2ページ目 - 「世代を越えて見てもらいたい昭和要素が詰まった学園モノ」映画『還暦高校生』公開記念/ひかる一平、直江喜一、河崎実 特別座談会 

──ひかるさんは久々のドラマ主演とはいえ、『金八』以降も映画『胸さわぎの放課後』や「必殺シリーズ」で活躍されてきました。

ひかる 「必殺シリーズ」は、いい経験になったし、その後も後輩が大勢出演していますから、橋渡しになれたのではないかなと思っています。今回は主演とは言っても、若い人たちにがんばってもらいました。何しろ歳が歳なんで(笑)。

──サッカーのシーンが印象的でした。昔の青春ドラマといえばスポーツですね。

河崎 青春ドラマと言ったら、昔からからサッカーかラグビーと話が決まってるんですよ。今回、部員4人しかいないんだけど(笑)。

ひかる 僕は野球少年だったけど、サッカーは全然やってこなかったので、若い子に蹴り方から教えてもらいました。「この角度でキックするとカッコ良く見えますよ」とか教えてもらって。

──カッコよかったですよ。

ひかる 悲しいかな60歳なんで、テイク重ねられないんです(笑)。

河崎 NGなんてなかったですよ。基本、一発撮りなんで。

直江 逆に怖かったけどね。失敗できないなって。リハーサルのつもりでやってたら、それが本番で一発OKが出たり(笑)。

河崎 50代の人が見てきたテレビの良い所が詰め込まれてますから。全編楽しめると思いますよ。特にラストなんて……。

ひかる 監督、そこは言わない方がいいんじゃないですか。

直江 若い人が見て、なんじゃこりゃって思うのも、却って楽しいかもしれないね。

──主題歌になかなかシブい曲が使われてますが。

河崎 葉山ユリさんの「熟れた果実」です。1972年に発売された隠れた名曲だけど、いま聴くと逆に新鮮かもしれない。

ひかる 初めて聴きましたけど、スタッフも豪華で、『還暦高校生』に相応しいと思いました。

河崎 葉山さんって、『飛び出せ!青春』にも出演してるんですよ。村野武範が先生やった作品に。青春ドラマつながりになってるんです。

先生が生徒を平気でビンタしてたからね。

──ほかに印象的なシーンはありますか。

直江 はじめとの居酒屋のシーンもよかったな。高校生が普通に酒盛りしてるなんて、普通ならあり得ないですよ。

──二人が並ぶだけで絵になると言いますか。

ひかる まさる久々に共演できてうれしかったけど、それを言うなら、休憩時間に学ランのままタバコ吸ってましたから。もし通報されたら問題になってたかも(笑)。

河崎 でも、もともと青春ドラマって、年齢がかなり上の高校生が大勢出演してたからね。先生より先輩の生徒だっていたから(笑)。

──今の学校ものだと見られなくなった「体罰」も、「還暦高校生」には出てきます。

河崎 昔は先生が生徒を平気でビンタしてたからね。もちろん生徒が悪いことしたからだけど。そう言った場面のオマージュでもあるんです。

ひかる 往年の学園ドラマで育った人には懐かしさを感じてもらえるし、若い人には新鮮に感じると思うので、世代を越えて多くの人に見てもらいたいですね。

ストーリー
星雲学園の新任教師・野々山健一は初日から騒動を起こした上に青春の謳歌をうたい、生徒たちを困惑させる。一方、星雲学園の生徒・椎名(ひかる一平)は42回も留年して還暦となっていたが、再び受験に失敗する。弱小サッカー部の部長になった野々山が椎名を勧誘するが、椎名は野々山がゴールを1,000本止めたらサッカー部に入ると宣言する。

『還暦高校生』
(2025年/日本/68分/G)
監督:河崎実
出演:ひかる一平、直江喜一、森井信好、石田泰誠、戸苅ニコル沙羅、みやのねり、ゆま、町田政則、長谷摩美、笑福亭鶴光、古谷敏
脚本:小野峻志、河崎実
製作:長谷摩美
配給:フリック
https://kanreki-movie.com/?s=06

この記事を書いた人
昭和40年男 編集部
この記事を書いた人

昭和40年男 編集部

1965年生まれの男たちのバイブル

『昭和40年男』は、昭和40年(~41年3月)生まれの男性のための情報誌。誌面では同年齢の活躍を紹介したり、そろそろ気になってくる健康面をサポートする記事の他、かつて夢中になったあれこれを掘り下げる記事を多数掲載!「故きを温ね新しきを知る」──本誌は、昭和40年生まれのための温故知新を提供できる存在になるべく、「ノスタルジックな想い出が呼ぶ共感」を「明日を生きる活力」に変えることを命題に誌面づくりに奮闘中!!
SHARE:

Pick Up おすすめ記事

Wranglerの走破性は本物か? オフロード体験会で徹底検証

  • 2025.10.03

筑波山の麓で開催されたジープのオフロード体験イベントは、ジープオーナーはもちろん、新規顧客にとってもジープの魅力を存分に感じられる特別な一日となった。専用のオフロードでラングラーならではの走破性を体感でき、オーナー同士の交流も見られた。今回は現地取材を通して、その模様と参加者のリアルな声をお届け。 ...

