知る人ぞ知る愛知の隠れたアメリカ。WORK&MOTORCYCLEの求道者。

まるでアメリカの片田舎にありそうなドライグッズストア。ここは元バイクビルダーでワークウエアコレクターである各務英人さんがオーナーを務める知る人ぞ知る愛知の名店である。そこにはワークウエアはもちろん、貴重なアドバタイジンググッズなど数々のお宝が販売されていた。

全国のヴィンテージコレクターを虜にする、圧巻のラインナップ。

「BH HOLLYWOOD&KNOCK ON WOOD」オーナー・各務英人さん|1971年生まれ。愛知県名古屋市出身。リーのコレクターとしても有名。ワークとバイクカルチャーに熟知する名物オーナーでファンも多い

愛知のファッションエリアからかなり離れた知多半島の半田に店舗を構えるBHハリウッド。オーナーの各務さんが、’98年にヴィンテージバイクを中心としたカスタムショップからスタートし、大のアメリカ好きであったことからライダースジャケットやTシャツなども扱うことになった。

怪我を理由にバイクのカスタムを止め、自身の追い求めている旧きよきアメリカのワークウエアを中心としたヴィンテージや雑貨、そして現存するアメリカブランドを集めたノックオンウッドジェネラルストアを15年ほど前にオープンした。そのため同じ店舗であるが、2つのショップ名を掲げているのだ

そのラインナップは正に圧巻で、全国から希少なヴィンテージを求めてコレクターたちが訪れるクオリティとなっている。その一方で厳選されたグッドレギュラーの古着や手の出しやすい価格帯のアンティーク雑貨、そしてアメリカから買い付けてきた現地ショップのスーベニアTなど、バラエティに富んだセレクト。

あまりの濃さに数時間は潰せてしまうので、時間に余裕を持って来店することをオススメしたい。

店内にはワークを中心としたヴィンテージクロージングからアドバタイジングもの、ネイティブアメリカンメイドの小物までバラエティに富んでいる
もともとバイカーズショップだったので、ライダースも充実しているので隈なくチェックしたい

希少なアドバタイジングものが惜しみなく販売されている。

各務さんがヴィンテージのアドバタイジングを追求するきっかけとなったキャッツポウ。ほとんどが売り物なのがびっくりである。

これだけキャッツポウのアドバタイジングが揃っているのは、世界広しともここだけだろう。コンディションもよく、安心できる。

リーのコレクターなので、店内には希少なバディ・リーなどがディスプレイされている。売り物と非売品が混ざっているので要確認。

スペシャルなインダストリアルファニチャーのセールスマンサンプルは’20s。バディ・リーが座れそうなサイズ感。8万8000円

日本だとルートビア=A&Wのイメージだが、このメーカーも有名。当時のアドバタイジングで、すべて売り物となっている。すごい品揃え。

調味料などが入っていた金属製のパッケージもすべてヴィンテージ。様々なデザインがあるので、直感だけで選んでみるのもおもしろいはず。

各務さんのコレクションのリーのセールスマンサンプルとバディ・リーの服。近年はかなり価格が上がっており、コレクターズアイテムに。

アメリカで買い付けてきたスーベニアTシャツ。個人オーナーのローカルなレストランやショップなど、なかなか日本では手にできないものが多数あった。各5500円

アメリカを代表するデニムメーカーであるリーが食品などを取り扱っていた時代の貴重なパッケージなども販売されている。下のバディ・リーも売り物というから驚きだ。

メイドインUSAを貫く骨太なバイカーズギアが揃う。

各務さんがカスタムショップを営んでいた頃から取り扱っているラングリッツレザーズは、新品はもちろんのこと、希少なヴィンテージも並び、圧倒的なラインナップである。

アメリカを代表するワークブーツメーカーであるウエスコも扱っており、カスタムオーダーすることが可能。ディスプレイされているのは、エイジングサンプルとなっている。

戦後からアメリカンバイカーたちのお守りとなっているラビットフットは、すべてヴィンテージ。ディスプレイされている什器は、オリジナルで制作したというからおもしろい。

ラングリッツレザーズのブランド名になってから最初期となるグリーンタグの付いた’50sのヴィンテージ。当時のカスタムオーダーでホースハイドを使ったレディースモデル。33万円

ラングリッツレザーズの大定番であるコロンビアは、当時のレディメイド。コンディションもよく、当時のレザーの良さを体感できる。タグから1960年代だと推測。19万8000円

ラングリッツレザーズは、現行も扱っており、カスタムオーダーすることも可能。これは名作コロンビアのコサックカラー仕様となっている。39万500円〜

【DATA】
BH HOLLYWOOD&KNOCK ON WOOD
愛知県半田市青山4-21-13
TEL0569-26-6800
営業/13:00〜19:00
休み/火曜
http://blog.livedoor.jp/knock_on_wood/
Instagram @ knockonwood98

※情報は取材当時のものです。

(出典/「Lightning2023年5月号 Vol.349」)

この記事を書いた人
Lightning 編集部
この記事を書いた人

Lightning 編集部

アメリカンカルチャーマガジン

ファッション、クルマ、遊びなど、こだわる大人たちに向けたアメリカンカルチャーマガジン。縦横無尽なアンテナでピックアップしたスタイルを、遊び心あるページでお届けする。
SHARE:

Pick Up おすすめ記事

グラブレザーと、街を歩く。グラブメーカーが作るバッグブランドに注目だ

  • 2025.11.14

野球グローブのOEMメーカーでもあるバッグブランドTRION(トライオン)。グローブづくりで培った革の知見と技術を核に、バッグ業界の常識にとらわれないものづくりを貫く。定番の「PANEL」シリーズは、プロ用グラブの製造過程で生じる、耐久性と柔軟性を兼ね備えたグラブレザーの余り革をアップサイクルし、パ...

