4×4をベースとした「ヘビーデューティキャンパー」なら、ラフロードもものともしない冒険の旅へ。

一歩町を抜ければ広大な荒野が広がるアメリカや、陸続きでアフリカ大陸に行けるヨーロッパでは、手つかずの自然に対峙できる高い走破性を持った4×4をベースとしたキャンパーが数多く存在する。ラフロードをものともしない“ヘビーデューティキャンパー”なら、地図を見て道を選ぶ必要なんかない。自分の直観に身を任せて、アクセルを踏めばいい。道なき道を行き、誰も目にしたことのない美しい風景に酔いしれ、大地と共に眠る。そんな心躍る冒険の旅にお連れしよう。

1.RULEBRAKER by HELLWIG [2016 NISSAN TITAN XD]

昨年のSEMAショーでデビューを果たして話題となったのが、オフロードパーツのスペシャリストHellwig社と、ピックアップ用キャンピングシェルの老舗Lance社のコラボレーションで生まれた掟破りのキャンパー、その名も“RuleBraker”だ。

Lance社の1/2tonピックアップ用としてポピュラーな650シェルを、Hellwig社でチューニングが施された’16年式タイタンに搭載。道なき道を疾走する超ヘビーデューティなキャンパーが誕生したのだ。日産タイタンといえば、カミンズ製5リッターディーゼルエンジンを搭載し、クラストップのトルクを誇るパワフルなピックアップだ。

搭載するシェルは、Lance 社製の650という市販モデルで、特別なモディファイは施されていないが、これまでシェルというと白が定番だったボディカラーをブラックとすることで、大幅にイメージチェンジ。あわせて窓もフィルムでブラックアウトしている。また黒くすることでシェルを搭載したピックアップの腰高感を解消するというメリットもある。非常に戦闘的なスタイルだ

ICON社製の3インチリフトサスペンションに加えて車重が増加した分のリアにはエアバッグも追加し、足回りを強化。またWARNのウインチやFabFoursのバンパー、N-fabのサイドステップ、Bushwackerのオーバーフェンダーと、オフロードの定番パーツで武装したタイタンは、イエローにブラックのラインを追加。

一方のシェルはブラックボディにイエローのラインという色鮮やかなコーディネイトだ。これまでキャンパーシェルというと白をベースとした地味な色味が多かったが、そんなカラーチョイスもまた、ルールブレーカーというネーミングにピッタリなのだ。ピックアップというメリットを活かし、荒れた道でも難なく進む。キャンピングカーの新たなスタイルを提案した1台といえるだろう。

Lanceの650というと、現行のLance社製キャンピングシェルの中では最も短いモデルとなるが、とはいえ車内は十分に広い。電子レンジを備えたキッチンはもちろん、シャワー、トイレも完備する本格的なものだ。レイアウトも機能的で、使い勝手も非常によい

2.ACTION CAMPER[Jeep Wrangler]

アメリカを代表するオフロードビークルといえば、ジープを取り上げない訳にはいかないだろう。戦前のMB型にルーツを持つ、生粋のオフロード4×4は、まさにヘビーデューティと呼ぶに相応しいキャンパーとなるのだ。

カリフォルニアで製造されるアクションキャンパーは、そんなジープをベースとしたヘビーデューティキャンパーだ。4ドアのアンリミテッドをベースに、脱着可能なルーフやリアゲートを外した上で、このキャンピングユニットを装着。ピックアップにシェルを搭載したキャンパーと比べて、ユニットは恒久的に固定される仕組みとなっている他、運転席から居住スペースに直接移動が可能なのが大きく異なる部分。さらにシェルの上部がポップアップするので、室内は驚くほど広い。

アクションキャンパーは通常のピックアップ用シェルと異なり、Jeepのために設計した専用のユニットをボディに接合している。そのため汎用性の高いシェルと比べてデザインは美しく、バランスも非常に良いのが特徴

オフロード性能のスポイルしないような工夫が随所に施されているのも大きな特徴。例えばユニット後端の下部は斜にきりあげてあり、デパーチャーアングルを減少させないように工夫されている。キャンプ場と違って、砂漠の中ではコヨーテなどの野生生物が多く生息しているため、車両の外にテントを張って宿泊することは時として命取りとなる。そんな場所でもこのアクションキャンパーなら、安心して宿泊が可能。

またオフロード性能をスポイルしないように設計されているので、キャンパーでありながらジープのオフロード性能を100%発揮できるのだ。ユニットの幅はラングラーのフェンダーアーチとピッタリで、拡幅していないのも特徴。なおユニットは運転席からアクセスできるほか、車外からは後部のハッチを開けてアクセスする

またブッシュキャンプと呼ばれる荒野での宿泊だけでなく、湿地帯などを進む場合、さらに平坦な場所のない岩場でのキャンプなど、どんな場所でも宿泊に困ることはないはずだ。世界を渡り歩く冒険者にとって、アクションキャンパーは最適な相棒といえるだろう。

ジープのオフロード性能をキープするため車内は決して広いとはいえないが、ポップアップルーフを持つため、就寝時はかなり広いベッドが出現。大人2名がゆったりと就寝可能だ
運転席と行き来できるのも大きな特徴で、簡易トイレやキッチンも備わるため、基本的に車内で全ての生活が可能。湿地や野生動物が多い地帯など、テントの張れないような場所でも快適に過ごすことができる

3.DUTCH CAMPER [MERCEDES-BENZ UNIMOG]

