽しめる。

アーリーに比べて大型化したサイドウインド。それぞれポップアウトウインドが付いているので、走行時に室内の熱気を逃すことができる。

趣味と実用のどちらをとるか。

アーリーとレイトを乗り比べてみると、アーリーは「これぞ旧車!」といったプリミティブな乗り味で、街中での走行はまだしも高速道路はちょっとキツいと感じた。それに対し、レイトは現代的。目的地まで荷物を運ぶためのビークルとして使うなら、趣味性と実用性のバランスが取れているレイトの方を自分なら選ぶ。

【DATA】
カリフォルニアモーターズ
埼玉県三郷市幸房480
048-954-9495
営業/10:00〜20:00(日〜木)、10:00〜22:00(金土、祝日前)
休み/火曜(祝日の場合営業)
https://california-motors.jp/

※情報は取材当時のものです。

(出典/「Lightning2023年6月号 Vol.350」)

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