ローテクスニーカーとハイテクスニーカーの正しい洗い方を徹底解説!

ここ数年続いているスニーカーブーム。それと比例するように盛り上がっているのが、スニーカーに特化したメインテナンス用品だ。多くのブランドからケア用品が発売されおり、「スニーカーは大切にするもの」という感覚が浸透している何よりの証拠だろう。

スニーカーには大きく分けてローテクとハイテクがあるが、それぞれの代表的なスニーカーを取り上げてお手入れの仕方を徹底的に紹介していく。

ローテク代表【New Balance ニューバランス】のスウェードとメッシュのコンビ「998」をお手入れする。

 New Balance 998 ニューバランスを代表する名作998。定番のグレーはスウェー ドとメッシュのコンビネーション。汚れが目立つので、この黒ずみをきっちりと取っていきたいところだ

普遍的なスタイルで人気が高いニューバランス。自分でクリーニングする上で気を付けたいのが、アッパーの素材。スウェードやヌバックなどの起毛素材とメッシュ部分のコンビネーション素材なので、それぞれ別のメインテナンスが必要となる。

そのためスムースレザーよりもメンテが少し複雑なので、その手順をしっかり覚えておきたいが、スウェードのシューズとメンテ方法が近しいので、こまめにメンテしている人ならすんなりと覚えられるはず。

まずはブラッシングをして、間に入り込んだ汚れを取り、毛並みを整えることが重要。頑固な汚れには生ゴムなのでスウェード向けの消しゴムを使うのも有効。色や素材によっては色落ちしやすく、シミになりやすいので、液体シュークリーナーを使う前にテストをするのも大事。メッシュ部分は細かなブラシを使うと効果的。ヌバックは水に弱いので、最後に防水スプレーで仕上げることもお忘れなく!

用意するもの

今回使っているのは、LA のスニーカーケア専門ブランドであるジェイソンマーク。液体と泡フ
ォームのクリーナー、ブラシ3種類、生ゴム、防水スプレー、マイクロファイバークロスを使用。洗い流す必要がないので手軽に使える。

1.ブラッシングする。

まずは全体をブラッシング。これは仕上げにも使える馬毛のハンドルブラシ。デリケートな素材に対応する。

2.イレイザーで汚れを落とす。

次にブラッシングだけでは落ちなかった汚れをゴム製のイレイザーを使って優しく落としていく。

3.ソールを洗う。

ソールに向いている硬めのブラシにクリーナーをつけて洗っていく。これだけでかなり印象が変わる。

4.拭き取る。

マイクロファイバークロスで拭き取る。洗い流す必要がなく、洗浄力もバッチリだ。

5.豚毛のブラシを用意する。

アッパーを洗う際は、柔らかな豚毛のブラシと泡フォームのクリーナーを使う。優しく泡で洗う感覚で洗浄。

6.アッパーを洗う。

全体を優しくブラッシングしていく。色や素材によっては色落ちするので、少量でテストするのが必須。

7.メッシュ部分を洗っていく。

メッシュ部分は化学繊維なので、豚毛ブラシに液体タイプのクリーナーと適量の水を混ぜて使っていく。

8.ブラシでこする。

汚れが入り込んでいるので念入りに洗っていく。ある程度、力を入れてもいいので細かく動かしていく。

9.毛並みを整える。

全体をマイクロファイバークロスで拭き取った後は、馬毛のブラシで毛並みを整えていけばほぼ完了。

10.靴紐を洗う。

クリーナーは靴紐にも使える。適量を馴染ませてから、水でもみ込んでいくだけ。

11.拭き取る。

洗い流す必要がないので、マイクロファイバークロスで拭くだけ。

12.防水スプレーを吹きかける。

最後にアッパーが乾いたら、全体に防水スプレーをかけていく。乾燥後に二度吹くと撥水効果が高まる。

完成!

