ファン垂涎! めったにオープンしない、高円寺の「ファーストアローズ」に潜入!

東京は高円寺の商店街に突如出没するコンクリートで覆われた怪しい場所。「ファーストアローズ」の文字があるが、ほとんどオープンしていることがない。地元の人たちからも謎のスペースであるここに潜入してみた。

カフェでもあり、ガレージでもあり、ショップでもある空間。

「ファーストアローズ」といえば原宿にショップを持ち、ハンドメイドのシルバアクセサリーでは知らない人はいないブランド。

そんな「ファーストアローズ」の文字が躍る謎のスペースが高円寺にある。

オープンしている姿をほとんど見たことがないと地元でも評判(?)のここ。その真相を「ファーストアローズ」代表の伊藤さんに聞いてみる。

「もともとは自分のバイクやコレクションを置くガレージを探していたんですが、ちょうど駅から近い商店街に良い物件が出てきて。せっかくだからガレージも兼ねてショップにしてしまおうという単純な発想です。

ただ、常時ここに立てるスタッフがいないので、現状アポイント制になっちゃってるんです。原宿店と違うのはカフェ機能もあるし、アンティークも販売してるので、地元の人にも楽しんでもらえるようにしています。

店舗前にチェアが置いてあればオープンしてますよ(あまりオープンしないが)のサイン。 コーヒーやソフトドリンクも販売しているので、 街ゆく人の休息の場所にもなる

22年前にブランドを始めたのが高円寺だったんで、この土地に思い入れもあります。少しでも高円寺の活性化にもなればなあと思ったんですが、ほとんどオープンできていないのが現状で(笑)」

という、なりゆきの秘密基地。

でも、その中身は圧巻。伊藤さんの大好きな世界がそこにある。

いろんな理由で秘密基地みたいなショップになってしまいました笑う伊藤さん。もちろん、コーヒーを飲みに来るだけでも大歓迎だという

【見どころ①】圧巻のスヌーピーコレクション。

香水で有名なアメリカのエイボン社が’60年代に販売していたスヌーピーのソープディッシュはご覧のコレクション。「集め出したら終わりが見えなくて。300個以上あります」と伊藤さん談。箱付きデッドで1万2960円で販売もしている。

【見どころ②】巨大なチョークアート

壁面にはシェイキン・スピードグラフィックスの清水氏も初挑戦だったという巨大なチョークアートが。アンティークショップでもあり、カフェでもあるのでこういう雰囲気はぴったり。ガレージショップという言葉がぴったりかも。

【見どころ③】もちろん、シルバーも販売する。

店舗奥に「ファーストアローズ」のアクセサリーも当然ながら販売しているが、主役を張る場所にレイアウトされていないところがおもしろい。実際、オープン時にはふらっと立ち寄って購入していく人もいるという。まさに新たな試みだ。

「ファーストアローズ」代表の伊藤さんのコレクションも必見!

ガレージでありながらも、カフェであり、アンティークショップでもあり、シルバーアクセサリーも買えるという、もはや何でもありなのは紹介した見どころでおわかりいただけたかと思う。

さらに目を引くのが随所に置かれた代表である伊藤さんの個人的な趣味も垣間見える貴重なアイテムの数々。伊藤さんのガレージにお邪魔した気分を味われるのが、この空間の醍醐味である。

自身の所有するホットロッドをアメリカに持ち込んで出場した現地のヴィンテージレースイベント「ザ・レース・オブ・ジェントルマン」の思い出たち。趣味のレースは日本国内だけにとどまらない
バイクのレースで獲ってきたトロフィたちも、ここの場所ができたので、しっかりと飾ることができるようになったと伊藤さん。カッコだけでなく、筋金入りのバイク乗りであることがわかる
壁に掛けられたヴィンテージのハンドルバーもちらほら。中にはハーレー愛好家垂涎の逸品も。 自身のガレージも兼ねているので、伊藤さんも簡単な整備くらいはするので工具類も完備する
ウエストクロックのアンティーク時計は当時のクルマのダッシュボードなどに装着できるように考えられたアイテム。これもコレクションながら価格応談で販売している
エイボンのソープディッシュを集めて いたら、いっしょに他のスヌーピーグ ッズも増えてしまっというサイドストーリー。これらフィギュアやヴィンテージのキャビネットも販売している
ひっそりと佇む古びた看板は、ブランドを立ち上げ、高円寺で始めたときのもの。現在のロゴと違って、中央に弓矢のマークが存在していない。初心を忘れないよう、今でも保管する

マニア垂涎のバイクのコレクションは必見!!

