一生モノのブーツコレクション6選【第一章】

上質な革を使用し、熟練した職人らによって丁寧に仕上げられたブーツは、履くほどに足へと馴染み、そのエイジングは磨くほどに美しい。その魅力に取り憑かれ、次なる出逢いを求めている人も少なくない。銘品と呼ばれるブーツから新作まで、一生モノとして愛せるブーツを紹介する。

JOE McCOY_TEN MILE WORK BOOTS ¥154,000_

アッパーのマテリアルに牛革のラフアウトレザーを採用したテンマイルブーツ。トゥボックスまで外羽根が伸びるいわゆるモンキーブーツと呼ばれるデザインで、足首から足の甲にかけてシューレースでフィッティングを調整できることが大きな特徴。ワークブーツの堅牢な作りでありながらも、きめ細かなブラックのラフアウトレザーにゴールドの真鍮製シューホール&フックが上品で上質なものであることを印象付けてくれる。また見た目以上に軽量で、革馴染みが良い素上げによるカウハイドを使用しており、履き初めから軽快に着用できる。

Material : Rough Out Leather
Process : Goodyear Welt
Size: 7~11
Color : Black
Sole : The Real Mccoy’s Original rubber soles

The REAL McCOY’S TOKYO
Tel.03-6427-4300 https://therealmccoys.jp

BUZZ RICKSON’S_SERVICE SHOES TYPE M-43 ¥86,900_

1943年に米陸軍に採用されたタイプⅢと呼ばれるM-43ブーツ。革の銀面が内側に位置するラフアウトレザーを採用しているため、足の出し入れがしやすく、優れた履き心地を実現した銘品。また、革の表面に浸透性のあるワックス処理が施されており、保革と防水効果を高めている。このM-43タイプIIIには前期と後期が存在し、前期型は羽根の先端にリベットが打たれ、後期型はリベットが省略。映画『大脱走』でヴァージル・ヒルツ扮するスティーブ・マックイーンが劇中でA-2と共に着用したことでこのブーツが広く認知された。

Material : Rough Out Leather
Process : Goodyear Welt
Size: 7~10half
Color : Sand
Sole : LIGHT-TREAD

BUZZ RICKSON’S(TOYO ENTERPRISE)
Tel.03-3632-2321 https://www.buzzricksons.jp

WESCO_STANDARD BOSS ¥140,800_

1918年創業のWESCO。100年を優に超えるブランドの歴史と伝統は、創業時から頑なに守り続けてきたステッチダウン製法とハンドクラフトによる徹底した品質管理の高さが物語り、キングオブブーツと称されるまでに。WESCOがエンジニアブーツを作り始めたのは1939年。機械作業用の安全靴として開発され、多くの作業員たちに支持された。のちに安全性、防水性の高さから、多くのバイカーたちにも愛され、1980年代後半にBOSSの名が冠される。カスタムオーダーで自分だけの1足を作ることができるのも魅力のひとつだ。

Material : Oiled Cow Hide
Process : Stitchdown
Size: 2~16 Width:AAA~EEE
Color : Black
Sole : #100 Vibram Sole

WESCO JAPAN
Tel.06-6783-6888 https://wescojapan.com

The 2 Monkeys_VAUDEVILLE ¥110,000_

1910年前後のアメリカ、フランスのブーツに着想を得たハイトゥ、ブルドッグトゥなどと呼ばれるラインが入った特徴のあるつま先と、アッパー上下に別パーツを縫い合わせた腰革デザインが特徴のキャップドトゥの外羽根ブーツ。2種類の製法を組み合わせてウエストを強く絞り、当時のクラシカルで優美なフォルムを再現した。マテリアルには、きめ細かく滑らかながら、自然な肌を残した馬革を採用しているため、柔らかく足馴染みも良いのは言うまでもなく、履くうちにトラ・バラ傷などが浮き出てくることも馬革らしい特徴だ。

Material : Horsehide(Horse Front)
Process : Goodyear Welt + Mckay
Size: 6~11
Color : Black
Sole : Leather + Half Rubber

JELADO
Tel.03-3464-0557 http://www.jelado.co.jp

BILTBUCK_Lot.603 Engineer Boots “The Pioneer” ¥140,800_

BILTBUCKの定番モデル「The Pioneer」。モーターサイクルブーツの創生期をコンセプトにハイグレードマテリアルで作り上げたドレッシーでクラシカルなフォルムがこのモデルの大きな特徴となっている。マテリアルにはバットレザーでは最高グレードのひとつに数えられるイタリア・グィディ社製ホースバットを採用。ミッドソールは馴染みが良く耐久性に優れた最高級オークバーク・ベンズに、アウトソールはビルトバックオリジナルセパレートソールを装備。ブラックの焼付け塗装を施したサンドキャストのアイアンバックルも印象的だ。

Material : Guidi Horsebutt
Process : Goodyear Welt
Size: 6D~12D
Color : Black
Sole : Original

Attractions
Tel.03-3408-0036 https://attractions.co.jp

WHITE’S BOOTS_5’’ SEMI-DRESS ¥158,950_

創業から140年以上にも渡り、ハンドクラフト製法にこだわりワークブーツを手掛けてきたWHITE’S。厳選された上質なレザーのみを使用し、アッパーレザーとインソールをアイリッシュ・リネンと呼ばれる耐久性に優れた太い糸で縫製することでも知られている。なかでもドレスシューズのような上品な雰囲気を纏うセミドレスは、ドレッシーにもカジュアルにも履きこなせるモデルとしてブーツファンからの支持も厚い。また履き込むほどに美しいエイジングで魅せるクロームエクセルレザーを使用したモデルは定番として愛されている。

