今回は、特集の取材で、BUCOのJ-61を発見。「BUCOにこんなモデルがあるとは知らなかった! マジ欲しい……きっと俺は、死ぬまでレザー沼から出られそうにない……」そう改めて感じている革ジャン評論家・モヒカン小川がお届け!
ローリングダブトリオ代表の徳永克也氏が立ち上げた革小物ブランド。
俺がまだ駆け出しの編集者だった頃の話。ある日先輩が「今週末、空けとけよ」という。取材ですかと聞くとそうではなく、何やら俺に“天国”を見せてくれるらしい。そして何故か「鞄は持たずに手ぶらで来い」とのこと。
指定の土曜日、向かった先は吉原大門近くの「桜なべ 中江」。創業明治38年の老舗桜鍋(馬肉鍋)屋で、かつて吉原遊郭周辺にはこうした「蹴っ飛ばし屋」(桜鍋を出す店のことをこう呼んだ)が20軒ほどあり、男たちはここで精をつけ、吉原に繰り出したという。先輩の言う“天国”とは、吉原のことだったのだ。
20代の俺にとっては、どんな“天国”よりも嬉しい場所。桜鍋で有り余るパワーを手に入れた俺は、吉原遊郭で遊興に耽り、その後、〆に「駒形どぜう」へと向かった。
どぜう鍋を肴に冷酒を流し込みながら、どうして手ぶらで来いと言ったのか先輩に聞いてみたところ、「だって、粋じゃないだろ」と一言。彼にとって、いらない荷物を持って遊びに行くような輩は、不粋の極みらしい。その日の俺はというと、5ポケットデニムを穿き、フロントの右ポケットには煙草、左にはハンカチ、右のヒップポケットには携帯電話(スマホではない)、左には財布を入れていた。普段、文庫本を持ち歩いているのだが、この日は泣く泣く諦めた。
そして話は現在に戻る。
俺の天国・吉原のほど近く、浅草にあるブーツブランド、ローリングダブトリオ代表の徳永克也氏が、このたび自身の名を冠した革小物ブランドを立
ち上げた。そのコードバンウォレットを見て「これだ」と思ったね。なんとスマートフォンを入れることが出来、“ポーチ”としても使えるのだ。
これなら、左のヒップポケットにスマホを収納したこのウォレット、空いた右に文庫本が入るではないか。トラッカータイプなので小銭入れはないが、キャッシュレス時代なので問題ナシ。そして何より、艶やかに輝くコードバン仕様というのも嬉しい。手ぶらで遊ぶ、現代の粋人にぴったりのアイテムだと思わない?
【問い合わせ】
ザ・ブーツショップ
https://thebootsshoponline.com/
※情報は取材当時のものです。現在取り扱っていない場合があります。
(出典/「Lightning 2021年10月号 Vol.330」)
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