ヴィンテージミリタリーの世界へ。イギリス・ロンドンにある「VINTAGE SHOWROOM」を訪れた

ミリタリーウエアは単なる戦闘服の枠を超え、現代のファッションに深く大きな影響を与えてきた。厳しい環境下での実用性を追求したディテールや素材選定、機動性などの機能美は、現代服にも活きる。また、耐久性や堅牢性に優れ、流行に左右されない普遍性も魅力のひとつだ。ミリタリー由来のデザインは、ヴィンテージ趣味として留まることなく、現代服の礎として、スタイルと実用性を兼ね備えた価値を持ち続けている。今一度、ヴィンテージミリタリーを掘り返してみよう。

「The Vintage Showroom」そこはヴィンテージミリタリーの宝庫

【DATA】
27 Mount Pleasant, London WC1X 0AS, United Kingdom https://thevintageshowroom.com

1960s European cotton-coated windproof sailing smock

1960年代頃にヨーロッパ諸国で作られていたコットンコーティング仕様のセーリングスモック。防風・防水性を高めた生地が採用され、当時のセーラーたちの実用着として使用されていた。フロントのボタン留めやスクエアなフラップポケットなど、必要最低限のディテールのみが実装されている。コーティング生地特有のエイジングも見事だ。

Late 19th-century Indian wars US infantry officers M1885 coat

19世紀後期、アメリカ陸軍歩兵士官が着用したM1885コート。ウール素材の重厚な仕立てに、当時の士官用ドレスユニフォームらしい端正なシルエットが特徴。ヨーロッパの軍装に影響を受けたデザインもこのコートの肝で、威厳と品格を兼ね備えた佇まいが魅力の歴史的ミリタリーウエアと言えるだろう。

1890s US Cotton canvas field coat

1890年代頃のアメリカ製コットンのキャンバスフィールドコート。大ぶりの襟にトリムデザインを特徴的なデザイン。フロントはトグル留め仕様で、当時の労働着としての背景を持って作られたオーバーコート的なアイテム。色むらのあるキャンバス生地の風合いも魅力で、長い年月を経たヴィンテージならではの圧倒的な存在感を放っている。

WW2 British cold weather Kapok Modified cotton canvas coat

第二次世界大戦期のイギリス軍コールドウェザーコート。カポック繊維を用いた中綿を備えた防寒仕様で、コットンキャンバスのシェルと組み合わせた重厚かつ堅牢な作りが特徴。実戦環境に対応するための改良が幾度となく施されたモディファイドモデルで、ミリタリーウエアではあるが現代のファッションとしても充分に活躍できそうだ。

1975 Dated US AirForce Bunny Boots

1975年製のU.S. AIR FORCEのバニーブーツ。極寒地用に開発された防寒ブーツで、気密構造により高い保温性を発揮する。特徴的なオフホワイトカラーのラバーシェルが印象的で、雪原や氷点下環境での使用を想定したタフに履き潰すミリタリーブーツ。

1960s Nam Era tiger stripe jungle boonie hat

1960年代のベトナム戦争期に作られたタイガーストライプのジャングルブーニーハット。高温多湿なジャングル環境での使用を想定した軽量な作りが特徴で、広めのブリムが容赦なく照らす陽射しや突然の降雨から守ってくれる。カモフラージュがらの中でも人気のパターンだ。

1950s R.A.F. Ventile and wool-lined crew cap

1950年代のROYAL AIR FORCEクルー用のキャップ。英国発祥の高密度コットンとして名を馳せるベンタイル生地を使用し、内側にはウールライニングを備えた防寒仕様。整備員や地上クルーの作業時に用いられた実用的なミリタリーキャップ。ワークスタイルにも通じるディテールを持っている。

1960s Eddie Bauer Camouflage Duck hunting cap

1960年代頃に作られたEddie Bauer製カモフラージュ柄ダックハンティングキャップ。アウトドアブランドらしい実用的な作りで、狩猟時のカモフラージュを意識した迷彩パターンが特徴。クラシックなハンティングスタイルを象徴するミリタリーライクなヴィンテージアイテム。

(出典/「CLUTCH Magazine 2026年5月号 Vol.103」)

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