工事現場や建設現場、さらには災害現場や紛争地帯まで、地球上のあらゆる場所で活躍している最強の4×4といえば、ダイムラーベンツ社のウニモグだろう。第二次大戦後に農作業などに使用する多目的自動車として開発されたウニモグは、その堅牢なボディと圧倒的な走破力が評価され、多くの国で軍用車としても使用されている最強の自動車と呼ぶに相応しい1台だ。

ベースがウニモグなので、悪路の走破性は折り紙付き。泥濘地走行用のシュノーケルを備えるため、下の写真程度の渡河なら朝飯前。タイヤが全て水没するレベルの水深まで水に入ることが可能なのだ。また最低地上高が驚くほど高いため、文字通り道なき道を進むことが出来る

そんな最強の移動手段をキャンピングカーのベースに使わない手はない。オランダのDutchCamper という会社は、そんなウニモグをベースに、キャンプに最適な車両へとコンバートしてしまった。元々通信車両や移動指揮車、緊急自動車として、このような後部に箱形の部屋を架装したモデルは多く存在しているが、そんなモデルにヒントを得て、箱の中身をキャンピングカーとしてしまったのがこのクルマだ。

軍用の救急車がベースとなっているだけあって、外観は完全なるミリタリー仕様。後部キャビンも頑丈なスティール製なので横転しても内部が損傷することはないという。車体後部ハッチを開けると2段ベッドが目に入る

ベースとなっているのは軍で野戦病院として使用していた救急車。通常キャンピングカーというと、装備の軽量化のために、シェルはアルミやFRPといった軽量素材を使用したボディを架装するが、このクルマは軍で使用されていただけあって、後部ボディもスティール製と非常に頑丈な作りなのが特徴。外観は軍用車両のままというのも、男心と冒険心をくすぐる魅力的なポイントだ。右側面に備わるハッチから車内に入ると、インテリアは想像以上に広く、キッチンや冷蔵庫、電子レンジなどさまざまな装備のほか、テーブルはもちろん、2段ベッドを備えていて、長期間快適に生活することができる。

またボディ下部には追加のガソリン携行缶を搭載できるスペースを持つ
内部にシャワールームを持たないため、屋外シャワーを完備している
車体前部に備わる対面式のテーブル&チェアは、ベッドにコンバート可能。後部の2段ベッドとともに4名が就寝可能だ。車体左側に簡単なキッチンを備えるほか、反対側には大型の冷蔵庫や電子レンジなどを備える。また壁一面の収納は、引き出し替わりのコンテナをラバーバンドで固定することで、オフロード走行でも荷物が動かないように工夫されている

4.Dormobile [LAND ROVER DIFFENDER]

惜しくも2015年の11月をもって、生産を終了してしまったランドローバー社のディフェンダー。市場ではすでにプレミアが付いており、これほど値の下がらないクルマも珍しい。フラッグシップモデルであるレンジローバーやディスカバリーが高級路線に舵を切る中、ディフェンダーは頑なにヘビーデューティな実用車としての立ち位置を守り続けた。そのタフで機能美溢れる作りは、世界各国の軍隊や警察、消防にも使われ、世界でもっともヘビーデューティなクルマのひとつとして知られる。

そんなディフェンダーに、ポップアップルーフの付いたキャンパーが存在するのはご存知だろうか? もちろん正規でリリースされたものではないが、もっともメジャーなのが、イギリスにあるドモービル社。その関係は旧く、1960年代にはドモービルがカスタマイズしたランドローバー社の車両が確認でき、他にフォルクスワーゲンやオースティンミニまで手掛けるなど、この手のポップアップ式ルーフのビルダーとしては広く知られた存在である。

外に付いているピンを外してから、内側に入って持ち上げるだけの簡単な構造。慣れてしまえば、1~2分で完成するはず。両サイドにアウトドア用のコットのように寝られる簡易ベッドがある。屋根には窓があるので、快適に寝ることができる。下げる時も実に簡単だ

もちろん今でもディフェンダーの架装を行っており、今回取材したサンカーズは、日本における代理店を務める。なんと言っても、その魅力は、ディフェンダーの無骨な雰囲気を壊さないヘビーデューティな作りであること。もっとコンフォートな架装を手掛けるビルダーはいるが、このタフ&ラフな雰囲気を出せるのは、世界中を探してもドモービル社くらいであろう。

男なら誰もが憧れそうなルックスと、機能的な装備を纏ったヘビーデューティーキャンパーの世界はいかがだっただろうか? トラックベースのキャンパーが主流の日本だが、こんな個性的な車両でオートキャンプ場に乗りつけたらヒーローになること間違いなし! もちろん誰もいない(入ってこれない?)山奥でのキャンプももちろんOKだ!

【DATA】
サンカーズ
TEL0586-45-5507
http://www.sun-auto.jp/lr/

(出典/「別冊ライトニングCAMPER STYLE」)

この記事を書いた人
ランボルギーニ三浦
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ランボルギーニ三浦

ヴィンテージ古着の目利き

全国的に名を轟かせていた札幌の老舗ヴィンテージショップに就職。29歳で上京。Lightning編集部、兄弟誌・2nd編集部で編集長を務めた後、現在は、Lightning副編集長に。ヴィンテージ、古着の知識はその道のプロに匹敵。最近はヴィンテージのロレックスが最大の関心事で、市場調査も日課のひとつ。ランボルギーニ三浦の由来は、もちろんあの名車。
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