3ページ目 - アメリカで戦う日本人ビルダーの果てなき挑戦。「KIYO’S GARAGE」清永充宏

晴嵐”Sunny Storm” 1968 HONDA CB175

愛妻KATさんがライドして、SCTA/AMA/FIMのレースにおいて4つのレコードを樹立した晴嵐。CB160をホップアップした心臓を搭載するマシンの最高速度は105.657mph (約169㎞)。175㏄までのクラスにおいて、日本人女性最速の妻とその愛機。

月光“Moon Light”HONDA CB1620

CB750をボアアップした810㏄エンジンを二基搭載するCBシリーズの第二弾。「1+1=2になるか?」というコンセプトを掲げ、フロントモーターの内燃機とミッションの分離加工、前後モーターの連結、フレームワークなど独自の手法によって紡ぎ上げられた“走るショーバイク”である。

銀河“Galaxy”1978 HONDA CB2508

月光に次ぐシリーズ第三弾は、さらなるパワーを求めCB750をボアアップしたCB836を三基搭載する排気量2508㏄。フロント二基のモーターはミッションを分離し、プライマリーはリアをオフセットして2連並ぶ仕様。マルチエンジンの高回転型の特性を活かす程よいハイコンプレッションピストンを採用し、メガサイクルのハイカムをインストール。ヘッドはビッグバルブ加工、ポーティングを施し、KEIHIN FLATCRを12基装備。スピードを追い求めるビルダーのピュアなスピリッツから生まれた三基がけのモディファイ。独創的なスタイリングは、現実離れしたカスタムに見えるかもしれないが、合計12気筒、3基のエンジンが全て同様に回転することを理想とし、全てのパーツを同重量に加工するなど、丁寧な手仕事の上に成り立つカスタムレーサーだ。

フロントエンドはHONDA CBR1000RRにワンメイドのウィールをセット。フューエルタンクは2本走るメインチューブの内側に装備。シリーズのコンセプトを表現したペイントに注目したい。3基並ぶエンジンから完璧なクリアランスで流れるエキゾーストのラインに、ビルダーの高いスキルと丁寧な姿勢が感じられる。

スピード=正義の世界に追いても妥協を許さない、オリジナリティの追求。

ここで紹介した全てのカスタムレーサーは、全て清永氏の相棒と言えるLOVE EAR ART GEN氏の独創的なペイントでフィニッシュされる。それは、キヨズガレージのカスタムの色気の重要な要素である。スピードが全てのレースに追いても、清永氏がオリジナリティを妥協することはない。自分の好きなスタイルでスピードを磨き上げる。それこそがキヨズガレージのカスタムレーサービルドの哲学だ。

(出典/「CLUTCH Magazine 2025年8月号 Vol.100」)

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