1.RULEBRAKER by HELLWIG [2016 NISSAN TITAN XD]
昨年のSEMAショーでデビューを果たして話題となったのが、オフロードパーツのスペシャリストHellwig社と、ピックアップ用キャンピングシェルの老舗Lance社のコラボレーションで生まれた掟破りのキャンパー、その名も“RuleBraker”だ。
Lance社の1/2tonピックアップ用としてポピュラーな650シェルを、Hellwig社でチューニングが施された’16年式タイタンに搭載。道なき道を疾走する超ヘビーデューティなキャンパーが誕生したのだ。日産タイタンといえば、カミンズ製5リッターディーゼルエンジンを搭載し、クラストップのトルクを誇るパワフルなピックアップだ。
ICON社製の3インチリフトサスペンションに加えて車重が増加した分のリアにはエアバッグも追加し、足回りを強化。またWARNのウインチやFabFoursのバンパー、N-fabのサイドステップ、Bushwackerのオーバーフェンダーと、オフロードの定番パーツで武装したタイタンは、イエローにブラックのラインを追加。
一方のシェルはブラックボディにイエローのラインという色鮮やかなコーディネイトだ。これまでキャンパーシェルというと白をベースとした地味な色味が多かったが、そんなカラーチョイスもまた、ルールブレーカーというネーミングにピッタリなのだ。ピックアップというメリットを活かし、荒れた道でも難なく進む。キャンピングカーの新たなスタイルを提案した1台といえるだろう。
2.ACTION CAMPER[Jeep Wrangler]
アメリカを代表するオフロードビークルといえば、ジープを取り上げない訳にはいかないだろう。戦前のMB型にルーツを持つ、生粋のオフロード4×4は、まさにヘビーデューティと呼ぶに相応しいキャンパーとなるのだ。
カリフォルニアで製造されるアクションキャンパーは、そんなジープをベースとしたヘビーデューティキャンパーだ。4ドアのアンリミテッドをベースに、脱着可能なルーフやリアゲートを外した上で、このキャンピングユニットを装着。ピックアップにシェルを搭載したキャンパーと比べて、ユニットは恒久的に固定される仕組みとなっている他、運転席から居住スペースに直接移動が可能なのが大きく異なる部分。さらにシェルの上部がポップアップするので、室内は驚くほど広い。
オフロード性能のスポイルしないような工夫が随所に施されているのも大きな特徴。例えばユニット後端の下部は斜にきりあげてあり、デパーチャーアングルを減少させないように工夫されている。キャンプ場と違って、砂漠の中ではコヨーテなどの野生生物が多く生息しているため、車両の外にテントを張って宿泊することは時として命取りとなる。そんな場所でもこのアクションキャンパーなら、安心して宿泊が可能。
またブッシュキャンプと呼ばれる荒野での宿泊だけでなく、湿地帯などを進む場合、さらに平坦な場所のない岩場でのキャンプなど、どんな場所でも宿泊に困ることはないはずだ。世界を渡り歩く冒険者にとって、アクションキャンパーは最適な相棒といえるだろう。
3.DUTCH CAMPER [MERCEDES-BENZ UNIMOG]
工事現場や建設現場、さらには災害現場や紛争地帯まで、地球上のあらゆる場所で活躍している最強の4×4といえば、ダイムラーベンツ社のウニモグだろう。第二次大戦後に農作業などに使用する多目的自動車として開発されたウニモグは、その堅牢なボディと圧倒的な走破力が評価され、多くの国で軍用車としても使用されている最強の自動車と呼ぶに相応しい1台だ。
そんな最強の移動手段をキャンピングカーのベースに使わない手はない。オランダのDutchCamper という会社は、そんなウニモグをベースに、キャンプに最適な車両へとコンバートしてしまった。元々通信車両や移動指揮車、緊急自動車として、このような後部に箱形の部屋を架装したモデルは多く存在しているが、そんなモデルにヒントを得て、箱の中身をキャンピングカーとしてしまったのがこのクルマだ。
ベースとなっているのは軍で野戦病院として使用していた救急車。通常キャンピングカーというと、装備の軽量化のために、シェルはアルミやFRPといった軽量素材を使用したボディを架装するが、このクルマは軍で使用されていただけあって、後部ボディもスティール製と非常に頑丈な作りなのが特徴。外観は軍用車両のままというのも、男心と冒険心をくすぐる魅力的なポイントだ。右側面に備わるハッチから車内に入ると、インテリアは想像以上に広く、キッチンや冷蔵庫、電子レンジなどさまざまな装備のほか、テーブルはもちろん、2段ベッドを備えていて、長期間快適に生活することができる。
4.Dormobile [LAND ROVER DIFFENDER]
惜しくも2015年の11月をもって、生産を終了してしまったランドローバー社のディフェンダー。市場ではすでにプレミアが付いており、これほど値の下がらないクルマも珍しい。フラッグシップモデルであるレンジローバーやディスカバリーが高級路線に舵を切る中、ディフェンダーは頑なにヘビーデューティな実用車としての立ち位置を守り続けた。そのタフで機能美溢れる作りは、世界各国の軍隊や警察、消防にも使われ、世界でもっともヘビーデューティなクルマのひとつとして知られる。
そんなディフェンダーに、ポップアップルーフの付いたキャンパーが存在するのはご存知だろうか? もちろん正規でリリースされたものではないが、もっともメジャーなのが、イギリスにあるドモービル社。その関係は旧く、1960年代にはドモービルがカスタマイズしたランドローバー社の車両が確認でき、他にフォルクスワーゲンやオースティンミニまで手掛けるなど、この手のポップアップ式ルーフのビルダーとしては広く知られた存在である。
もちろん今でもディフェンダーの架装を行っており、今回取材したサンカーズは、日本における代理店を務める。なんと言っても、その魅力は、ディフェンダーの無骨な雰囲気を壊さないヘビーデューティな作りであること。もっとコンフォートな架装を手掛けるビルダーはいるが、このタフ&ラフな雰囲気を出せるのは、世界中を探してもドモービル社くらいであろう。
男なら誰もが憧れそうなルックスと、機能的な装備を纏ったヘビーデューティーキャンパーの世界はいかがだっただろうか? トラックベースのキャンパーが主流の日本だが、こんな個性的な車両でオートキャンプ場に乗りつけたらヒーローになること間違いなし! もちろん誰もいない(入ってこれない?)山奥でのキャンプももちろんOKだ!
【DATA】
サンカーズ
TEL0586-45-5507
http://www.sun-auto.jp/lr/
(出典/「別冊ライトニングCAMPER STYLE」)
関連する記事
-
- 2024.10.21
テスラModel 3で、520km走ってアメリカ最南端行ってみた!
-
- 2024.11.20
名車が並ぶ!クルマ、バイク好きのクラブハウスというガレージライフ。