薄汚れていたスウェードとメッシュ部分が本来のトーンに戻っている。また、アッパーも白さが甦っており、かなりクリーンな印象に。

ハイテク代表【NIKE ナイキ】のバスケットボールシューズ「AIR JORDAN 9」をお手入れする。

NIKE AIR JORDAN 9 モノトーンのカラーリングが際立つエアジョーダン9は、1990年代を代表する名作モデルで、このモデルから再びティンカー・ハットフィールドが指揮を執ったことで知られる

ハイテク代表としてピックアップしたのが、スムースレザーと起毛した人工素材のコンビネーションアッパーであるバッシュ「エアジョーダン9」。スムースレザーは、今回使っているジェイソンマークのような天然由来の成分で構成された高機能なクリーナーであれば、自宅でクリーニングすることはまず問題ない。

気を使いたいのが、起毛したファブリック。カラーリングによっては堅牢度が低い素材もあり、洗うことで色落ちしたり、他のパーツに色移りしたりする危険性もある。だからヒール部分など目立たない箇所で色落ちしないか、必ず試した方がいい。

また今回のジョーダン9は問題ないが、ソールの仕上げ方によっては、ブラシでゴシゴシと強く擦ってしまうとアッパーのカラーが剥げてしまうものもあるので、ここも気をつけておきたい。アナログなスニーカーでは心配ないことも、昨今のハイテクスニーカーでは思わぬトラブルになることもあるので、しっかりと見極めたいところ。ただ要点さえ押さえれば、問題ないだろう。

用意するもの

今回使っているのは、すべてジェイソンマーク。プレミアムシュークリーナー、ブラシが3種類、専用のマイクロファイバークロス。洗い流す工程がないので手軽に使えて、匂いもいい。スニーカーケア専任ブランドだけある。

1.まずはプラッシング。

まずは表面についた汚れをブラッシングしていく。使用したのはプレミアムな馬毛のハンドルブラシ。

2.シュークリーナーをブラシに塗布。

シュークリーナーをブラシにつける。天然由来成分を原料とし、洗い流す必要がないので便利。

3.ブラシを水につける。

ブラシにシュークリーナーをかけ、水に浸すだけで準備完了。

4.ソールを洗う。

まずは化繊を使ったブラシでソールを洗っていく。洗浄力があるので、これだけでかなりきれいになる。

5.クロスで拭き取る。

マイクロファイバークロスで、細かな繊維が水分だけでなく、汚れも取り除く。

6.起毛素材のテストをする。

起毛素材は目立たない場所にクリーナーをつけて、色落ちしないかテストする。

7.アッパーも洗う。

アッパーには柔らかな豚毛のブラシを使っていく。2.3の工程を行ってから全体を軽くブラッシングする。

8.クロスで拭き上げる。

マイクロファイバークロスで拭き取っていく。

完成!

もともとそこまで汚れていなかったので、アフターがわかりにくいが、トゥの汚れなどがしっかりと取れ、まるで新品のような状態になっている。

汚れやすいソールの白い部分もかなりきれいになっている。これだけでかなり見栄えが違うので、こまめにメインテナンスするのが大事だ。

少し前までは、スニーカーも履きつぶすというアイテムだったが、コレクタブルアイテムに昇格し、多くの高機能な高価格帯のスニーカーが登場したこともあり、いかにメンテナンスして長く履き続けるか、という意識に変わってきた。最適なケア用品をそろえ、正しいメンテナンス術をマスターし、スニーカーライフを楽しもう!

▼編集部・ランボルギーニ三浦もおすすめ!

「ジェイソンマーク」の超オシャレな実力派シュークリーナー発見!

「ジェイソンマーク」の超オシャレな実力派シュークリーナー発見!

2021年10月24日

(出典/「別冊Lightning 完全版メンテ本」)

この記事を書いた人
サカサモト
この記事を書いた人

サカサモト

アメカジ系動画ディレクター

Lightning、2nd、CLUTCH Magazineの公式YouTubeチャンネル「CLUTCHMAN TV」のディレクター。元Lightning副編集長ということもあり、クルマ、バイク、ミリタリーなど幅広い分野に精通。現在はもっぱら動画作成機材に夢中。ニックネームは、スキンヘッドにヒゲ面をいう「逆さ絵」のような顔に由来する。
SHARE:

Pick Up おすすめ記事

着用者にさりげなく“スタイル”をもたらす、“機能美”が凝縮された「アイヴァン 7285」のメガネ

  • 2025.11.21

技巧的かつ理にかなった意匠には、自然とデザインとしての美しさが宿る。「アイヴァン 7285」のアイウエアは、そんな“機能美”が小さな1本に凝縮されており着用者にさりげなくも揺るぎのないスタイルをもたらす。 “着るメガネ”の真骨頂はアイヴァン 7285の機能に宿る シンプリシティのなかに宿るディテール...

