伊達に40年やっていない! 圧巻のTM NETWORK初の展示会

東京都・銀座のGinza Sony ParkでTM NETWORK初の展示会『TM NETWORK 2025 IP』が開催されている(開催期間は2025年10月3日まで)。本展は、TM NETWORKに関連する3つの“IP”、①Intellectual Property、②Intelligence Park、③Inspiring Philosophyをテーマに構成された体験型のエキシビションだ。ライブで着用した衣装、音源と映像のアーカイブ、シューティングゲーム、MVの世界に自身を組み込むアクティビティ、コラボフードなど、「伊達に40年やっていない」と小室哲哉が自負するだけに展示物とその情報量のボリュームは圧巻だ。

TM NETWORK初の展示会のキーワードは“IP”

TM NETWORK 2025 IP』のメインビジュアル。「i」は地球をイメージし、日本が中心にレイアウトされている。バックは銀座の地図になっている

イベントのタイトル、原案、ロゴは小室が考案した。タイトルの“IP”に込めた意図を小室はこう語る。

小室 今ではトレンドというか、当たり前の皆さんも使う知的財産のIPというのは、ちょっと前はコンテンツビジネスとかコンテンツと言っているんですけれど。多分、今のIPビジネスとかキャラクターを使うとかなんでも、アニメからゲームから、僕たちのアーティストみたいなものも、すべて知的財産というところでいいんじゃないかなと“IP”が浮かんできて。40周年ツアーの時に「Intelligence Days」というツアータイトルを使っていたこともあって、Intelligenceというのは今ではイコール情報という言葉になっていますけど、そのIntelligenceの“I”と、Ginza Sony ParkさんのPark(公園)の“P”で、「Intelligence Park」にもなるな、ととりあえず2つ。他にももっとあると思いますが、それは皆さんに考えていただきたい。

『TM NETWORK 2025 IP』の記者会見に登壇したTM NETWORK。左から小室哲哉、宇都宮隆、木根尚登

“IP”の“P”に組み込まれたGinza Sony Parkがイベント会場であることにも意味がある。もちろんTM NETWORKがEPICソニーからデビューして以来のレーベルとしての関係もさることながら、ソニーとTM NETWORKの創造の姿勢に共通点があるからだ。ソニー・ミュージックレーベルズ レガシーブラス代表の兼平裕巳氏は言う。

兼平氏 TM NETWORKの最大の魅力は、いつの時代も未来を感じさせてくれる先進性のある音楽性。そして、新しいことをチャレンジしていく姿勢。これは、実はソニーのアイデンティティと近いものがあって、ソニーは新しいことにテクノロジーを使ってチャレンジしていくというスピリットがある会社であり、この両者が融合したらきっとおもしろいものができると去年ぐらいからプロジェクトメンバーと話していました。TM NETWORKのデビュー41周年目のタイミングにソニーを象徴するGinza Sony Parkがグランドオープンし、このようなエキシビションを開催することができて、非常に光栄に思っています。

TM NETWORKは1984年に“シンセサイザーとコンピュータを駆使して音楽を作るグループ”として登場し、テクノロジーの発達と歩調を合わせるように歴史を重ねてきた。それだけに展示では最新のテクノロジーにこだわっていて、それはシアター型展示の「Intelligence Park」に顕著だ。

「Intelligence Park」は、高精細大型LEDディスプレイ「Crystal LED」に映し出される映像と、立体的な音場を生み出す「360 Reality Audio」によるサウンド、人間の五感の一つである触覚(ハプティクス)に直接訴える技術で映像と連動させて床が振動する「ハプティックフロア」という、ソニーの最新技術で構成された空間で展開されるデジタルプログラム。TM NETWORKの新旧の楽曲を目と耳と体全体で感じて没入でき、サウンドミックスには小室が参加している。この展示を実際に体験した宇都宮隆と木根尚登が感想を述べた。

木根 「Get Wild Continual」がすごい映像でいちばん気持ちよかった。車に乗って町を疾走している映像で流れていて、インストゥルメンタルになってるんです。ビルのいろんな所に懐かしい映像も映っているのもよかった。

宇都宮 今回のソニーさんがやっている技術を考えると、いちばん新しい曲「We Can’t Stop That Way」がすごく似合っていたんですね。もちろん他にもたくさんの曲がありますが、この曲がより楽しめるような感じがします。

「Get Wild Continual」は2024年2月にリリース、「We Can’t Stop That Way」は今年の3〜4月に展開されたツアー「TM NETWORK 2025 YONMARU+01」のオープニングを飾った新曲(デビュー40周年を締めくくるツアーの1曲目に未発表曲をもってくる!)である。なお、「We Can’t Stop That Way」の歌詞の一節の「曖昧な未来に怯えずに」が『TM NETWORK 2025 IP』のキャッチコピーになっている。

