2ページ目 - 衣替え前に、その革ジャン、カスタム&リペアしてみない?

革ジャンが生まれ変わるカスタムの職人の技を拝見! 襟の形に合わせたパターンを作る。

Before
After

今度は、長年使用しているうちにブラックが退色し、ブラウン掛かった色のレザージャケットをカスタム。退色したボディ色に合わせてムートンを選ぶ。A-2デザインのレザージャケットがムートン襟でG-1スタイルへ。カスタム代1万7280円(取材時の値段です)。

用意するものは写真の通り。レザーの裁断に必要なカッターを始め、スナップボタンを打ち込む金槌、レザーに印をつけるための銀ペン、使用する金属パーツなど細かなものが多い。一部解体のため道具もミニマムなものばかりだ。1度失敗してしまえば、元通りには戻すことのできないレザージャケット。行程のひとつずつ念入りに緻密な計算のもと行なわなければいけない。その様子を見ていこう。

1.レザーを選ぶ。

ムートンはもちろん、台座となるレザー選びはボディと同一の素材、カラーをチョイス。

2.パターン作り。

襟のカタチに合わせたパターンを作る。ラウンドする襟とリンクするようにサイズをとる。

3.ムートンの毛足を調節。

パターンに沿って裁断したムートンは、毛足が長いアウトラインをカットしておく。

4.ムートンと台座の縫製。

裁断したムートンと台座部分のレザーを縫製。縫いしろが見えづらいため慎重に。

5.袖のライニングを解く。

スナップボタンをジャケットの襟元に打ち込むため袖のライニングの縫製を数センチ解く。

6.襟のカタチに成形。

ムートンと台座になるレザー襟を縫い合わせたら襟のカタチとなるように裏返し成形。

7.縫製しやすいよう叩く。

ムートンは毛足が長いため縫製も厄介だ。そのため縫製しやすいように薄くしておく。

8.襟のサイズをチェック。

ジャケットの襟にすっぽりとハマるようにサイズは入念に微調整しながらチェックする。

9.スナップボタン装着。

ボディに着けるスナップボタンの正確な位置を測り打ち込む。襟裏に潜ませることが重要。

10.取り付け部にボタン。

ムートン襟はスナップボタンが付けられたレザーの耳でボディに装着できるデザイン。

11.補強シートを使用。

ボディのライニング部分にスナップボタンを打ち込む際、補強としてレザーシートを貼る。

次のページでは、サイズ直しのプロの技を紹介。「LDFS」に持ち込めば、サイズだってこの通り!

この記事を書いた人
モヒカン小川
この記事を書いた人

モヒカン小川

革ジャンの伝道師

幼少期の革ジャンとの出会いをきっかけにアメカジファッションにハマる。特にレザー、ミリタリーの知識は編集部随一を誇り、革ジャンについては業界でも知られた存在である。トレードマークのモヒカンは、やめ時を見失っているらしい。
SHARE:

Pick Up おすすめ記事

【Willis & Geiger×2nd別注】ミリタリーとサファリが香るアーバンアウトドアウエア

  • 2025.09.17

これまでに、有名ブランドから新進気鋭ブランドまで幅広いコラボレーションアイテムを完全受注生産で世に送り出してきた「2nd別注」。今回もまた、渾身の別注が完成! >>購入はこちらから! 90年代のアーカイブをデザインソースに、上品さを加えてアップデート。ウールメルトンジャケット[メトロ ウォーカー] ...

デニムにする? コーデュロイにする? エドウインのトラウザーズを軸に作る「シン・トラッドスタイル」

  • 2025.09.19

ジャパニーズアイビーのボトムスは、太ももから裾まで太さが一定のパイプドステムが主流であった。対してタック入りのトラウザーズは、1920年代に登場したといわれる、よりクラシックなボトムス。そんな旧きよきトラウザーズを軸に、いつものトラッドスタイルを刷新してみてはいかがだろうか。 【右】トラウザーズ2万...