この冬買うべきは、主役になるピーコートとアウターの影の立役者インナースウェット、この2つ。

  • 2025.11.15

冬の主役と言えばヘビーアウター。クラシックなピーコートがあればそれだけで様になる。そしてどんなアウターをも引き立ててくれるインナースウェット、これは必需品。この2つさえあれば今年の冬は着回しがずっと楽しく、幅広くなるはずだ。この冬をともに過ごす相棒選びの参考になれば、これ幸い。 「Golden Be...

決して真似できない新境地。18金とプラチナが交わる「合わせ金」のリング

  • 2025.11.17

本年で創業から28年を数える「市松」。創業から現在にいたるまでスタイルは変えず、一方で常に新たな手法を用いて進化を続けてきた。そしてたどり着いた新境地、「合わせ金」とは。 硬さの異なる素材を結合させるという、決して真似できない新境地 1997年の創業以来、軸となるスタイルは変えずに、様々な技術を探求...

【ORIENTAL×2nd別注】アウトドアの風味漂う万能ローファー登場!

  • 2025.11.14

これまでに、有名ブランドから新進気鋭ブランドまで幅広いコラボレーションアイテムを完全受注生産で世に送り出してきた「2nd別注」。今回もまた、渾身の別注が完成! >>購入はこちらから! 【ORIENTAL×2nd】ラフアウト アルバース 高品質な素材と日本人に合った木型を使用した高品質な革靴を提案する...

「アイヴァン」からニューヨークに実在する通りの名前を冠した新作アイウエアコレクション登場

  • 2025.11.21

ニューヨークに実在する通りの名前を冠した「アイヴァン」の新作コレクション。クラシックな要素をサンプリングしながらも現代の空気感を絶妙に捉え服と同等か、それ以上にスタイルを左右する究極のファッショナブルアイウエア。 Allen 2023年、NYに誕生した「ビースティ・ボーイズ・スクエア」。その付近で出...

Pick Up おすすめ記事

時計とベルト、組み合わせの美学。どんなコンビネーションがカッコいいか紹介します!

  • 2025.11.21

服を着る=装うことにおいて、“何を着るか”も大切だが、それ以上に重要なのが、“どのように着るか”だ。最高級のプロダクトを身につけてもほかとのバランスが悪ければ、それは実に滑稽に映ってしまう。逆に言えば、うまく組み合わせることができれば、単なる足し算ではなく、掛け算となって魅力は倍増する。それは腕時計...

グラブレザーと、街を歩く。グラブメーカーが作るバッグブランドに注目だ

  • 2025.11.14

野球グローブのOEMメーカーでもあるバッグブランドTRION(トライオン)。グローブづくりで培った革の知見と技術を核に、バッグ業界の常識にとらわれないものづくりを貫く。定番の「PANEL」シリーズは、プロ用グラブの製造過程で生じる、耐久性と柔軟性を兼ね備えたグラブレザーの余り革をアップサイクルし、パ...

スペイン発のレザーブランドが日本初上陸! 機能性、コスパ、見た目のすべてを兼ね備えた品格漂うレザーバッグに注目だ

  • 2025.11.14

2018年にスペイン南部に位置する自然豊かな都市・ムルシアにて創業した気鋭のレザーブランド「ゾイ エスパーニャ」。彼らの創る上質なレザープロダクトは、スペインらしい軽快さとファクトリーブランドらしい質実剛健を兼ね備えている。 日々の生活に寄り添う確かなる存在感 服好きがバッグに求めるものとは何か。機...

「アイヴァン」からニューヨークに実在する通りの名前を冠した新作アイウエアコレクション登場

  • 2025.11.21

ニューヨークに実在する通りの名前を冠した「アイヴァン」の新作コレクション。クラシックな要素をサンプリングしながらも現代の空気感を絶妙に捉え服と同等か、それ以上にスタイルを左右する究極のファッショナブルアイウエア。 Allen 2023年、NYに誕生した「ビースティ・ボーイズ・スクエア」。その付近で出...

今こそマスターすべきは“重ねる”技! 「ライディングハイ」が提案するレイヤードスタイル

  • 2025.11.16

「神は細部に宿る」。細かい部分にこだわることで全体の完成度が高まるという意の格言である。糸や編み機だけでなく、綿から製作する「ライディングハイ」のプロダクトはまさにそれだ。そして、細部にまで気を配らなければならないのは、モノづくりだけではなく装いにおいても同じ。メガネと帽子を身につけることで顔周りの...