1.ハイテク防水|各社の技術力の粋を集めた最新鋭の防水素材が揃い踏み!
アウトドアスポーツや野外活動におけるソリューションとして発展してきた、アパレルウエアの高機能素材。中でも最も人々に恩恵をもたらしたのが、雨から身を守る防水素材。旧くはオイルドコットンやロクヨンクロス、ゴム引きなど、先人たちは多種多様なアイディアで、悪天候の中での活動を可能にしてきた歴史がある。
そして1976年、雨風をハイレベルで防ぎながらも衣服内の湿気は外に発散するという画期的なテクノロジー、ゴアテックスが誕生。この世界初の防水透湿メンブレンの登場により、防水素材は一気にハイテク化。今やその技術は広く一般にも伝わり、各社それぞれがオリジナルシステム開発にしのぎを削っている。
そんな群雄割拠のハイテク防水素材界で、ひと際の存在感を放つアイテムを厳選紹介!
NORRØNA[ノローナ]|リーコンゴアテックスプロジャケット
防風・透湿性も満たす防水素材の代表格ゴアテックスを使用した、スカンジナビア3国の特殊部隊と共同開発した本格ミリタリージャケット。トレッキングから極地探検まで、あらゆるアウトドアスポーツに対応する1枚に。10万5600 円(フルマークス cs@full-marks.com)
GORE-TEX PRO [ゴアテックス プロ]
数あるゴアテックスシリーズの中でも最高峰のスペックを有する、まさにプロ仕様の最強防水マテリアル。特にタフネス性という点においては他を凌駕。極限の状況下の着用でも、長年に渡って保護性能を維持し続ける。
ARC’TERYX[アークテリクス]|ベータ LT ジャケット
機能性とデザイン性が高次元で融合したミニマルハードシェル。特に本作は、ゴアテックスがもたらす優れた防水透湿性に加え、耐久性や軽量性も備える、山岳アクティビティに必要なテクノロジーを網羅した名プロダクト。5万5000 円(アークテリクス カスタマーサポートセンター/アメア スポーツ ジャパン https://arcteryx.jp/)
GORE-TEX GARMENT [ゴアテックス ガーメント]
今や多くのブランドが独自のシステムを開発する防水透湿メンブレンにおけるパイオニア、ゴアテックス。ガーメントは数あるゴアテックスの中でも汎用性が高く、2.5層や3層などバリエーションが豊富にある基本素材。
2.レトロ耐水|最新の高機能素材に引けを取らない往年の耐水素材。
洋服の進化、素材の進化において「耐水・防水」というのは、過酷な自然に対峙した時に命を左右するほど重要な要素のひとつだ。そのため、生地にオイルを染み込ませる、異素材を組み合わせる、ゴムを挟むなど、昔からさまざまな方法が生み出されてきた。
こうした高機能素材の進化は毎年各メーカーが新しい素材を開発するなど年を追うごとにめざましいものがあるが、そんな開発競争が激しいなかで、数十年にわたって使い続けられているオールドスクールの耐水素材も多い。
最新素材ほど軽量で耐水性が高いワケではないが普段使いには十分だし、歴史が織りなす重厚な雰囲気も楽しみたいスタイル重視派なら1着は持っておくべし!
Barbour[バブアー]|トランスポート
動きやすいラグランスリーブ、ハンドウォーマーポケット、襟のチンフラップなど防水機能に加えて防風機能も備える。オイルの光沢がレザーのような高級感を演出する。5万600 円(バブアー パートナーズジャパンjapan.barbour.com)
WAXED COTTON[ワックスコットン]
目の細かいコットンにワックスを含浸させた撥水性・耐久性に優れた生地。’90年代に登場しカントリー&シティ両方に適したモデルとして人気に。
SIERRA DESIGNS[シエラデザインズ]|60/40 スイングトップ
表地に60/40クロスを使ったスウィングトップ。裏地はポリエステル100%のチェック生地。ポケットの形状など英国トラッドな雰囲気漂う1着。10月中旬発売予定3万5200 円(アリガインターナショナル TEL03-6659-4126)
60/40 Cloth[ロクヨン クロス]
縦糸に高強度のコットンを60%、横糸に高密度ナイロンを40%用いた比率からロクヨンクロス、通称ロクヨンと呼ばれる。1968年にシエラデザインズが開発。当時は撥水性と通気性が両立した画期的生地だった。
3.難燃素材|火を囲む時こそオシャレを楽しみたい!
最近のキャンプ人気に伴いギアの進化も著しい。特に焚き火関連は、ソロ用から薪ストーブまで実にバリエーション豊かだ。そんなキャンプ、焚き火需要を反映してか、近年、アパレル界でも「難燃素材」のアウターが次々にリリースされている。
かつて難燃素材というと分厚く硬いイメージだったが、最新の難燃素材は着心地もデザインも普通のアウターと遜色なし。キャンプサイトでオシャレに焚き火を楽しみたい人はぜひゲットすべし!
