あなたのアウターも、きっとミリタリー由来。
海軍の主戦場が海であることは万国共通。ずっと昔から変わらない。軍艦の甲板は、風や水しぶきを遮るものも少ないから、とにかく寒さが厳しいことは容易に想像がつく。そこで、古くから様々な防寒服が開発され、兵士たちの命を守ってきたのだ。その代表格がダッフルコートやピーコートなのだ。
ダッフルコートは英国海軍が採用した形で、手袋を装着したままでも前が開閉できるように、木のトグルボタンを麻紐に掛けて留める。本来の色はキャメルだった。ピーコートはアメリカ海軍に採用されたコートで、フロントはダブル。大型のボタンは、これも手袋をはめたままでも開閉できるよう考えられたものだ。大きな襟を立てれば、顔の周りも温かい。また、前の合わせは、左右どちらを上にしても着られる。風向きや船の進行方向によって前の合わせを変えることができるのだ。
じつは、ダウンジャケットもロシアの海兵が寒さを凌ぐために水鳥の羽を服の中に入れたことをヒントに、エディバウアーが水鳥のダウンを布で挟んだダウンジャケットを考案したという話を、アメリカ・シアトルのエディバウアー本社のアーカイブルームで説明してもらったことがある。
海軍ではないが、男女に大人気のトレンチコートも直訳すると塹壕外套。イギリス陸軍のコートに由来するし、ダブルの紺ブレも海軍のオフィサーコートが原点。現代のファッションにはミリタリー由来のアイテムがじつに多いのだ。
12月23日発売のCLUTCH Magazine2月号は「NAVY GARMENTS 強さと気品を兼ね備えたミリタリー」の特集。海軍由来の真冬のアウター特集。ぜひお手に取って楽しんでいただきたい。
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