Intelligence Parkでの「Get Wild Continual」の映像。ビル群の谷間を貫くハイウェイを猛スピードで駆け抜けていく。背景のなかにTM NETWORKのカットが散りばめられている

TM NETWORKとEXPO

最新のテクノロジーを駆使したエキシビションと聞いて、EXPO(万博)を連想する人は少なくないだろう。今年は「EXPO 2025 大阪・関西万博」が開催されているし、何より『TM NETWORK 2025 IP』のグッズに「EXPOポーチ」があることから、FANKS(TM NETWORKのファン)はTM NETWORKが1991年9月5日に発表した8thアルバム(TMNにリニューアル後2枚目)『EXPO』に思いを巡らせるに違いない。

「EXPO」ツアー(1991〜92年)でメンバーが着用していたステージ衣装
『TM NETWORK 2025 IP』の会場で販売されている「EXPOポーチ」

『TM NETWORK 2025 IP』では、過去の音楽誌のTM NETWORKの記事が展示されている。そこに関連して『EXPO』リリースを控えた時期に発売された『GB』から小室の発言を紹介したい。

──アルバムのタイトルも決まったそうですね。

小室 うん。『EXPO』エクスポっていうタイトル。

──万博のエクスポですか?

小室 そうです。そのとおり、地球を宇宙から見下ろしてる巨大なエクスポ会場があるってイメージ。(中略)EXPOにいろいろなパビリオンがあるように、アルバムにもいろいろな曲が入ってる。70分以上も入ってる。

──EXPOってネーミングキテますよね。

小室 でしょ。気に入ってる。

『GB』(ソニー・マガジンズ)1991年8月号より
※インタビュアーは藤井徹貫氏

──構成にも気を配った?

小室 もちろん。曲順だけで4回もやり直した。パビリオンを回るんだから、どの道順でもよさそうだけど、そうでもないんだ。ENTRANCEとEXITもある。(中略)EXPO全体像も考えるでしょ。全体の枠も考える。CDに入る時間の限界もあるし。だから、パビリオンの数、順列組み合わせ、ボリュームもいろいろ考えた。どのパビリオンも発展性があるよ。
(中略)木根のよさ、ウツのよさ、坂元君(筆者注:詞を提供した作詞家の坂元裕二)のよさ、葛城(筆者注:レコーディングに参加したギタリストの葛城哲哉)のよさという、個人の感性や技術、個性を組み合わせて、いいところも集めて1曲にしているから、1曲ずつ個性的なんだよ。

『GB』(ソニー・マガジンズ)1991年9月号より
※インタビュアーは藤井徹貫氏

アルバム制作時のコメントだが、今回の『TM NETWORK 2025 IP』の展示に言及しているようにも取れる、というのはこじつけが過ぎるだろうか。そういえば、パビリオン(Pavillion)の頭文字は“P”だ。

『TM NETWORK 2025 IP』は約40年のキャリアを総括するエキシビションでありながら、自らの最新形と未来を提示してみせる。TM NETWORKは常に未来を鳴らし、時代を更新し続けているのだ。

「Magagine」エリアでは、『PATI・PATI』『GB』といった音楽誌を読むことができる

「TM NETWORK 2025 IP」概要

●名称:TM NETWORK 2025 IP
(読み:ティーエムネットワーク・ニーゼロニーゴー・アイピー)
●日程:10月3日(金)まで ※休園日 9月16日(火)
●時間:11:00~19:00(18:30最終入場)
※下記日程に限っては、開場時間が11:00~20:00(19:30最終入場)となります。
8月26日(火)~31日(日)
9月6日(土)、13日(土)、14日(日)、20日(土)、21日(日)、22日(月)、27日(土)
10月3日(金)
●カジュアルダイニング「1/2 (Nibun no Ichi)」:11:00~21:00 (LO 20:00)
※ 9月1日(月)のみ 11:00~16:00 (LO 15:30)
●チケット(当日・税込):大人 3,000円/高校生・中学生 2,000円/小学生以下 1,500円
●Web:https://www.110107.com/s/oto/page/tmnetwork2025ip/
●情報発信アカウント:@tmnetwork2025ip @otonano
●ハッシュタグ:#TM2025IP

この記事を書いた人
昭和50年男 編集部
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昭和50年男 編集部

昭和50年生まれの男性向け年齢限定マガジン

昭和50(1975)年生まれの男性に向けて、「ただ懐かしむだけでなく、ノスタルジックな共感や情熱を、明日を生きる活力に変える」をテーマに、同世代ならではのアレコレを振り返ります。多彩なインタビューも掲載。
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