米軍制式コントラクターだけでなく、ファッションビジネスの世界にも進出。
アルファ インダストリーズの歴史は、’59年の米国テネシー州ノックスビルから始まる。当時の米国防総省は、軍用ジャケットの見直しをアルファ社に依頼。時はベトナム南北の対立と米軍のインドシナ半島への本格的な軍事介入(’55年11月から始まるベトナム戦争。’75年4月に終結を迎える)が始まろうとしていた時代。そんな時代背景の中でアルファ社が米軍に納入したジャケットは、高い品質と信頼のおける耐久性を持ち、気候条件や厳しい環境下でも耐える高い水準のウエアであった。
その後の’60年代以降、アルファ社は生産数でも他者を凌ぐ圧倒的な数量のウエアを米軍へ供給する為に事業を拡大。米陸軍が使用するMー65フォールドジャケット(’70年代半ばまで毎年55万着も製造)や、米空軍のパイロットが着用したMAー1、難燃素材を使用したCWUー36/Pなどのフライトジャケットを’80年代まで手がけていくことになる。
そして冷戦が終結した’90年代となるとアルファ社は転換期を迎える。米軍制式コントラクターだけでなく、ファッションビジネスの世界にも進出。軍用衣服の製造で培った技術力は、カジュアルウエアにも受け継がれていく。現在では高感度なファッションブランドがアルファ社に別注をかけ、MAー1やMー65といった、同社を代表する名作プロダクツのリミテッドモデルをリリースするなど、今もなお話題が尽きない
【注目アイテム①】MA-1 CORE SPEC|1960 年代納入時のMA-1 を彷彿。US サイズとリアルなディテールに注目!
USサイズで展開される本物と呼ぶに相応しいMA-1コアスペック。超軽量保温ライニングによる、着心地のよさと運動性、防寒・防風・耐久性に優れるヘビーナイロンツイルを使用。保温性を高めるジッパー内部の比翼や左袖にあるシガレットポケットなど、コントラクターを務めたアルファ社ならではの本物のディテールに注目。2万2000円
【注目アイテム②】CWU-45p CORE SPEC|タウンユースでの着こなしから、バイカーのライディングウエアにも最適なコアスペック。
MA-1の後継モデルとして、現在までアメリカ陸海空軍および海兵隊において制式採用されているフライトジャケット。 着丈が短く、丸みのある衿や左右の大きなフラップポケット、左腕のユーティリティポケットが特徴的なディテール。その高い機能性と完成度から、フライトジャケットファンに根強い人気を持つ一着である。2万4200円
【注目アイテム③】M-65 COAT|後のミリタリーウエアに今もなお強く影響を与えた傑作の一つ。
ユニセックスな人気を誇る米軍M-65パーカをベースにしたスタンドカラーコート。ナイロン混の生地を採用しており軽量で速乾性などの機能的で快適な素材感となっている。革ジャンやスウェット、ニットなど真冬の厚手アイテムとの組み合わせても動きやすい、オーバーサイズシルエットは日常で使いやすく重宝する。1万9800円
【注目アイテム④】N-3B NC CORE SPEC|アラスカなどの寒冷地で大活躍した、コットンボディのヘビーデューティ防寒服。
ミリタリー古着の市場に流通するヴィンテージアイテムの中では、希少性の高いコットンナイロン製を使用。ナイロン製の定番N-3Bをベースに、ネームなど1980年代の仕様を忠実に再現。ジッパーは高い位置まで上がり、内側がボアになったフェイクファー付の大きめフード、袖口内側のニットカフなど本物に忠実な、暖かさをキープするディテールを有する。3万4980円
【問い合わせ】
ALPHA INDUSTRIES[EDWIN]
http://www.alpha-usa.jp
(出典/「Lightning 2023年2月号 Vol.346」)
Text/A.Shirasawa 白澤亜動 Photo/A.Kuwayama 桑山章
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