【BIG SMITH×2nd別注】米軍の名作バッグをデニムで再構築! 経年変化が楽しめるデニムのエプロンバッグ。

  • 2025.09.22

これまでに、有名ブランドから新進気鋭ブランドまで幅広いコラボレーションアイテムを完全受注生産で世に送り出してきた「2nd別注」。今回もまた、渾身の別注が完成! >>購入はこちらから! BIG SMITH × 2nd ワーカーズエプロンバッグ 1940年代のアメリカン・レッドクロス(米国赤十字社)が製...

東洋エンタープライズがこれまでに培ったノウハウや知見の集大成「モダクト」と「タフナッツ」

  • 2025.09.19

「シュガーケーン」や「バズリクソンズ」など、ヴィンテージをベースとした生地やディテールの圧倒的な作り込みで知られる東洋エンタープライズ。そんな同社が手がけるブランド、「モダクト」と「タフナッツ」は、これまでに培ったノウハウや知見の集大成でありながらどんな日常のシーンでも使いやすい実用性を備える。映画...

Wranglerの走破性は本物か? オフロード体験会で徹底検証

  • 2025.10.03

筑波山の麓で開催されたジープのオフロード体験イベントは、ジープオーナーはもちろん、新規顧客にとってもジープの魅力を存分に感じられる特別な一日となった。専用のオフロードでラングラーならではの走破性を体感でき、オーナー同士の交流も見られた。今回は現地取材を通して、その模様と参加者のリアルな声をお届け。 ...

Pick Up おすすめ記事

シルバーをアートに変える、現代の錬金術師。

  • 2025.09.24

ネイティブアメリカンの伝統技法をベースに現代的なエッセンス、そして日本独自の繊細な美意識を加えることで唯一無二の世界観を紡ぎ出すFIRST ARROW’s。一片のシルバーの塊に命を吹き込むその様は まさに現代のアルケミスト(錬金術師)という表現が相応しい。これらの作品は貴方が身に付けることで完成する...

Wranglerの走破性は本物か? オフロード体験会で徹底検証

  • 2025.10.03

筑波山の麓で開催されたジープのオフロード体験イベントは、ジープオーナーはもちろん、新規顧客にとってもジープの魅力を存分に感じられる特別な一日となった。専用のオフロードでラングラーならではの走破性を体感でき、オーナー同士の交流も見られた。今回は現地取材を通して、その模様と参加者のリアルな声をお届け。 ...

デニムにする? コーデュロイにする? エドウインのトラウザーズを軸に作る「シン・トラッドスタイル」

  • 2025.09.19

ジャパニーズアイビーのボトムスは、太ももから裾まで太さが一定のパイプドステムが主流であった。対してタック入りのトラウザーズは、1920年代に登場したといわれる、よりクラシックなボトムス。そんな旧きよきトラウザーズを軸に、いつものトラッドスタイルを刷新してみてはいかがだろうか。 【右】トラウザーズ2万...

【Willis & Geiger×2nd別注】ミリタリーとサファリが香るアーバンアウトドアウエア

  • 2025.09.17

これまでに、有名ブランドから新進気鋭ブランドまで幅広いコラボレーションアイテムを完全受注生産で世に送り出してきた「2nd別注」。今回もまた、渾身の別注が完成! >>購入はこちらから! 90年代のアーカイブをデザインソースに、上品さを加えてアップデート。ウールメルトンジャケット[メトロ ウォーカー] ...

東洋エンタープライズがこれまでに培ったノウハウや知見の集大成「モダクト」と「タフナッツ」

  • 2025.09.19

「シュガーケーン」や「バズリクソンズ」など、ヴィンテージをベースとした生地やディテールの圧倒的な作り込みで知られる東洋エンタープライズ。そんな同社が手がけるブランド、「モダクト」と「タフナッツ」は、これまでに培ったノウハウや知見の集大成でありながらどんな日常のシーンでも使いやすい実用性を備える。映画...