個性豊かな戦前のワークウエア。コレクターの貴重なコレクションから厳選紹介!

ヴィンテージという概念が存在する世界には、必ずコレクターが存在する。そのカテゴリーは細分化されており、デニムのようにメジャーなものから知る人ぞ知るニッチなものまで、奥深い世界が広がっている。そんな様々なジャンルのコレクターを、テーマごとにフィーチャーし、膨大なコレクションの中から厳選した逸品を毎号ここで紹介していく。今回はワークウエアにスポットライトを当てる。

嶋根安紀。学生時代に地元にあった有名なヴィンテージショップにて古着を買ったことをきっかけに、30年以上に渡り収集。今回はワークウエアに絞っているが、王道のデニムからおもちゃ、家具まで自身がかわいいと思ったものを純粋に集めている。90年代から代々木のフリーマーケットに通い、全国のショップを周りながら、コツコツと集めたそう。また買ったものは基本的に手放さないという姿勢も素晴らしい。ワークウエアの魅力は、「これだけの数を集めたり、SNSが発達した今でも、まだまだ見たことがないものが存在する」と語る

1920s LEE

ヴィンテージカバーオールの頂点のひとつであるチンストラップ付き91-J。最初期のみの仕様だが、タグの付く場所にバリエーションがある。

1910s LEE

ウォバッシュストライプのユニオンオールは、ミュージアムピース。むき出しのボタンや変形ポケットの仕様から、最初期のものであろう。

1910s GIBRALTAR

コレクターズアイテムのひとつであるスターウォバッシュを用いたキッズ用のカバーオール。チェンジボタンでユニークな変形ポケット。

1910-20s GIBRALTAR

ブラウンのコバート地にストライプが入った珍しい生地がポイント。当時のカタログにてこの生地は、タバコブラウンと表記されている。

1920s CARHARTT

近年、高騰している当ブランドの中でも珍しいチンスト付きの杢デニムというスペシャルなカバーオール。カフスのリベット仕様も注目。

1910-20s SECURITY GARMENT

戦前にはなくなってしまった知る人ぞ知るメーカー。台襟がなく、襟にチンストラップが付いた意匠がユニーク。ドリル生地を使っている。

1920-30s THE KNOCKERS

オールインワンが多いマニアックなブランド。ロープタイプのウォバッシュストライプを用いたスペシャルで、ポケットの意匠も◎。

1910s FEARLESS BRAND

BUCKSKINのプライベートブランド。キャンドルポケットや金具などの仕様から年代を推定。バックポケットにはフラップが付いている。

1920s DURA BILT

HD LEEが展開していた幻のワークウエアブランド。非常にバランスの整ったデザインのカバーオールで、ミントコンディションである。

1910s SWEET-ORR

シャドウストライプとウォバッシュを組み合わせたスペシャルなオーバーオール。ローバックで背面にはシンチバックが付属している。

(出典/「CLUTCH Magazine VOL.99 2025年5月号」)

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