久保哲也さん、睦さん
店を開けるのは毎週土曜日のみ。プロダクトデザイナーの久保さんとグラフィックデザイナーの奥さまが毎週店頭に立ち、素材のストーリーを聞かせてくれる。
廃材を売りたい人と欲しい人を繋げるコディネーターになりたい。
福岡県・糸島はいま、密かに若者が集まる人気エリア。その先の西浦岬に向かってクルマを走らせると小さな港町に入る。マテリアルマーケットはこの町にある。
直訳すると「素材の市場」という名の通り、工場や工房などモノ作りの現場から出た廃材や端材、デッドストックを集めたセレクトショップで、普段我々が目にすることがない珍しいものを廃材ではなく“素材”として販売している。
マテリアルマーケットは福岡市が行った産学官民のプロジェクトをベースに、福岡を拠点にするクリエイターたちが起ち上げた。
「隠れた資源をデザインする」をテーマにしたことで廃材や端材について知ったそうだ。
久保さんいわく、「プロジェクトは終了したのですが、リサーチをするといろいろなものが廃棄されている。そんな廃材などを集めてイベントに出展したりしていました。この店をオープンしたのが2年前です」
イベントに出展すると横のつながりができて、どこどこにこんな廃材があるといった情報が得られる。そして実際に足を運び、素材について話を聞き、同じことをお客さんにもストーリーとして話すそうだ。お客さんと会話することで、自分たちが想定していなかった使い方を教えてもらったり、その情報を次のお客さんに伝えていたりすることもあるという。
「私たちはモノ作りに携わるデザイナーでもあります。まず第一段階として廃材を素材として扱うようにしたい。次に廃材が出ないモノ作りやデザインをする。そして廃材が出てしまうモノ作りになったとき、マテリアルマーケットがその廃材を買い取るという仕組みを作りたいんです。店も全国の人たちにやって欲しいです」
実はコレが売れているんです。
糸巻きコーン
糸が巻かれていた紙の芯。実はこれが一番売れているのだとか。一輪差しにしてもいいし、腕時計やバングルなどのアクセサリーをディスプレイしてもおしゃれ。110円
ヒノキコマ
ヒノキの枝から作られたものです、家具などの節埋め材として使われるコマ。ヒノキの香りが漂い芳香剤として置いておくだけでもいい。お風呂に入れればヒノキ風呂風に。550円
ハマ
陶磁器を焼くときに使われる焼き台で、器の数だけ作られるのだが、使ったら捨てられてしまうもの。小ぶりの器のようなカタチなので、小物入れなどに使ってもいい。440円
【DATA】
MATERIAL Market
福岡県福岡市西区大字西浦1078-41
営業/10:00~17:00(土曜日のみ営業)
https://www.material-market.com
※情報は取材当時のものです。現在取り扱っていない場合があります。
(出典/「Lightning2022年5月号 Vol.337」)
Text/M.Matsumoto 松本めぐみ Photo/T.Kawasaki 川崎賢大
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