【BIG SMITH×2nd別注】米軍の名作バッグをデニムで再構築! 経年変化が楽しめるデニムのエプロンバッグ。

  • 2025.09.22

これまでに、有名ブランドから新進気鋭ブランドまで幅広いコラボレーションアイテムを完全受注生産で世に送り出してきた「2nd別注」。今回もまた、渾身の別注が完成! >>購入はこちらから! BIG SMITH × 2nd ワーカーズエプロンバッグ 1940年代のアメリカン・レッドクロス(米国赤十字社)が製...

レザーラバー必見! 革ジャン用に作られた薄手のスウェットをゲットせよ!

  • 2025.09.30

革ジャン専用のTシャツをリリースし、レザーラバーから絶大な支持を受けるブランド「ハイウェイナイン」。ライトニング別注の「Lightning Leather Lover Tシャツ」のボディにも使われているので、愛用している方も多いのでは? そんなハイウェイナインが、レザーラバーのために新たなアイテムを...

シルバーをアートに変える、現代の錬金術師。

  • 2025.09.24

ネイティブアメリカンの伝統技法をベースに現代的なエッセンス、そして日本独自の繊細な美意識を加えることで唯一無二の世界観を紡ぎ出すFIRST ARROW’s。一片のシルバーの塊に命を吹き込むその様は まさに現代のアルケミスト(錬金術師)という表現が相応しい。これらの作品は貴方が身に付けることで完成する...

【Willis & Geiger×2nd別注】ミリタリーとサファリが香るアーバンアウトドアウエア

  • 2025.09.17

これまでに、有名ブランドから新進気鋭ブランドまで幅広いコラボレーションアイテムを完全受注生産で世に送り出してきた「2nd別注」。今回もまた、渾身の別注が完成! >>購入はこちらから! 90年代のアーカイブをデザインソースに、上品さを加えてアップデート。ウールメルトンジャケット[メトロ ウォーカー] ...

Pick Up おすすめ記事

Wranglerの走破性は本物か? オフロード体験会で徹底検証

  • 2025.10.03

筑波山の麓で開催されたジープのオフロード体験イベントは、ジープオーナーはもちろん、新規顧客にとってもジープの魅力を存分に感じられる特別な一日となった。専用のオフロードでラングラーならではの走破性を体感でき、オーナー同士の交流も見られた。今回は現地取材を通して、その模様と参加者のリアルな声をお届け。 ...

【BIG SMITH×2nd別注】米軍の名作バッグをデニムで再構築! 経年変化が楽しめるデニムのエプロンバッグ。

  • 2025.09.22

これまでに、有名ブランドから新進気鋭ブランドまで幅広いコラボレーションアイテムを完全受注生産で世に送り出してきた「2nd別注」。今回もまた、渾身の別注が完成! >>購入はこちらから! BIG SMITH × 2nd ワーカーズエプロンバッグ 1940年代のアメリカン・レッドクロス(米国赤十字社)が製...

デニムにする? コーデュロイにする? エドウインのトラウザーズを軸に作る「シン・トラッドスタイル」

  • 2025.09.19

ジャパニーズアイビーのボトムスは、太ももから裾まで太さが一定のパイプドステムが主流であった。対してタック入りのトラウザーズは、1920年代に登場したといわれる、よりクラシックなボトムス。そんな旧きよきトラウザーズを軸に、いつものトラッドスタイルを刷新してみてはいかがだろうか。 【右】トラウザーズ2万...

東洋エンタープライズがこれまでに培ったノウハウや知見の集大成「モダクト」と「タフナッツ」

  • 2025.09.19

「シュガーケーン」や「バズリクソンズ」など、ヴィンテージをベースとした生地やディテールの圧倒的な作り込みで知られる東洋エンタープライズ。そんな同社が手がけるブランド、「モダクト」と「タフナッツ」は、これまでに培ったノウハウや知見の集大成でありながらどんな日常のシーンでも使いやすい実用性を備える。映画...

シルバーをアートに変える、現代の錬金術師。

  • 2025.09.24

ネイティブアメリカンの伝統技法をベースに現代的なエッセンス、そして日本独自の繊細な美意識を加えることで唯一無二の世界観を紡ぎ出すFIRST ARROW’s。一片のシルバーの塊に命を吹き込むその様は まさに現代のアルケミスト(錬金術師)という表現が相応しい。これらの作品は貴方が身に付けることで完成する...