はたして、そこまで汚れがヒドくなってしまったものをきれいにすることは可能なのか?
思い切った“水洗い”が愛用靴を生き返らせる!
本格的に汚れを落とすなら水洗いを、と提案するのはシューズケア用品を扱う老舗「R&D」の営業主任である畑山亮さん。
「水洗いも難しくないし、程度にもよりますが、驚くほどキレイになります。表情が一変すると愛情も深くなりますから、ぜひ一度チャレンジしてみて下さい」
Lightning編集部が畑山さんに聞いた、水洗いの方法をさっそくご紹介しよう。
正しい洗い方をマスター! さっそく水洗い開始!
【1】
丸洗いではないので内側は濡れないようにタオルを入れる。
【2】
少しずつ水をかけていく。水を含ませたスポンジからかけていく方が失敗が少なく安心だ。
【3】
スウェード用シャンプーを洗浄用ブラシに適量取る。
【4】
円を描くように泡立てながら起毛の奥の汚れまでしっかり洗う。
しっかりやりたい、脱水~乾燥。
【5】
直接ではなく水を含ませたスポンジを使用して洗い流す。
【6】
汚れと洗剤を洗い流したらタオルで余分な水分を拭き取る。
【7】
風通しのよい日陰で乾燥させる。つま先を上げて靴底もしっかり乾かすようにしよう。
【8】
乾燥後、色の抜けがあるならスウェード用の染料で補おう。乾燥したら仕上げにブラッシングして毛並みをキレイに整えて、完成。
劇的!ビフォーアフターをご覧あれ!
そうして仕上がった結果がこちら。乾燥も含めてわずか半日(実際の作業は数10分)の作業で、汚れて色が抜けて毛も寝てしまっていたスウェード靴が、見違える質感へと復活を遂げた。さらにシュートゥリーを使うことで、新品時のようなフォルムをよみがえらせることも可能だ。
▼使用したのはこちら!
※ブラシとスポンジのみそこまで汚れてないけれど、日々のお手入れはどうすればいい?
水洗いするほど汚れてはいないけれど、ちょっと気になる汚れが出てきた……「味」と「汚れ」はまったくの別物だからきちんと日々のメンテナンスもマスターしておきたい。何より汚れが定着するのは、革にとってあまりよろしくない。
では、スエードはどうやってケアしてあげるのがいいのか? 本格的なミリタリーガーメンツのリプロダクトに定評のある「バズリクソンズ」亀屋康弘さんに自身が実践しているメンテナンス法を教えてもらった。
【用意するもの】
亀屋さんのメンテナンスギアは、汚れ落とし用の消しゴムと、硬いテンションの毛ブラシのみ。起毛素材であるスエードに靴クリームなどの薬剤を塗り込んでしまうと、逆に汚れの原因となってしまうので絶対やめよう。スエード専用の防水スプレーだけでOKだ。
【1】消しゴムで汚れを落とす。
汚れは目立ってきたら消しゴムを使い、ゆっくりとこすって汚れを落とす。汚れを落とした直後はこすった部分が白浮きしたように見えるが、ブラシで表面を整えると本来の色に戻る。
【2】毛ブラシでブラッシング。
硬いテンションの毛ブラシを使い、全体のホコリを落とす。同一方向にブラッシングすることで毛並みが整い、毛の間に送り込まれる空気によってスウェード特有のフカフカした質感が出る。
【3】保管する。
スエードは表革を裏使いにしているため内部の湿気を取らないとカビの原因になってしまう。真夏など長期保管時には新聞紙を靴の中に入れて、湿気除去と型崩れを同時に防ごう。このように正しくケアすれば、それだけモノとしての寿命も延びる。放置しているスエード靴がある人は、ぜひお試しを。
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(出典/「Lightning Vol.262」「Lightning特別編集 愛用品メンテ大全」)
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