ファッション業界人も注目するIPFUとは!? ミリタリー発トレーニングウエアの名作だって知ってた?。

  • 2022.10.21  2022.06.20

近年のトレーニングブームは、ダイエット目的や巣ごもりによる運動不足解消などネガティブな課題解決を超えて、ここ日本での本格的な健康志向や身体に対する美意識の高まりを示唆している。最近では前向きにアルコール類の摂取を控える「ソバーキュリアス(sober=シラフ、curious=好奇心の2語を組み合わせた造語)」という言葉もあるくらい。

酒もタバコも趣味の一環として楽しみたい(過度ではない)私にとっては、酒やタバコの銘柄自体もそうだが、酒器や喫煙具など周辺道具も愉しみのひとつ。トレーニングも同じく、健康のためというより、仕事でも家庭でもない趣味の時間として楽しみたいのだ。それが健康に寄与し、家庭や仕事に良い影響を加えるなら、なおのこといい。

そこで、前向きに運動やトレーニングを始めるためには、やはり周辺道具から入りたい。ランニングならシューズ、サイクリングなら自転車から入りたいところだが、1番ハードルが低いのはウエア。アガるトレーニングウエアを手に入れることで運動をはじめるきっかけとしてはいかがだろうか。

業界人も注目するミリタリー用トレーニングウエア。

そこで近年、ファッション業界人からも注目されているのがIPFUと呼ばれる存在。Improved Physical Fittness Uniformを略したもので、90年代の米軍用に開発されたトレーニングウエアだ。ミルスペックならではの質の良さや90年代アイテムのビンテージ化、90年代デザインのブーム、さらには価格のお手頃さもも手伝って、一大ブームへとなりかけている。

細かく言えば、海軍(NAVY)と空軍(Air Force)の場合はPTU(Physical Training Uniform)と呼ばれるほか、同じARMYでも時代によってはAPFU(Army Physical Fittness Uniform)と呼ばれるなどいくつかのバリエーションが存在するが、戦地で着用されるというよりは、有事に備えて身体を鍛える目的で着用されるもの。ミリタリーウエアへのためらいがある人も気軽に着用してもらえるはずだ。

もちろん、アスレチックブランドのトレーニングウエアの高い機能性やデザイン性も捨てがたいが、趣味としてトレーニングを愉しむため、ウエアでも他人とは一線を画したいファッション業界人を中心に注目度が高まっている。ジャケットやパンツのほか、Tシャツも半袖、長袖、クルーネックやモックネックなどさまざまなラインナップがある。おすすめのアイテムをいくつか紹介してみたい。

デザインも機能もミリタリースペック! 優秀でお手頃なトレーニングウエアの名作。

まずは名作と呼ぶに相応しい「前期」と呼ばれるIPFUジャケット。これに限らず、アーミーの前期モデルは基本的に黒とグレーのモノトーンデザインで、リフレクターなどが随所に施されているのが特徴的。前後のV字ラインは空軍とも似たデザインだが、グレー1色だけでなくデジカモ仕様も存在する。脇の下と背中のベンチレーターはトレーニングで蒸れたジャケットの温度や湿度を逃す役割を担う。

これは上のIPFUの後継にあたるAPFUで、「後期」と呼ばれる。IPFUから一新したブラックボディと、イエローのビビッドな V字ラインが印象的だ。前期に比べ軽量でしなやかな生地となり、リフレクターやベンチレーターは省略された分、裾に付属したドローコードで裾幅を調整できたり、袖幅の調整ができるアジャスターが追加された。

どの軍もショートパンツは股下が短く、膝上のショート丈。NAVYのショートパンツはスポーツメーカーのニューバランスなどもコントラクターとして採用され、アーミーやエアフォースとは異なり、ネイビーのみサイドのポケットを付属し、街着としても活用しやすい。ブリーフ式、あるいはトランクス式のインナーが付属しており、下着なしでもトレーニングに臨める。

ネイビーと違ってウエストのコインポケット程度しか付属しないアーミーのショートパンツは、余計なものを持たないランニングなどのシーンで使いやすい。ネイビーのショートパンツに比べてシャリシャリとした触り心地で、裾にもベリベリっと開けられる小さなポケットを付属。最低限の物だけを携行したい。

フルレングスのナイロンパンツはアーミーが採用したIPFU。ワタリが広く、裾を絞ったシルエットが今の気分にピッタリ。裾には長めのジッパーを付属するため、トレーニングで汗をかいたら、ジッパーを開けて熱を逃したい。ハリウッドセレブが着用したことでも、注目を集めている。

注目すべきは着丈にもバリエーションがあること。

また一般の衣料と異なる点としては、ジャケットやフルレングスのパンツなどにはS,M,Lなどの表記のほかShort、Regular、Longなどの表記がある。ミリタリーウエアらしくウエストや身幅の他にも着丈のバリエーションがあるのだ。

近年ではワイドフィッティングにショートレングスのトップスなどが若者を中心に人気だが、90年代のB-Boyブームを経験している40代としては、あえてジャケットはLongを選びたい。また、くるぶしが見えるShortレングスのパンツもオススメだ。ソックスをチラ見せさせたり、サンダルを合わせて軽やかなコーディネイトにしたりと、着こなしの幅も広い。

トレーニングのみならず、街着としての活用も可能性大!

その魅力はすでにお伝えしたとおりだが、ここまで見たとおり、実はトレーニングシーンだけでなく、街着としても着やすいことがお分かりいただけるだろう。ぜひこんなアガるウエアからトレーニングを始めてみてほしいところだが、もし仮に継続的なトレーニングが失敗したとしても、街着としても活用できるのでご安心を。

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