アメリカ西海岸最大のフリマに潜入! 毎月第2日曜日はローズボウルに集合!

「旧いモノはカッコいい!」と叫ばれる時代になって、フリーマーケットは存在感を高めている。カリフォルニア州パサデナにあるザ・ローズボウル・アメリカズ・スタジアムの周囲の敷地で、月に1回開催されるローズボウル・フリーマーケットは出店者数は2500以上というメガサイズ。インテリア雑貨、ファッション雑貨、古着、軍モノ……とにかく多彩な品々が揃う。コロナ禍後、再開してからは、とにかく大賑わい。編集部もその熱気を体感しに、3年ぶりのローズボウル訪問を果たした。いやぁ、アメリカで一番楽しいところだな。

古着屋さんの仕入れは夜明け前から。

来場者は見るからに古着好き、ヴィンテージ好きといった感じじゃない。街ですれ違う「普通の人々」が大多数。それだけフリーマーケットがカルチャーとして浸透しているのだ。老いも若きも、日曜レジャー目的の人も本気の買い付け人も、観光客だって多い

ローズボウルの朝は早い。早朝5時からスタート。夜は明けていない。但し、このフリマ、一般客は9時から。それ以前は高いチケット代金を支払うプロ向けの時間。

プロとは仕入れ目的の人たちで、日本からの古着バイヤーも多数訪れる。プロにとっては競争の場だから、懐中電灯を持って戦闘モードだ。彼らが古着市場を育ててきた歴史がある。ここでの人気アイテムが街のブームを作り、ここでの仕入れ価格が相場を成す。

ドッサリ積まれた古着の山から楽しそうにお宝を探す人々。ローズボウルではお馴染みの光景だ。若者の古着ブームのおかげで、ますます増加中の古着バイヤー、目の奥は笑っていないぜ

「最近、ヴィンテージ古着が値上がりしてるよね」って話の裏には、ローズボウルの存在がある。それを踏まえてローズボウルに行けば、思わぬお買い得品を見つけたときの喜びもひとしお。ますます楽しめるというものだ。

立って覗き込んでいるだけじゃ山の底は探せない。人だかりが多いところには必ずお買い得品があると思って間違いなし。「ハウマッチ?」が飛び交う
朝早ければ早いほど、本気の買い付け人が多いが、昼に近づくにつれ、のんびりムードに変わる。早朝は殺気立っているので、こんな画は撮れない
ローズボウルは50周年アニバーサリー。シルバージュエリーを中心に昔から出店しているマークさんはローズボウルでは馴染みの顔。現在、本気の商談中
ロサンジェルス市内のショッピングモールよりも賑わっている。理由は簡単で、ローズボウルが楽しいところだから。ついつい財布のヒモが緩んじゃう
WW2に活躍したUSNのN-1デッキジャケットは世界中で大人気のヴィンテージアイテム。時代やコントラクターが違えばディテールも変わる。カラーのカラーが違うから~
オーナーが最近まで着ていたという、超絶コンディションのスポーツジャケット。「バイクに乗るときに着ていたんだよ」という、ムートン襟仕様は’40s ~’50sのお宝ピースだった
ハイスクールのブラスバンドで揃えたユニフォームジャケットだろうか。おそらく1930年代のもの。そんなに旧くてもコンディションはいい
ローズボウルが古着市場に与える影響は絶大。カスタム刺繍入りのファラオジャケットやスタジャンの価格高騰は顕著。ますます値上がりしそうなジャケットの群れ。この一塊で新車が買える
スウェットの値段が上がっている。こちら、’80年代前後のラッセル・アスレチック製。オーソドックスとも言えそうなプリントだが人気は高い。マスタードも人気色なのだ
商品内容ごとに出店エリアが分かれているのだが、古着ディーラーが増え過ぎたせいか、その区分けも曖昧。各所でヴィンテージデニムに出逢える

リビングからガレージまで旧いモノに囲まれちゃう?

企業マスコットの雄、レディキロワット(右)にシボレーのボウタイロゴ(左)。アンティークアメリカーナ好きはゼッタイ好きな大型看板。ガレージにいかが?