ただし、難燃素材は当然通常の生地よりは火に強いが、燃えないワケではなく、火がついても燃え広がらない素材なので、火の粉で穴が開くこともあるので、難燃素材だからといって油断は禁物だ。
norbit[ノービット]|フレイムリターダントデニムトグルカバーオール
カネカロンを使用した難燃加工デニム。焚き火を意識し、リベットやボタンなど金属パーツは見えない部分に使用。4万6200 円(ノービット TEL03-6709-8333)
KANECARON®[カネカロン]
アクリロニトリルと塩化ビニルの共重合によるアクリル系繊維。素材自体に難燃性を有し、洗濯によって劣化することがなく燃え上がらず自己消火する。
Marmot[マーモット]|バーナビーパルバッドパーカ
「モダクリル」という難燃繊維を使用。モデルは’90年代ベースキャンプ向けに人気だったパルバットパーカがベースに。5万5000 円(デサントジャパンお客様相談室 TEL0120-46-0310)
Hybrid FR[ハイブリッド エフアール]
生地の後処理加工ではなく「モタグリル」という特殊な難燃繊維を使用することで洗濯も可能。素材に着火しても炎への酸素供給を遮断し自己消火する。
4.保温素材|ダウンから化繊まで進化し続ける最新保温素材を網羅。
パフォーマンスの低下や怪我の原因となる体の冷えは、どんなスポーツにおいても大敵。特にそれが極地での活動を伴うアウトドアスポーツともなれば、生死にすら関わる大問題。そのため古来よりアウトドアメーカーは、如何に冒険者の体温を維持するかに情熱を注ぎ、日進月歩の進化を続けてきた。
例えばその1stチョイスであるダウンでは、弱点である耐水性を克服すべく、繊維自体に撥水加工を施した撥水ダウンなるものが誕生。その一方で、ダウンと同様のデッドエアを蓄えることで保温性を確保しつつ水にも強い、化学繊維のインサレーションも台頭。その選択肢は広がり続けている。ここでは日々進化し続ける保温素材の最新状況に注目だ!
mont-bell[モンベル]|プラズマ1000 ダウンジャケット
超軽量と耐久性を両立した極薄シェル素材を使用。さらにキルティングパターンから細かなディテールパーツまで徹底して軽量化を図った、ウルトラライト&コンパクトな秀逸作。2万7940 円(モンベル・カスタマー・サービス TEL06-6536-5740)
EX DOWN[イーエックスダウン]
多量のデッドエアを蓄える大きなダウンボールで、僅かな分量でも高い保温性を実現。世界最高品質の1000フィルパワーを誇る、ダウンインサレーション界のエポックメイキング。
O‐[オー]|スリーピーパーカ
米軍ECWCSのレベル7をベースに耐久撥水ナイロン生地を用いて製作。フードはスタンドカラーに収納可能。ジップポケット+ハンドウォーマーポケットで収納力も高水準。12万1000 円(オーバーリバー http://overriver.com/)
PRIMALOFT® SILVER[プリマロフトシルバー]
高保温性機能中綿の雄であるプリマロフトのラインナップの中でも、中上位クラスに位置。水に弱いダウンに比べ、濡れた際にも85%の保温性能を維持するという優れたユーティリティ性がアドバンテージ。
5.Way系|コーディネイトやシーンに応じて着方を変えられる。
例えば保温性抜群のコートは真冬にはありがたいが春先だともはや暑くて着られなかったりと、着られる時期が短いのが難点。それがお気に入りのデザインであればなおさらもったいない。
その難点を解消してくれるのが、インナーや袖などが着脱できるタイプだ。しかも、アウターだけでなく、着脱したインナーのダウンやベストがそれ単体でも着られるようなオシャレなデザインであれば、季節によるレイヤードだけでなく、シーンやコーディネイトに合わせて何通りもの着方が楽しめる万能アイテムとなる。
そんな機能に加えてオシャレも楽しみたいという欲張りなアナタにおすすめなのが1枚で何枚にもなる「WAY系」だ。
DESCENTE ALLTERRAIN[デサント オルテライン]|マルチフェリアス 5WAYオールウェザーコート
高機能素材DERMIZAX® DWR TUSSAH 3Lを表地に使ったアウターシェルに取り外し可能で単体で着用可能なダウンベストが付く。7万4800 円(デサントブラン代官山 TEL03-6416-5989)
BEAMS[ビームス]|3WAY M65 BDU ブルゾン
オリジナルのBDUブルゾンを踏襲しながら、着丈が短いルーズシルエット、裾が長めの着脱式キルトライナーでアレンジをプラス。3万3000 円(ビームス 原宿 TEL03-3470-3947)
6.多ポケット|収納力だけでなく遊び心を演出するアクセントにも!
出かける時はなるべく手ぶらでという人はこちらの多ポケットシリーズで決まりだ。ミリタリー系の実物から着想を得てアレンジされたモノが多く、なかには2泊3日程度の旅行ならカバンなしでもいけるのではと思えるほどの収納力を持つモノも。こうした多ポケットウエアがあれば、出先で買い物をした時にも重宝すること間違いなし。
一方で実用的なものだけでなく「デザイン」の一部としてポケットがたくさんついているモノも最近は多く見られる。ポケットがたくさんついていると見た目のインパクトが大きいので、個性を主張したい、または夢をたくさん詰め込みたいというロマンチストにもオススメかもよ。
SOUTH2 WEST8[サウス2 ウエスト8]|マルチポケットジップ°ドダウンジャケット
フロント、バック、スリーブに合計28個ものポケットを搭載。さらに小物やギア類のハンギングに便利な三角カンも16個備えるなど充実の収納力を誇る。10万4500 円(サウス2 ウエスト8 TEL011-280-7577)
GENERAL RESEARCH PARASITE FOR IS-NESS[ジェネラルリサーチ パラサイト フォー イズネス]|パラサイトジャケット
多数のポケットが洋服に寄生するその名も “パラサイト” コレクションで1998年にジェネラルリサーチのパフジャケットをイズネス流にリデザイン。5万8300 円(アルファPR TEL03-5413-3546)
※情報は取材当時のものです。
(出典/「Lightning2022年11月号 Vol.343」)
Text/S.Yamamoto 山本サトシ、M.Terano 寺野正樹 Photo/A.Kuwayama 桑山章 Styling/T.Nakajima 中島貴大
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