「スポーツジャケット」ってどんな革ジャン? ライダース、フライトジャケットに続く第三勢力の魅力に迫る!

一口に「革ジャン」といってもその種類は様々なため、何を選んでよいのか悩んでしまう人も多いのではないだろうか? 今回紹介するのは「スポーツジャケット」。スポーツといっても汗をかくような激しい運動用の服ではない。アウトドアをはじめとする野外活動用の服として、1930年代のアメリカ人が好んで着用していたライダースジャケットのことだ。後半では2022年の最新モデルを紹介しているのでお見逃しなく!

レザーでできたスポーツジャケットとはどんな革ジャン?

BILTBUCK Lot.706 Deerskin Stag Jacket

通称「スポジャケ」はライダースジャケットが誕生する以前の1910〜1930年代にバイク乗りを中心に好まれていた革ジャンだ。素材は馬革がメインで、袖はカフス仕様、背中にプリーツが入るものも多い。現代のライダースに比べてシンプルなので普段着としても使いやすい。ひと味違うヴィンテージスタイルを楽しめる、クラシックレザージャケットである。

ライダースともミリタリーとも異なる独特のスタイルを持つ「スポジャケ」。どんな種類があるか、見ていこう。

1.ダブルタイプ

FINE CREEK LEATHERS Scarecrow

このタイプのスポーツジャケットは、一見するとダブルライダースのように見えるが、襟を留めるボタンはなく、袖口はカフス仕様になっている。背中にセンタープリーツのあるものも存在する。こちらは、1930年代の革ジャンがモチーフになっている。

2.シングルタイプ

BILTBUCK Lot.706 Deerskin Stag Jacket

シングルタイプの襟、襟のバタつきを抑えるチンストラップ、カフス、胸ポケのボールチェーンなど、クラシカルなディテールを持ち、最もスポジャケらしいデザインを持つタイプが「シングルタイプ」。こちらは、大戦以前のデコラティブなライトジャケットをイメージしたシングルスポーツジャケット。ヨークの入ったバックスタイル、ハトメエンドのジッパー、ボールチェーンなどクラシックなディテール満載。

3.熊ジャン

Dry Bones Leather and Sheepskin Jacket “GRIZZLY”

主に1930年代に多く見られるスタイルで防寒性を高めるためにボディの前面と背面、襟にムートン(主にシープで、ラムなどもある)を配したデザインが特徴。その姿が熊のように見えるこから「熊ジャン」と呼ばれる。ウエストベルトを装備するものも多く、防寒性も高い。写真は、1930年代頃のヴィンテージを元に製作した、ホースハイドにムートンファーをあしらった贅沢なグリズリージャケット。袖口の隠しリブのほか真鍮製のフロントバックルでウエストを締めるというライダースに見られる使用もあり、ライダースジャケットとしても最適。

4.A-1タイプ

TROPHY CLOTHING STEER HIDE A-1 JACKET

米陸軍航空隊の第1号フイトジャケットであるA-1によく似たタイプも数多く存在する。フロントのボタン留めと、襟の形状が特徴的だ。ディアスキンを採用したモデルも多数ある。こちらの写真のジャケットも、ショールカラー、両玉縁のポケットなど上品な雰囲気のA-1スタイル。使用する革はブルハイド専用のタンナーで仕上げ、手染めを何度も繰り返す「手染め手法」を施したハンドダイニングステア。裏地にはチノクロス、脇部分にはオリジナルブラスバックルを使用している。

▼ちょっと深いスポーツジャケットの話はこちら。

スポーツジャケットとは? レザーを大衆化させたスポーツジャケットの功績。

スポーツジャケットとは? レザーを大衆化させたスポーツジャケットの功績。

2022年10月02日

「スポーツジャケット」のディテールをチェック!