旧いモノに囲まれた暮らしは素晴らしい。味わい深いアイテムに囲まれたいから、カリフォルニアのアメリカ人はローズボウルにやって来る。古着ほど高騰していないのもポイントだ。

我々日本人にとって、悩みの種は日本への輸送だ。しかし、諦めることなかれ。日本語対応可能な運送会社も会場内に出店しているし、よく調べれば帰りの飛行機で持ち帰れるモノも多い。編集部員も、かつてフリマで買った3メートル四方のカーペットや自転車も飛行機でハンドキャリーした経験がある。

手織りのペルシャ絨毯から、カジュアルなラグまで、敷物屋さんが多数出店している。「ロール状にしてラップすれば、大判サイズでも飛行機でも持ち帰れちゃった」と編集部体験者は語る

ネット時代だからこそ、ローズボウルは他人事ではなくなってきた。新しく家を建てる、お店を開店させる、ガレージを作る……。日本国内でインテリアを完結させるより、旅費や送料を入れてもローズボウルに行った方が安上がりになるかもしれない。何より、品定め自体が楽しいに決まっている。

「アメリカ人はいいな~」なんて指をくわえている場合じゃない! 訪れれば誰だって必ず欲しいモノに出逢える場所、それが西海岸最大、世界屈指のフリーマーケット、ローズボウルなのだ。

BRVARAGESって看板に書いてあるから飲み物が買えるって思うなかれ。じつはこの看板も売り物なのだ! 新しくお店をオープンさせたいって思っている人、安くてカッコいい什器が揃っちゃうかも
アイアン製のインダストリアルチェア。クルクル回して座面の高さ調節が可能。錆びている方が風合いがあるのかな? 重い分、安定感が高い。機械工のためのものだろうか。2脚で300ドル
インダストリアルのアイアンシェルフ。これはカッコよし。引き出しの開け閉めもスムーズで欲しかったけど、重すぎてこの日の取材に支障をきたすので泣く泣く断念した。300ドルは格安!

まだまだあります、気になったアイテム一挙紹介!

日本にもコレクターが多い、アンティークトイカー。今も昔もキッズは働くクルマが大好きだったのだろう、トラックが多い。

リアルミリタリーの担架。固定具もしっかり使えるコンディション……とは言え、担架は担架として以外の用途が見つけられないので、欲しかったけど購入を断念。275ドル

アンティークのステンレス製ティーポット他5点セット。北欧や英国でポピュラーとなったウッドハンドルデザイン。185ドル

アンティークのハンガー掛けや南京錠など、インテリア小物も探せばキリがない。金属の風合いはアンティークじゃないとね。まとめ買いでより安くしてもらうのがフリマ戦略。

塊根植物の鉢植えブームは日本だけじゃなかった。以前はローズボウルではあまり見かけなかった。植物は日本に持ち帰るのは簡単じゃないので注意が必要。検疫の対象だ。

アンティークのアウトドアフォールディングチェア。マリンカラーのストライプが美しいじゃないか! コットンの座面にウッドのフレーム。現代ではありそうで見つけられない逸品。

かつて、CLUB Lightningの一点ものフリマで編集部・松島が販売した蓄音機も、じつはココで購入したものだった。オーバーホール済みの良品が揃う。

【DATA】
ROSE BOWL FLEA MARKET
1001 Rose Bowl Dr Pasadena, CA
https://www.rgcshows.com/rose-bowl/
毎月第2日曜日開催
※入場料は入場する時刻によって異なります

※情報は取材当時のものです。

(出典/「Lightning2023年5月号 Vol.349」)

この記事を書いた人
松島親方
この記事を書いた人

松島親方

買い物番長

『Lightning』,『2nd』,『CLUTCH Magazine』男性スタイル&カルチャー誌の統括編集長。ロンドンのセレクトショップ「CLUTCH CAFE」のプロデューサーも務める。 物欲を満たすためには海をも越え、全地球規模で買い物を楽しんでいる。
SHARE:

Pick Up おすすめ記事

原毛から生地まで。一貫生産を守る英国生地の名門「ムーン」とは?

  • 2026.10.19

服を突き詰めていくと辿り着くのが生地。トラッド好きなら一度は耳にしたことがあるであろう英国の名門が「ムーン」だ。羊毛から紡績、染色、織布を一貫して行う英国最後の生地メーカーが誇る伝統のモノづくりに迫る。(写真は、生地の製造において重要な“織り”の工程。タテ糸とヨコ糸をゆっくりと交差させ、チェック柄が...