Material : Black Chromexcel
Process : Goodyear Welt
Size: 5 1/2~11
Color : Black CX
Sole : VIBRAM #700

STUMPTOWN SHIBUYA
Tel.03-3477-0658 https://www.stumptownjapan.com

(出典/「CLUTCH Magazine 2024年11月号 Vol.97」)

この記事を書いた人
CLUTCH Magazine 編集部
この記事を書いた人

CLUTCH Magazine 編集部

世界基準のカルチャーマガジン

日本と世界の架け橋として、国外での販路ももつスタイルカルチャーマガジン。本当に価値のあるモノ、海外記事を世界中から集めた、世界基準の魅力的コンテンツをお届けする。
SHARE:

Pick Up おすすめ記事

Wranglerの走破性は本物か? オフロード体験会で徹底検証

  • 2025.10.03

筑波山の麓で開催されたジープのオフロード体験イベントは、ジープオーナーはもちろん、新規顧客にとってもジープの魅力を存分に感じられる特別な一日となった。専用のオフロードでラングラーならではの走破性を体感でき、オーナー同士の交流も見られた。今回は現地取材を通して、その模様と参加者のリアルな声をお届け。 ...

シルバーをアートに変える、現代の錬金術師。

  • 2025.09.24

ネイティブアメリカンの伝統技法をベースに現代的なエッセンス、そして日本独自の繊細な美意識を加えることで唯一無二の世界観を紡ぎ出すFIRST ARROW’s。一片のシルバーの塊に命を吹き込むその様は まさに現代のアルケミスト(錬金術師)という表現が相応しい。これらの作品は貴方が身に付けることで完成する...

レザーラバー必見! 革ジャン用に作られた薄手のスウェットをゲットせよ!

  • 2025.09.30

革ジャン専用のTシャツをリリースし、レザーラバーから絶大な支持を受けるブランド「ハイウェイナイン」。ライトニング別注の「Lightning Leather Lover Tシャツ」のボディにも使われているので、愛用している方も多いのでは? そんなハイウェイナインが、レザーラバーのために新たなアイテムを...

デニムにする? コーデュロイにする? エドウインのトラウザーズを軸に作る「シン・トラッドスタイル」

  • 2025.09.19

ジャパニーズアイビーのボトムスは、太ももから裾まで太さが一定のパイプドステムが主流であった。対してタック入りのトラウザーズは、1920年代に登場したといわれる、よりクラシックなボトムス。そんな旧きよきトラウザーズを軸に、いつものトラッドスタイルを刷新してみてはいかがだろうか。 【右】トラウザーズ2万...

東洋エンタープライズがこれまでに培ったノウハウや知見の集大成「モダクト」と「タフナッツ」

  • 2025.09.19

「シュガーケーン」や「バズリクソンズ」など、ヴィンテージをベースとした生地やディテールの圧倒的な作り込みで知られる東洋エンタープライズ。そんな同社が手がけるブランド、「モダクト」と「タフナッツ」は、これまでに培ったノウハウや知見の集大成でありながらどんな日常のシーンでも使いやすい実用性を備える。映画...

Pick Up おすすめ記事

Wranglerの走破性は本物か? オフロード体験会で徹底検証

  • 2025.10.03

筑波山の麓で開催されたジープのオフロード体験イベントは、ジープオーナーはもちろん、新規顧客にとってもジープの魅力を存分に感じられる特別な一日となった。専用のオフロードでラングラーならではの走破性を体感でき、オーナー同士の交流も見られた。今回は現地取材を通して、その模様と参加者のリアルな声をお届け。 ...

レザーラバー必見! 革ジャン用に作られた薄手のスウェットをゲットせよ!

  • 2025.09.30

革ジャン専用のTシャツをリリースし、レザーラバーから絶大な支持を受けるブランド「ハイウェイナイン」。ライトニング別注の「Lightning Leather Lover Tシャツ」のボディにも使われているので、愛用している方も多いのでは? そんなハイウェイナインが、レザーラバーのために新たなアイテムを...

【Willis & Geiger×2nd別注】ミリタリーとサファリが香るアーバンアウトドアウエア

  • 2025.09.17

これまでに、有名ブランドから新進気鋭ブランドまで幅広いコラボレーションアイテムを完全受注生産で世に送り出してきた「2nd別注」。今回もまた、渾身の別注が完成! >>購入はこちらから! 90年代のアーカイブをデザインソースに、上品さを加えてアップデート。ウールメルトンジャケット[メトロ ウォーカー] ...

デニムにする? コーデュロイにする? エドウインのトラウザーズを軸に作る「シン・トラッドスタイル」

  • 2025.09.19

ジャパニーズアイビーのボトムスは、太ももから裾まで太さが一定のパイプドステムが主流であった。対してタック入りのトラウザーズは、1920年代に登場したといわれる、よりクラシックなボトムス。そんな旧きよきトラウザーズを軸に、いつものトラッドスタイルを刷新してみてはいかがだろうか。 【右】トラウザーズ2万...

東洋エンタープライズがこれまでに培ったノウハウや知見の集大成「モダクト」と「タフナッツ」

  • 2025.09.19

「シュガーケーン」や「バズリクソンズ」など、ヴィンテージをベースとした生地やディテールの圧倒的な作り込みで知られる東洋エンタープライズ。そんな同社が手がけるブランド、「モダクト」と「タフナッツ」は、これまでに培ったノウハウや知見の集大成でありながらどんな日常のシーンでも使いやすい実用性を備える。映画...