ここでは、スポーツジャケットの特徴ともいえるディテールを見ていこう。同じ革ジャンであるライダースとも、実は違う部分が多々あるのだ。

マテリアル

スポーツジャケットはホースハイドで作られるのが一般的。ライダースに使われることが多い牛・豚・羊に比べて強度が高くない反面、動きやすく、そして独特の風合いを醸し出すのだ。1940年代ごろまで裏地には、ジャカード織りなどのレーヨン生地が使われてた。

ラベル

羊や馬など、ジャケットに使用している革の種類を示すラベルが、ネームラベルとは別に付けられているのは、1930年代~ 1940年代初期のものに見られる仕様。黒地に金文字のデザインが多く見受けられる。

人気アメカジブランドのスポーツジャケットを一挙紹介!

基本的なスポーツジャケットのことがわかったら、どんなブランドがどんなアイテムを出しているのか気になるところ。シンプルなデザインなので、キレイ目なファッションにも似合わせることができ、革ジャン初心者にも楽しめるのがスポーツジャケットの魅力。ぜひ気になる一着を見つけてほしい。アイテムは2022年現在販売されているものだが、サイズによっては手に入りにくいものもあるので注意が必要だ。

1.THE FLAT HEAD(フラットヘッド) LJ-HS005

戦前のスポーツジャケットをモチーフにしたデザインは、手間暇を惜しまないディテールを随所に落とし込んでいる。あえて袖をライダース風のジッパー仕様に。スポーツジャケットと言えば、袖はカフスにするのが一般的であるが、バイクに乗ることも考慮してジッパーを配している。バイクに快適に乗れる意匠もブランドのこだわりである。27万2800円(46インチは30万5800円)

【問い合わせ】
フラットヘッド
TEL026-275-6666
https://www.flat-head.com

2.Pherrow’s(フェローズ) 22W-SJ88

1930年代頃に一世を風靡したスポーツジャケットのヴィンテージをベースにデザイン。2014年の初登場以来、フェローズのレザージャケットの中でも圧倒的な人気を誇る万能シングルモデル。渋なめしで仕上げられたホースハイドは着込むほどに風合いが増す。17万9300 円

【問い合わせ】
フェローズ
TEL03-5725-9577
https://www.pherrows.com

3.FINE CREEK LEATHERS(ファインクリークレザーズ) Santa Anita

厳選された2.0〜2.3㎜厚の繊維の密度が詰まった原皮をフルベジタブルタンニンなめしのほか様々な工程を経て仕上げた極上の馬革を使用。デザインは1930年代のヴィンテージがモチーフ。独特のシワ、シボ感、そして色落ちすることで現れる茶芯が楽しめる。16 万9950 円

【問い合わせ】
ファインクリークレザーズ
TEL050-3390-2470
https://www.finecreek.jp

この記事を書いた人
モヒカン小川
この記事を書いた人

モヒカン小川

革ジャンの伝道師

幼少期の革ジャンとの出会いをきっかけにアメカジファッションにハマる。特にレザー、ミリタリーの知識は編集部随一を誇り、革ジャンについては業界でも知られた存在である。トレードマークのモヒカンは、やめ時を見失っているらしい。
SHARE:

Pick Up おすすめ記事

夏のアメカジがもっと楽しくなる「HEATH」のオリジナルプリントT !!

  • 2026.06.30

横浜を拠点に“大人のアメカジ”を提案する「ヒース」。セレクトショップでありながらハイクオリティなオリジナルプロダクツに定評があり、遊び心のあるアイテムや限定モデルも多く展開している。その筆頭が7.4オンスの肉厚Tシャツシリーズだろう。 [caption id="" align="alignnone"...

「ファーストアローズ」創業30周年記念! 「JELADO」「RE-BUILT」とのコラボによる銀で彩った、贅沢なデニム。

  • 2026.06.29

日本屈指のシルバーアクセサリーブランド「ファーストアローズ」が創業30周年を記念して、これまでの集大成かつファンへの感謝の気持ちを込めて、「JELADO」と「RE-BUILT」とコラボしたスペシャルなデニムを制作。限定100本。節目の年に相応しいこだわりに満ちたデニムの詳細を大解剖! First A...