ヒートツイードとは? 軽くて薄くて暖かい、英国派に捧ぐ革命ツイード

  • 2026.10.26

〈トラディショナル ウェザーウェア〉が誇る人気シリーズ、ヒートツイード。英国ツイードのオーセンティックな雰囲気はそのままに、驚くほど軽く、保温性の高いオリジナル生地。一度味わうとやみつき間違いなし! 英国らしくも、軽くて暖かなツイード生地は現代的ヘビーデューティ素材の最適解である。 【コート】ブラン...

HISTORY OF B.V.D. 着心地を追求した150年

  • 2026.10.20

1876年、ニューヨークで誕生したB.V.D.。風を通すゆったりとした肌着から、水着、街や休日を彩るシャツまで。その歩みを貫くのは、日々を心地よく過ごすための工夫だ。時代ごとの広告や製品を手がかりに、着心地を追求してきた150年をたどる。 HISTORY OF B.V.D. 1876年 ニューヨーク...

東洋エンタープライズが手がける「ゴールド」。高品質な素材選びに一切の妥協なし。

  • 2026.10.20

1965年に創業した日本屈指の老舗メーカー東洋エンタープライズ社が手がける〈ゴールド〉。同社が得意とするヴィンテージへの膨大な知見と技術力の高さを活かしつつも上質にモダナイズしたものづくりに定評がある。着用時のシルエットはもちろん、高品質な素材選びに一切の妥協をしないこと。それこそがシンプルな服に深...

気鋭のアイウエアブランド「CUBITTS」が描く、クラシックとモダンの共鳴

  • 2026.10.19

18世紀から20世紀にかけて眼鏡産業の世界的な中心地であったものの戦後、衰退の一途を辿ったロンドン。この地で2013年に創業した「キュービッツ」は当時を彷彿とさせるクラシックスタイルをモダンに昇華させた独自の世界観を築く気鋭のブランドだ。 伝統と現代とを繋ぐアイウエアの研究所 「キュービッツ」は伝統...

Pick Up おすすめ記事

ガレージ、インテリア、リフォームまで! 趣味人のための、物件案内。

  • 2020.01.20

好きなものと暮らす、理想の城を手に入れよう。 家は、ただ暮らすためだけの場所じゃない。 どこに住むか、どんな空間にするか、そこで何を楽しむか。 ガレージハウスやアメリカンハウス、趣味部屋、インテリア、リノベーションまで、 「Lightning」ならではの視点で趣味人の理想の住まいを紹介する。

#PR

19世紀から英国紳士に愛され続ける世界最高峰のハンドメイド傘

  • 2026.10.19

年間を通じて降水頻度が高い英国において傘は必需品。ひいては英国紳士を象徴するプロダクトのひとつだ。その中でも、旧くから英国王室や上流階級の紳士たちに愛されてきたFOX UMBRELLAS(フォックス アンブレラズ)は最上級の存在である。 手作業から生まれる圧倒的な造形美 真のトラッド好きは服だけでな...

【連載】ビートルズのことを考えない日は一日もなかった

  • 2024.02.05

80年代、私的ビートルズ物語。 ビートルズ研究と収集に勤しむビートルデイズを始めて早44年(Since1980)。 なにをするにもビートルズが基準だった『昭和40年男』編集長のビートルズ史を、 当時の出来事とともに振り返ります。

気鋭のアイウエアブランド「CUBITTS」が描く、クラシックとモダンの共鳴

  • 2026.10.19

18世紀から20世紀にかけて眼鏡産業の世界的な中心地であったものの戦後、衰退の一途を辿ったロンドン。この地で2013年に創業した「キュービッツ」は当時を彷彿とさせるクラシックスタイルをモダンに昇華させた独自の世界観を築く気鋭のブランドだ。 伝統と現代とを繋ぐアイウエアの研究所 「キュービッツ」は伝統...

遊び心とヘビーデューティ! 「ジムマスター」のアウトドア&ミリタリー

  • 2026.10.18

ほどよく力の抜けたカジュアルウエアを展開するカナダ生まれの「ジムマスター」。その真骨頂は、実は骨太なアウトドア&ミリタリーにある。ヘビーデューティな機能美を日常着へと昇華させる秘訣は、「ジムマスター」らしいほんのすこしの遊び心! カラフルな配色の裏に確かな実用性あり! 【右】主役は厚手のボアジャケッ...