2025年秋冬、「ジェラード」から厳選されたヴィンテージモチーフが息づく至高のコレクションが到来!!

  • 2025.12.12

2025年秋冬、ジェラードらしいネイティブアメリカン、ミリタリー、クラシックなワークウエアなど、厳選されたヴィンテージモチーフが息づく至高のコレクションが到来。Lightningがその中からおすすめアイテムを厳選して紹介する。 Salem Coat [Lot No_AG12420] 6年ぶりのリリー...

今こそマスターすべきは“重ねる”技! 「ライディングハイ」が提案するレイヤードスタイル

  • 2025.11.16

「神は細部に宿る」。細かい部分にこだわることで全体の完成度が高まるという意の格言である。糸や編み機だけでなく、綿から製作する「ライディングハイ」のプロダクトはまさにそれだ。そして、細部にまで気を配らなければならないのは、モノづくりだけではなく装いにおいても同じ。メガネと帽子を身につけることで顔周りの...

時計とベルト、組み合わせの美学。どんなコンビネーションがカッコいいか紹介します!

  • 2025.11.21

服を着る=装うことにおいて、“何を着るか”も大切だが、それ以上に重要なのが、“どのように着るか”だ。最高級のプロダクトを身につけてもほかとのバランスが悪ければ、それは実に滑稽に映ってしまう。逆に言えば、うまく組み合わせることができれば、単なる足し算ではなく、掛け算となって魅力は倍増する。それは腕時計...

上野・アメ横の老舗、中田商店のオリジナル革ジャン「モーガン・メンフィスベル」の凄み。

  • 2025.12.04

ミリタリーの老舗、中田商店が手掛けるオリジナルブランド、「MORGAN MEMPHIS BELLE(モーガン・メンフィスベル)」。その新作の情報が届いたぞ。定番のアメリカ軍のフライトジャケットから、ユーロミリタリーまで、レザーラバー垂涎のモデルをラインナップしているのだ。今回は、そんな新作を見ていこ...

Pick Up おすすめ記事

時計とベルト、組み合わせの美学。どんなコンビネーションがカッコいいか紹介します!

  • 2025.11.21

服を着る=装うことにおいて、“何を着るか”も大切だが、それ以上に重要なのが、“どのように着るか”だ。最高級のプロダクトを身につけてもほかとのバランスが悪ければ、それは実に滑稽に映ってしまう。逆に言えば、うまく組み合わせることができれば、単なる足し算ではなく、掛け算となって魅力は倍増する。それは腕時計...

スペイン発のレザーブランドが日本初上陸! 機能性、コスパ、見た目のすべてを兼ね備えた品格漂うレザーバッグに注目だ

  • 2025.11.14

2018年にスペイン南部に位置する自然豊かな都市・ムルシアにて創業した気鋭のレザーブランド「ゾイ エスパーニャ」。彼らの創る上質なレザープロダクトは、スペインらしい軽快さとファクトリーブランドらしい質実剛健を兼ね備えている。 日々の生活に寄り添う確かなる存在感 服好きがバッグに求めるものとは何か。機...

【連載】ビートルズのことを考えない日は一日もなかった

  • 2024.02.05

80年代、私的ビートルズ物語。 ビートルズ研究と収集に勤しむビートルデイズを始めて早44年(Since1980)。 なにをするにもビートルズが基準だった『昭和40年男』編集長のビートルズ史を、 当時の出来事とともに振り返ります。

この冬買うべきは、主役になるピーコートとアウターの影の立役者インナースウェット、この2つ。

  • 2025.11.15

冬の主役と言えばヘビーアウター。クラシックなピーコートがあればそれだけで様になる。そしてどんなアウターをも引き立ててくれるインナースウェット、これは必需品。この2つさえあれば今年の冬は着回しがずっと楽しく、幅広くなるはずだ。この冬をともに過ごす相棒選びの参考になれば、これ幸い。 「Golden Be...

今こそマスターすべきは“重ねる”技! 「ライディングハイ」が提案するレイヤードスタイル

  • 2025.11.16

「神は細部に宿る」。細かい部分にこだわることで全体の完成度が高まるという意の格言である。糸や編み機だけでなく、綿から製作する「ライディングハイ」のプロダクトはまさにそれだ。そして、細部にまで気を配らなければならないのは、モノづくりだけではなく装いにおいても同じ。メガネと帽子を身につけることで顔周りの...