きっかけは鳥山明作品。アメリカントイとヴィンテージウエアにすべてを捧げた館。

映画『バック・トゥ・ザ・フューチャー』や敬愛する鳥山明作品を通じて、いつしかアメリカンカルチャーの虜となっていった大川さん。そんな幼少期の強い想いが、時を経て、この秘密基地で大暴走している。

すべての欲を抑えて、物欲に集中して手に入れた夢の空間。

引っ越しを契機に自分の物欲を開放した秘密基地をつくろうと思い立ったのが約4年前(取材時)。倉庫さながらのワンルームは、元々は四方真っ白のスケルトン状態。そこからバーカウンターやアンティークのショーケースを設置し、地道にアメトイ、ヴィンテージウエアの収集に励んだという。

大川知英さん|お笑いトリオ「ニブンノゴ!」のメンバーで、田村淳率いるビジュアル系ロックバンド「jealkb」のギター。アメトイとヴィンテージものが大好物で、目指すは「世田谷ベース」的な暮らし

「生活感の無い部屋にしたかった」という大川さんが思い描いた理想は、茨城県土浦にあるヘルシーレストラン&アンティークモール「2000toys Antique Mall & Habitable」。

アメリカンコレクティブルなグッズが所狭しと並べられたその世界観に圧倒され、「こんな空間に住むことができたら幸せだろうな」と刺激を受けた。

やる気スイッチが入れば爆発的な行動力。

スペシャルなカートゥーン系トイのディスプレイ。そして右端には巨大なロナルド・マクドナルド!! 木彫りで、大人5人でやっと運べる重さ。「倒れてきたら俺、即死です(笑)」

カートゥーン系トイや、ヴィンテージデニム、旧いサインボードなど、部屋にアンティークが溢れるかえる状態になるのに時間はかからなかった。

「僕のなかのルールはレプリカよりもオリジナル主義。お金も、時間も、労力もかかるけど、これは仕方がないです。好きだったものがたまたま値段が高かっただけ」

足の踏み場がないほど好きなモノに囲まれたまさに秘密基地。ただ、これらのお宝を肴に語り合う同好の士がいないのが唯一の寂しさ。それでも1人アメトイ総選挙を開催し、ディスプレイのセンターを決める作業も、また楽しい……。

こちらの棚も圧巻。アメトイとヴィンテージウエアがすき間なくディスプレイ。目立つところでは、ハンバーグラー、バックス・バニー、キャプテンクロックなど

「でも、まだ理想の6割。さすがにこの部屋にはもう入らないから、もうひと部屋借りたいですね。で、最終的にはマンションすべてを買いとって、アンティークのテーマパークのようにするのが夢」という大胆な野望も、4年間のがむしゃらな収集ぶりを見るに、まんざら嘘のようにも思えない。

「自分の趣味のためにあらゆる欲を抑えて、物欲に一点集中してますからね。まあ、金持ちの社長が僕に投資してくれればいいんですけど」

鳥山明ファンの大川さんが、ここに引っ越す前に所有していた数少ないコレクションが、このドクタースランプ関連のフィギュア。今でも、こうして棚に大事に飾られている。鳥山作品を通してこの世界を好きになったと言っても過言ではない、きっかけともいえる存在だ

大川さんの貴重なコレクションを拝見!

玄関脇に設置されたアンティークショーケース(これも大正時代のもの)には、スペシャルなアメトイが大集合。バディ・リー、ディズニー、スヌーピー、ハンナ・バーベラ……。どれもコンディション良好。しかもそれだけではなく、対面の棚にも溢れんばかりのアメトイたち。そんな膨大なコレクションの一部を紹介してもらった。

まずはここれから。コカ・コーラのベンダーは本物。ディスプレイ用だが、鍵をあければ扉が開く構造で、なかにはオリジナルのナイキ・エアジョーダンⅠやフレディ・クルーガーのフィギュアが。

こんなディプレイを考えるのも楽しいひと時だ

アポロ11号が月面着陸した1969年頃に発売されたアストロスヌーピー(左2体)と、’70年代のアストロディズニー(右2体)。アストロディズニーは本家公認かどうか詳細不明。

ちなみに、このアストロスヌーピーは昨年生誕70周年を記念して復刻されている。

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大川さんのスヌーピー関連のトイは、すべて藤沢の名店「Locohana General Store」にて購入。天才音楽少年シュローダーが弾くベートーベンのピアノだけでも10万円もしたとか。

こちらはハンナ・バーベラスタジオのキャラクターたち。「バナナスピリッツのメンバー4人を集めるのは苦労しました。右のキャラクター、Drooperの眼鏡が見つかればコンプリートです」

同じくハンナ・バーベラのプルトイ。(前右から)ピーターポタマス、ドループAロング、マギラゴリラ、(後右から)リコシェットラビット、マッシュマウス、イッピーヤッピーヤッホー、パンキンパス。

ディズニーのラバードールたち。なかでも前列のバンビとビッグバッドウルフは探すのに相当苦労したのだとか。箱の裏側に書いてある絵はすべてコンプリートしている。

アメリカの旧きよきサインボードもたくさん飾られる。4匹のエルフがいる飲料メーカー「ホイッスル」の大きい看板はかなり希少で、海外からわざわざ送ってもらったもの。

矢吹ジョー、ガンダム、リーバイス501のショップディスプレイ、後ろにはビートルズ来日時のハッピも(これはさすがに復刻)。

ウエアやシューズのコレクションも負けていない。

こちらの目下相場が上がっているコンバース・ワンスターのサンダルやスリッポンは、大川さんのお気に入り。カジュアルも大人っぽい着こなしにもフィットする。

リーバイスS506XXデニムジャケットのワンウォッシュ大戦モデル。バックは希少なセパレートタイプになっている。

リーバイスXXは革パッチが残るミントコンディション。「THE 501XX A COLLECTION OF VINTAGE JEANS」と共に。

ほかにも、鳥山明先生に誕生日に書いて頂いたドラゴンボール・大猿のサインとフィギュアやドクタースランプのサインなど、ファン垂涎のお宝も。うらやましい!!

◆

自身の物欲をとことん開放させた秘密基地だが、本音を言えば、同好の士と呼べるトイ、ヴィンテージ仲間が欲しいと大川さん。

「みんな、ここに来ても、トイに興味を持ってくれないんです。もっと、一緒に語り合いたいのに!!」というわけで、夢は仲間が集まるアンティークサロンなんだそうだ。

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(出典/「Lightning 2018年9月号 Vol.293」)

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