高校生のころからバイク熱が冷めないという伊藤さん。とくにハーレーへの造詣は深く、現在まで多くのモデルを乗り継いできた。最新のコレクションもここで見ることができるぞ。

【1941 Harley-Davidson EL】ぜい肉をすべてそぎ落としたストイックなボバースタイル。

走りに必要がないパーツはすべてそぎ落とし、速く走るためにコンパクトにカスタムされたELは、チョッパーの源流であるボバースタイルを想起させるカスタム。ストイックに突き詰めることで、ご覧のようなスタイルになった。

極限までスリム化したタンクは「近所しか走れません」と伊藤さんが言うほど。 それでもスタイルを重視して絞り込んだ。もはや近所の銀行に行くとき用らしい
ハーレー純正の消化器があったことが驚きだが、そんな貴重なパーツもアクセントに。じつはこれ、予備のガソリンが入れられるようにカスタムしてある
シートはファーストアローズ謹製。バイクの年式があしらわれている。シルバーのコンチョもさり気なくアクセントになり、まるでヴィンテージのような風合い
フロントは’30年代のVLに搭載されていたヴィンテージのスプリンガーに、クルマのフォグライトをヘッドライトに流用。 見る人が見たら「おおっ」な部分

【1972 Harley-Davidson XR750】公道走行不可という、趣味を極めたレーサー。

「ヴィンテージハーレーに比べたら、その感覚は戦闘機のように速い」とオーナーも舌を巻く1台は、趣味のレース用にホットドックで組んだマシン。フレームから今や貴重なナイト製を採用して、本気で走るためだけに手に入れた。

XR750の特徴でもある後方吸気の心臓 部。エンジンはXRの後期型を搭載し、 FCRのキャブレターで武装。走りだけでなく、その見た目もかなり凶暴である
セリアーニのフロントフォークに巨大なディスクブレーキをダブルで装着。ここだけ見たらハーレーとは思えないほどメカニカル
フラットトラックを走るためのレーサー仕様なので、アップタイプのマフラーが左側に伸びる、しかも太い。一般的なハーレーとは違う造形が、XRの特徴だ
レーサーなのでガソリンタンクは 最低限の容量。しかもレースガ ソリンでなくては走れないセッティング。街乗りはできない(笑)

▼伊藤さんのホットロッドはこちらの記事でチェック!

ホットロッドが大集結! 「YOKOHAMA HOT ROD CUSTOM SHOW 2019」でスポーツカーを探せ!

ホットロッドが大集結! 「YOKOHAMA HOT ROD CUSTOM SHOW 2019」でスポーツカーを探せ!

2023年02月21日

【DATA】
FIRST ARROW’S ORIGINE
東京都杉並区高円寺北2-11-15
※オープンは現状、完全アポイント制。アポイントは原宿店(TEL03-3479-8818)まで

(出典/「Lightning 2018年9月号 Vol.293」)

この記事を書いた人
ラーメン小池
この記事を書いた人

ラーメン小池

アメリカンカルチャー仕事人

Lightning編集部、CLUTCH magazine編集部などを渡り歩いて雑誌編集者歴も30年近く。アメリカンカルチャーに精通し、渡米歴は100回以上。とくに旧きよきアメリカ文化が大好物。愛車はアメリカ旧車をこよなく愛し、洋服から雑貨にも食らいつくオールドアメリカンカルチャー評論家。
SHARE:

Pick Up おすすめ記事

【Punctuation × 2nd別注】手刺繍のぬくもり感じるロングビルキャップ発売!

  • 2025.10.29

これまでに、有名ブランドから新進気鋭ブランドまで幅広いコラボレーションアイテムを完全受注生産で世に送り出してきた「2nd別注」。今回もまた、渾身の別注が完成! >>購入はこちらから! 【Punctuation × 2nd】ロングビルキャップ[トラウト] 温もりのある手仕事が特徴の帽子ブランド「パンク...

