教えてくれたのは……「ベルベルジン」ディレクター・藤原裕さん
MA‐1と並んで、定番のフライトジャケットであるL‐2シリーズ。タイプA‐2の後継モデルとして開発されたライトゾーン用のフライトジャケットで、いち早くナイロンを用いたエポックメイキングな名作。MA‐1に似ているが、大きな違いはライニングの有無。これが着こなしに大きな差を付けるとベルベルジンの藤原さんは指摘する。
「MA‐1の方が保温性は高いですが、ファッション的な目線で見ると合わせやすさはL‐2が1枚上ですよね。裏地がウールとレーヨンのライニングだけですから、ボリュームがなくてコーディネイトしやすいと思います」
近年MA‐1がリバイバルしたことで、それに呼応してL‐2もプライスが上がっているそう。狙い目は’60年代のモデルまでだそう。
「L‐2はもともと人気がありますし、採用期間が2年程度ですから、滅多に出てこない。L‐2Aもエアフォースブルーが目立ちすぎたので使われていた時期が短く、数は少ないです。そうは言ってもL‐2Bも年々コンディションのいいものが減っていますから気に入ったら買っておいたほうがいい。
L‐2Bは、’60年を境にオレンジのライニング変更され、’60年代中期になるとジッパーエンドのフラップが省略されるんです。ヴィンテージ市場で人気のあるものは、その仕様までですね。あとライニングが縮んで短くなっているものも多いですから、いいサイズがあれば迷わないことです!」
覚えておきたいL-2シリーズの変遷。
ここではL-2の進化の過程を解説。色とディテールさえ覚えれば簡単にわかるL-2の歴史。歴代の4モデルの古着を探すときの参考にしてみてほしい。
【Type L-2 PROTOTYPE】試行錯誤を繰り返したテストサンプル。
初のナイロン製フライトジャケットとして1949年に採用されたタイプL-2。レザーからナイロンへ移行するに当たり、多くのテストサンプルが作れられた。その中でも茶はレア
【Type L-2】約2年で打ち切られたカーキカラー。
ナイロンを使った画期的なフライトジャケットとして満を持して投入された。空軍の象徴であるエアフォースブルーをまとったL-2Aにその座を約2年で明け渡したので極少。
【Type L-2A】シンボルカラーのエアフォースブルーに!
陸軍のイメージを脱却したかったのか、L-2Aにはシンボルカラーのエアフォースブルーを採用。しかし色が目立ちすぎるとの理由で短命に終わる。(ジェラード矢澤氏私物)
【Type L-2B】MA-1同様に長期に渡って採用される。
もとのカーキ色に戻り、L-2Bは後継のCWU36/Pが採用されるまで長く活躍。1961年よりライニングがオレンジに変更されるので、初期のモデルは人気と希少性が高い。
※情報は取材時のものであり、現在販売されていない場合があります。
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(出典/「Lightning 2016年12月号 Vol.272」)
Text/S.Sato 佐藤周平 Photo/N.Suzuki 鈴木規仁 ベルベルジン TEL03-3401-4666 http://www.berberjin.com
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