初夏は、泥と大戦で。「STUDIO D’ARTISAN」2026SSの新作を紹介!

  • 2026.07.03

選ぶのは「泥染の開襟シャツ」か、「大戦モデル」か──。この初夏、気になるのは対照的な表情を持つ二つの新作だ。そのどちらにもステュディオ・ダ・ルチザンならではの、丁寧な作りと遊び心が息づいている。 奄美大島の伝統技法が生む、泥染ならではの深い表情に注目 奄美大島に古くから伝わる泥染は、テーチ木(シャリ...

上品に纏うちょうどいい季節。大人の夏にちょうどいい「ORGUEIL」のシャツ

  • 2026.06.30

気温の上昇とともに、装いは軽く簡素になる。だからこそ求めたいのは、肩肘張らない大人の品格だ。クラシックをモダンに再構築したORGUEILのシャツが、大人の夏にちょうどいい存在感を放ってくれるはずだ。 Shawl Collar Denim Work Shirt 1930 年代に現存したアメリカンワーク...

革とデニムの境界線を越える! デニムのように見えるけど実はコレ、革なんです。

  • 2026.07.02

前号でもお伝えしたが、天神ワークスの開発していた新しい革「リジットレザー」が完成し、この度、遂にレザージャケットとなって登場した。まずはこの写真を見てほしい。これは、天神ワークス代表の髙木さんが1カ月着込んだもの。このエイジング、まさにデニムじゃね? でも、レザーらしいエイジングも見え隠れする、唯一...

Pick Up おすすめ記事

時とエイジングを刻む。VAGUE WATCH&Co. × CONSIGLIERE THE 1ST SPECIAL WATCH

  • 2026.07.02

時計は時間を刻むもの。本来の目的はそれで十分だが、「エイジングするものに囲まれて暮らしたい」という自称革ジャンの伝道師・モヒカン小川はベルトにもこだわる。そんな彼が愛用するヴァーグウォッチとシルバージュエリーブランド「コンシリエーレ」のコラボウォッチには毎日身につけた分のエイジングが刻まれている。 ...

【連載】ビートルズのことを考えない日は一日もなかった

  • 2024.02.05

80年代、私的ビートルズ物語。 ビートルズ研究と収集に勤しむビートルデイズを始めて早44年(Since1980)。 なにをするにもビートルズが基準だった『昭和40年男』編集長のビートルズ史を、 当時の出来事とともに振り返ります。

夏の余白に、存在感を。大人メンズの夏スタイルに個性と奥行きを添えてくれるアイテムを紹介!

  • 2026.06.30

シンプルな装いだからこそ、アクセサリーや小物が着こなしの印象を大きく左右する夏。そんな季節にチャコールグリーンが提案するのは、物語とクラフトマンシップを宿した逸品たち。夏のスタイルに個性と奥行きを添えてくれるアイテムを紹介する。 手仕事が生む、本物の存在感 2002年に誕生したアティースは、「REL...

「ファーストアローズ」創業30周年記念! 「JELADO」「RE-BUILT」とのコラボによる銀で彩った、贅沢なデニム。

  • 2026.06.29

日本屈指のシルバーアクセサリーブランド「ファーストアローズ」が創業30周年を記念して、これまでの集大成かつファンへの感謝の気持ちを込めて、「JELADO」と「RE-BUILT」とコラボしたスペシャルなデニムを制作。限定100本。節目の年に相応しいこだわりに満ちたデニムの詳細を大解剖! First A...

上品に纏うちょうどいい季節。大人の夏にちょうどいい「ORGUEIL」のシャツ

  • 2026.06.30

気温の上昇とともに、装いは軽く簡素になる。だからこそ求めたいのは、肩肘張らない大人の品格だ。クラシックをモダンに再構築したORGUEILのシャツが、大人の夏にちょうどいい存在感を放ってくれるはずだ。 Shawl Collar Denim Work Shirt 1930 年代に現存したアメリカンワーク...