宮城県大崎市の名セレクトショップ「ウルフパック」が選ぶ「FINE CREEK」の銘品革ジャン4選。

  • 2025.10.31

宮城県大崎市に、ファインクリークを愛してやまない男がいる。男の名は齊藤勝良。東北にその名を轟かす名セレクトショップ、ウルフパックのオーナーだ。ファインクリーク愛が高じて、ショップの2階をレザー専用フロアにしてしまったほど。齊藤さんが愛する、ファインクリークの銘品を見ていくことにしよう。 FINE C...

進化したSchottの定番、冬のレザースタイルはこれで決まり!

  • 2025.10.30

アメリカンライダースの象徴であるSchottが、原点回帰とも言える姿勢で“本気”を見せた。伝統のディテールに、現代的な技術と素材を融合。武骨でありながらも軽快、クラシカルでありながらも新しい。進化したSchottの定番が、冬のレザースタイルを再定義する。 668US SPECIAL HORSEHID...

【土井縫工所×2nd別注】日本屈指のシャツファクトリーが作る、アメトラ王道のボタンダウンシャツ発売!

  • 2025.10.07

これまでに、有名ブランドから新進気鋭ブランドまで幅広いコラボレーションアイテムを完全受注生産で世に送り出してきた「2nd別注」。今回もまた、渾身の別注が完成! >>購入はこちらから! トラッド派には欠かせない6つボタンのBDシャツ「6ボタン アイビーズB.D.シャツ」 アメリカントラッドを象徴するア...

渋谷、銀座に続き、ブーツの聖地「スタンプタウン」が東北初の仙台にオープン!

  • 2025.10.30

時代を超えて銘品として愛されてきた堅牢なアメリカンワークブーツが一堂に会するブーツ専門店、スタンプタウンが宮城県仙台市に2025年9月20日オープン! 東北初となる仙台店は北のワークブーツ好きたちにとって待望の出店となった。 珠玉の銘品たちがココに揃う。 ブーツファンが待ち焦がれた東北エリア初となる...

Pick Up おすすめ記事

「BILTBUCK」の2025年は新素材によって既存モデルを再解釈した革ジャンに注目だ!

  • 2025.11.03

伝統と革新を往来しながら、レザーの魅力を追求するビルトバック。2025年のコレクションは、オリジナルレシピで仕立てた渾身の新素材によって既存モデルを再解釈。質感と経年変化、レザーの本質的な美学を磨き上げ、洒脱な大人たち〈Hep Cats & High Rollers〉へ贈る、進化であり深化の...

“黒のコロンビア”って知ってる? オンオフ自在に着回せる、アップデートされたコロンビアの名品を紹介!

  • 2025.10.21

電車や車といった快適な空間から、暑さや寒さにさらされる屋外へ。都市生活は日々、急激な気温差や天候の変化に直面している。実はその環境こそ、自然で磨かれた「コロンビア」の技術が生きる場だ。撥水性や通気性といったアウトドア由来の機能を街に最適化し「コロンビア ブラックレーベル」は、都市生活者の毎日を快適に...

【J.PRESS×2nd別注】こんなイラスト、二度と出会えない。 著名イラストレーターとのコラボスウェット。

  • 2025.10.21

これまでに、有名ブランドから新進気鋭ブランドまで幅広いコラボレーションアイテムを完全受注生産で世に送り出してきた「2nd別注」。今回もまた、渾身の別注が完成! >>購入はこちらから! 【J.PRESS×2nd】プリントスウェットシャツ【AaronChang】 アメリカにある優秀な8つの大学を総称して...

進化したSchottの定番、冬のレザースタイルはこれで決まり!

  • 2025.10.30

アメリカンライダースの象徴であるSchottが、原点回帰とも言える姿勢で“本気”を見せた。伝統のディテールに、現代的な技術と素材を融合。武骨でありながらも軽快、クラシカルでありながらも新しい。進化したSchottの定番が、冬のレザースタイルを再定義する。 668US SPECIAL HORSEHID...

【土井縫工所×2nd別注】日本屈指のシャツファクトリーが作る、アメトラ王道のボタンダウンシャツ発売!

  • 2025.10.07

これまでに、有名ブランドから新進気鋭ブランドまで幅広いコラボレーションアイテムを完全受注生産で世に送り出してきた「2nd別注」。今回もまた、渾身の別注が完成! >>購入はこちらから! トラッド派には欠かせない6つボタンのBDシャツ「6ボタン アイビーズB.D.シャツ」 アメリカントラッドを象徴するア...